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活動レポート report

初任者の最初の1ヶ月をコミュニティの力で支える、TFJの強みとは?

Teach For Japan(以下、TFJ)では、ビジョン実現に向けて学び続けるコミュニティを構築し、その発展のために様々な取り組みをしています。
フェローやアラムナイ(修了生) 、TFJ職員を含む300名程度(2024年4月時点)が登録しているSlack(オンラインコミュニケーションツール)上では、日々様々な情報交換や意見交流、勉強会や対話会、イベントの企画などが自発的に行われています。
この4月には、初めて学校現場に赴任した第12期生や、赴任2年目となる第11期生を対象としたオンライン相談会が開催されました。
本記事では、会を企画された第11期生の佐藤さんや、赴任中研修を担当する職員の上田さんにお話を伺いました!

「オンライン駆け込み相談室」を企画した第11期生 佐藤公彦さんへインタビュー

・なぜ「オンライン駆け込み相談室」を企画しようと思ったのですか?

理由はいくつかあります。一つは、このTFJのコミュニティが好きだというシンプルな理由です。このコミュニティには教育をよりよくしたいと考える熱い思いや志を持った方々が集まっていると感じるので、自分自身もコミュニティの皆と繋がりたい、深く語らい、教育に関する考えを深めたいという気持ちが背景にありました。
また、新しい職場に馴染むことはどんな職場でも大変なことだろうと思うのですが、特に教員は、4月1日に赴任して1週間後には子どもたちの前に立ち集団をリードしていく必要があるので、かなり早い段階で一人前であることが求められ、特徴的な職場環境なのではないかなと考えていました。自分の周りにも学校で働きはじめて最初の1週間、1ヶ月で、しんどさやストレスを抱えていた知人がいました。新しく赴任したばかりのタイミングでは同僚の先生にしんどさを伝えるのにも難しい面がありますし、学校関係者でない友人や家族にもなかなか相談しづらい部分があるかと思います。TFJのコミュニティであれば場所は違えど学校現場で働く境遇が共通しているので、サポートしやすいのではないかなと感じました。
私自身も赴任当初は不安な気持ちや何をしたらいいか分からず混乱する部分があったのですが、TFJコミュニティの先輩たちが同じようにオンラインの交流会を開いてくださって、心の支えになっていました。

   <「オンライン駆け込み相談室」を呼びかけられた際の投稿>

・参加したフェローからはどのような話がありましたか?

「こういうときどうしてました?」というような質問や、シンプルに不安・混乱を吐き出してくれた方もいました。「駆け込み相談室」というネーミングの通り、困りを抱えている方にとっての駆け込み寺のような場になればと思っていたので、参加者の方の不安な気持ちを少しでも軽くできればと思ってお話ししていました。
意外だったのは、ネガティブなトピックが多くなるのかなと想定していたのですが、実際にお話ししてみると、ご自身のビジョンを話してくださったり、「もっとこんな教育をしたいと思っているけどどう思う?」というような中長期を見据えた話をしてくださる方も何人もいらっしゃいました。
私より先輩のアラムナイの方に参加いただいた日もあり、貴重なお話を聞けました。

・TFJコミュニティについて、どのように関わっていきたいと感じられていますか?

私は教育に対する志のある方達と、互いに高め合っていく関係を築いていきたいと思っています。TFJコミュニティの交流はオンラインベースのことが多いのですが、もう少しお互いを深く知れればという気持ちから、直接会って対話をする決起合宿なども企画しました。TFJには、フェローシップ・プログラム期間だけでなく、その後も含めて長く深く関わっていきたいと思っています。教育で世界を変えていくにはとても長い時間がかかります。共により良い教育を実現していく”同志の関係”をTFJで築いていけたらと思っています。

赴任中研修チームのリーダー上田さんより

毎年フェローの赴任地域が決まる頃になると、フェローの赴任に先駆けて同エリア・同校種教科に赴任している先輩フェローが、スムーズに赴任できるように交流会を開催してくれたり、Slack上で情報発信を積極的にしてくれたりしています。また、相談事や困り事がありSlackで投げかけると、共感し受け止め壁打ち相手となってくれる同期同士の関わりが見られたり、アドバイスをしてくれるアラムナイの姿があったりします。
 
フェローのみなさんは団体のビジョンに賛同してフェローシップ・プログラムに参画していただいている仲間でありますが、一丸ではあっても一様ではありません。それぞれ自分の思い描く素晴らしい教育を子ども達に届けられるよう学校現場で真摯に取り組んでいます。強い教育への思いをもっているからこそ、時には壁にぶつかり思い悩むこともあります。それを乗り越える1つの方法が、コミュニティの力です。多種多様なバッググランドをもつ方々が全国に赴任し、年齢・教員経験の年数に関係なく様々な視点からフラットに対話し学びを深め合えることは、TFJコミュニティの大きな強みです。

また、フェローが学校現場でより資質・能力を発揮できるように赴任中研修の在り方や方法について毎年改善を重ねていますが、今年は第12期生から赴任直後ならではの困り事や赴任前までにもっと準備をしておいた方が良かったと思う点などをヒアリングできたので、第13期生の赴任に向けて活かしていきたいと思います。
赴任直後からフェローが自分らしく子どもたちと向き合っていくことができるよう、2年目のフェロー、アラムナイ、団体職員はそれぞれの立場からできることを考え、一つずつ実行に移してまいります。また、その実践から得られる知見の蓄積は、フェロー以外の初任の先生たちがスタートを切る際の環境づくりにも生かせると思います。すべての先生が自分らしく生き生きと働けるよう、団体として取り組んでいきます。

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