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小学校教員の年収は?職名・経験年数・都道府県別に徹底解説!

小学校教員の平均年収は、約600万円とされています。平均年収は、職名(役職)や経験年数、都道府県によっても異なります。

今回の記事では、小学校教員の収入をさまざまな角度から解説していきます。さらには、教員になる3つの方法についてもご紹介しますので「教員」という仕事に興味がある方は、ぜひ最後までご一読いただければと思います!

小学校教員の平均年収

まず、小学校教員の平均年収は、578万円前後(約600万円)です。

2016年度の教員個人調査によると、平均月収が33万6,200円となっており、これに約174万円の期末手当、勤勉手当を加算して算出されています。実際には、記事後半で紹介する地域手当や扶養手当、通勤手当などが加算されるので、600万円前後になると考えられます。

なお、教員の平均勤続年数が18年以上であることを考えると、平均年収を受け取っている年齢は40歳前後の教員になると考えられます。

参考
平成29年4月1日地方公務員給与実態調査|総務省,P230

【職名別】平均月収

少し前の統計になりますが、2009年度の教員個人調査によると、公立小学校の職名別の平均給与額は下記の通りです。

簡単にまとめると、教諭、養護教諭、栄養教諭は35~37万円ほどで、助教諭や講師は23万円弱となっています。

職名平均給与月額(千円)
校長476.9
教頭441.2
教諭354.4
養護教諭361.5
栄養教諭377.0
助教諭229.7
講師227.1
養護助教諭210.3

学校教員統計調査 平成19年度 第1部 高等学校以下の学校及び専修学校、各種学校の部 教員個人調査 小学校 |政府統計の総合窓口より筆者作成)

【経験年数別】平均月収

総務省の統計によると、小・中学校教育職の地方公務員の経験年数別の給与は、初任給で約21万円、10年務めると約33万円、20年以上務めると40万円を超えることがわかります。

小・中学校教育職の平均給与月額は36万3814円で、厚生労働省が発表している一般労働者賃金の平均給与月額30万4300円に比べると、教員の給与は高いと言えるでしょう。

年齢区分平均給与月額(千円)
初任給214.3
1年以上2年未満221.9
2年以上3年未満230.6
3年以上5年未満245.5
5年以上7年未満266.4
7年以上10年未満290.1
10年以上15年未満330.6
15年以上20年未満373.5
20年以上25年未満401.8
25年以上30年未満419.2
30年以上35年未満429.9
35年以上414.1

平成29年4月1日地方公務員給与実態調査結果|総務省,P274より筆者作成)

▼初任給については、こちらの記事で詳しく解説していますので、合わせてご参照ください▼
公立小中学校教員の初任給は?教員が対象の手当や1年目のボーナスも!

参考
平成 30 年賃金構造基本統計調査の概況|厚生労働省,P1

【都道府県別】平均月収

2016年度の都道府県別の平均月収は、勤続年数が長くなるにつれて高くなっている傾向にあります。

平均勤続年数が24年以上の岩手県と秋田県の場合には、平均給与月額が38万円を超えています。また、東京都や大阪府は平均勤続年数が短いため、平均給与月額も30~31万円と低い結果となっています。

都道府県平均勤務年数(年)平均給与月額(千円)
北海道18.7353.4
青森23.4371.8
岩手24.7380.9
宮城20.1350.5
秋田24.7388.2
山形23.6371.8
福島22.8380.4
茨城22.0353.6
栃木20.6346.7
群馬20.2348.6
埼玉15.3319.0
千葉16.6320.0
東京14.5314.6
神奈川14.2314.9
新潟20.3353.7
富山19.3341.3
石川18.9337.5
福井20.7354.7
山梨22.0353.7
長野21.5352.8
岐阜20.1347.5
静岡19.6349.1
愛知16.3320.6
三重19.0338.8
滋賀17.3316.3
京都15.1317.6
大阪13.2307.9
兵庫16.3320.1
奈良16.2321.8
和歌山18.1338.8
鳥取19.6334.9
島根21.1353.5
岡山18.4332.8
広島18.2343.5
山口20.3347.5
徳島19.3344.0
香川19.1338.9
愛媛23.0361.0
高知22.0363.0
福岡18.0330.4
佐賀21.6358.1
長崎23.4368.9
熊本21.7365.7
大分21.8356.3
宮崎22.8362.8
鹿児島21.4365.9
沖縄15.1331.9

