Teach For Allって?グローバルカンファレンスで感じた協働することの価値とは
- 活動レポート
昨年10月、Teach For JapanのCEOと職員がTeach For Allによってケニアのナイロビにて開催されたグローバルカンファレンスに参加しました。カンファレンスの様子やTeach For Allと協働する価値、Teach For Allの一員として実現していきたいことについて、職員の池田さんに聞きました!
そもそもTeach For Allとはどのような団体でしょうか?
Teach For All(以下、TFAll)は、世界中の全ての子どもたちの可能性が最大限引き出される教育環境の創出や、より良い未来の協働的な構築を目指している国際的な非営利組織で、Teach For Japanは2013年よりそのパートナー組織(ネットワーク加盟団体)として活動しています。2024年1月現在、TFAllのグローバルネットワークは60カ国以上に広がっています。TFAllではよく「locally rooted and globally informed」というフレーズが使われるのですが、この言葉は各パートナー組織がそれぞれの地域の文脈や社会的背景に深く根ざしながら自国の教育課題へのアプローチを行なっている一方で、共通のビジョンを持っておりその実現のために国や地域をこえた協働が行われているという特徴をよく表しているなと思いますし、私も好きな言葉です。
昨年はコロナ禍が収束してきて対面で集まれる機会が戻ってきたので、アジアパシフィック地域の研究チームのカンファレンス、Collective Leadership Fellowshipの研修、そしてグローバルカンファレンスなど、海外に出向いてTFAllネットワークの仲間たちと交流やディスカッションをする場を多く持つことができ、たくさんの刺激と学びがありました。
グローバルカンファレンスに参加されて、いかがでしたか?
今回初めて対面でのグローバルカンファレンスに参加しましたが、場所は違えど共通のビジョンを持ちながらそれぞれの国や地域で奮闘する仲間たちが世界中にいることのパワーを改めて実感しました。印象的だったのは、子どもたちのリーダーシップやウェルビーイングを高めていくためには、教室や学校のレベルで変えるだけでは不十分であり、そもそもの目的や文化を含むシステム全体を変革していく必要があるという点が議論の土台となっていたことです。そのような広い視野を持ちながら多様なセクターとどのように協働していくことができるかということを様々な視点から議論できたことは、Teach For Japanのプログラムの次のフェーズを考えていく上でも非常に重要だったと思います。一方で、カンファレンスには教員とその教え子たちも多く参加しており、現場レベルで小さな変化を起こしボトムアップにアプローチしていくことの意義や重要性もすごく強調されていたと思います。この両方の視点を持って議論できることも、TFAllの強みだと感じています。また、現地の学校を訪問したり他国の実践事例について知ったことで、自分たちにとって当たり前になってしまっていることに改めて気づき、見直す機会にもなりました。今回持ち帰ってきた学びを他のメンバーとも共有し、できることから始めていきたいと思います。
▼グローバルカンファレンス参加報告はこちら
https://teachforjapan.org/20605/
Teach For Allネットワークの一員として、池田さんが実現したいことは何でしょうか?
私は現在大学院で、学習科学と呼ばれる「人はいかに学ぶか」について研究する学問分野を専門としているのですが、そこで言われる「違うからこそ、多様であるからこそ学びが生まれる」ということをTFAllはまさに体現しようとしているように感じています。TFJでは「学習観の転換」を1つのキーワードとしているのですが、私個人としても様々な教育課題の根本にはこの「“学び”というものをどう捉えているのか」が大きく関わっていると考えていて、「違うから学べる・多様だから学べる」ということをもっとみんなが納得できるようになったら世界は変わるのではないかと思っています。社会全体の学習観を転換していくことは簡単なことではなく時間もかかることですが、だからこそ想いを同じくする世界中の仲間たちと学び合い支え合いながら、まずは自分にできることに取り組んでいきたいと思います。
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