平成28年度 第1部 高等学校以下の学校及び専修学校,各種学校の部 教員個人調査 小学校|政府統計の総合窓口より筆者作成)

小学校教員に支給される手当一覧

小学校教員には、給与以外にも支給される手当がいくつかあります。例えば、扶養手当や地域手当などです。

しかし、時間外勤務手当や休日勤務手当の支給はほとんどありません。

  • 扶養手当
  • 地域手当
  • 住居手当
  • 通勤手当
  • 特殊勤務手当
  • 管理職手当
  • へき地手当
  • 義務教育等教員特別手当
  • 寒冷地手当
  • 期末手当
  • 勤勉手当

参考
平成29年4月1日地方公務員給与実態調査|総務省,P229-230

小学校教員になる3つの方法

小学校教員の年収は、地方公務員の一般行政職の中でも高くなっており、民間企業の平均的な年収と比べても遜色ありません。生活するために十分な収入が得られると言えるでしょう。

そんな小学校教員は、公務員の中でも間口の広い採用制度を行っています。

そこで。ここからは、一般的に知られている教員採用試験だけでなく、講師登録をする方法、Teach For Japan(以下、TFJ)のフェローシップ・プログラムに参加する方法の3つの方法をご紹介します。

▼小学校に限らず、教員になることを目指している方は、こちらの記事もご覧ください▼
教員になるには採用試験だけじゃない!意外と知られていない方法とは?|Teach For Japan

教員採用試験に合格して正規教員として働く

教員採用試験は、全国にある68の教育委員会が年に1回実施する公立学校の教員を採用するための試験です。試験は、1次試験と2次試験に分かれており、筆記試験・論文試験・面接試験・実技試験・適性検査があります。

令和元年度の実施結果概要によると、小学校教員の採用倍率は2.8倍で、平成3年度と並んで過去最低となっています。

ただ、教員を目指す受験者数はむしろ増えており、退職者が多いことに対する採用人数の増加が採用倍率の低下につながっています。

(参照元:令和元年度(平成30年度実施)公立学校教員採用選考試験の実施状況のポイント|文部科学省,P3

しかし、採用倍率が下がっているとはいえ、教員採用試験は1年に1度しかない試験であり、教員免許を持っているか取得見込みであることが受験資格となるため、決して簡単な試験とは言えません。1年を有効に使って対策しておく必要があるでしょう。

講師登録をして講師として働く

教員免許をすでに取得している場合は、講師として働くこともできます。

講師には、フルタイムで働く常勤講師と、時給制のパートタイムで働く非常勤講師の2種類があります。常勤講師は、待遇面での多少の違いはありますが、教諭と仕事内容に大きな違いはありません。

また、講師として経験を積んでから、教員採用試験にチャレンジする人もいます。受験する自治体によっては、一定期間の講師経験をすることで、一次試験の一部が免除される場合もありますので、チェックしてみてください。

▼講師について詳しく知りたい方は、こちらの記事も合わせてご覧ください▼
「講師」と「教諭」ってどう違うの?~「講師」という働き方~|Teach For Japan

Teach For Japanのフェロー(教師)として働く

TFJは、すべての子どもが、素晴らしい教育を受けることができる世界の実現を目指して活動している認定NPO法人です。応募時点での教員免許の有無は問わず、教育への情熱と成長意欲ある多様な人材を、独自の選考と研修を経て、公立学校に2年間「教師」として送り出すフェローシップ・プログラムを行っています。これまでに、プログラムに参加した情熱ある人材は100名以上に上っています。

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まとめ

小学校教員は、平均年収が600万円前後あり、会社員の平均年収と比較しても、十分な収入を得ることができます。これは、教員が未来の日本社会を創っていく子どもたちの教育において、大きな役割を担っているからです。

グローバル化やIT化が加速し、100年生きると言われる現代で、教育の重要性はますます高まっています。あなたも教員にチャレンジに、安定した収入を基盤に据えて、やりがいのある教育という分野に進んでみませんか?

参考
小・中・高校の教師の給料はいくら?先生の給料について解説|TECH NOTE
小学校の教諭・教員の平均年収は約550万円!給料の仕組みを徹底解説|Education Career
2 平均給与月額|地方公務員の給与水準|総務省
教員資格認定試験|独立行政法人教職員支援機構

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