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活動レポート report

自治体担当者に聞く!フェロー赴任の裏側

フェローシップ・プログラムは、教育をより良くしたいと考える多様な人材を、教員免許の有無に関わらず選考し、これからの時代を見据えた教師としての資質・能力を、研修を通して育みます。そして、自治体との連携により、様々な教員免許状を活用し、2年間「教室」に送り出します。今回は、自治体担当の松木さんに、業務内容や連携している自治体とのお話など、フェロー赴任の裏側をお聞きしました!

どのような自治体と連携しているのですか?

全国津々浦々、様々な自治体がTeach For Japanと連携してくださっています。その中には、都道府県のような広域自治体もありますし、市区町村であれば、政令指定都市や県庁所在地のような地域の中核を担う都市から人口規模の小さい町や村まで、本当に幅広い自治体とお付き合いしています。
当然のことですが、それぞれの地域には個性があるので、自治体によって魅力だったり強みといったものが違いますし、課題だって異なります。一方で、各地の教育委員会のみなさんとお話させていただくと、地域の特性にかかわらず、「教員の不足」が全国的な共通の課題であるということが強く実感されるようになりました。小さな村であっても、大都市であっても、子どもたちの義務教育を受ける権利を担保するために必要な人員が簡単には充足しないという状況は、大きな社会問題だと感じています。

フェローの赴任のために、どのような活動をされているのでしょうか?

教員の不足は全国的な共通の課題と言いましたが、その教員の不足状況の内訳を細かく見ていくと、地域やタイミングによって違いが出てきます。例えば、あの地域では特に小学校の先生が不足しているとか、この地域では産休に入った先生が重なって中学校の英語の先生が足りていないというようなことです。僕たちの目線で見ると、どんな先生が求められているのかという地域のニーズが異なっていると言い換えることができるかもしれません。
そのような各地のニーズをそれぞれの教育委員会のみなさんからヒアリングさせていただき、フェローをマッチングしていくというのが自治体担当者の主な仕事になってきます。フェローのみなさんについても、赴任を希望する学校の種類や教科の専門性がそれぞれ異なりますから、その情報の把握をしておく必要もあります。団体内部の情報と団体外部の情報をつなぎ合わせていくというイメージです。

自治体担当者からはどのような声をもらっていますか?

大変ありがたいことに、フェローのみなさんが熱意を持って子どもたちと接していることに対して、感謝の気持ちを伝えていただけることが多いです。教員の不足という量的な問題だけでなく、子どもたちのよりよい教育を実現していくための質的な部分でも、自治体のみなさんから評価をしていただいているのだと感じています。「すべての子どもが、素晴らしい教育を受けることができる世界の実現」という団体のビジョンに共感して、子どもたちに対して想いを持ったフェローのみなさんがプログラムに参加してくれているということは、Teach For Japanにとっての大きな財産だと思います。
そういった団体としての成果も感じることができていますが、連携してくださる自治体が増えてきていることによって、ニーズがあるにもかかわらずフェローを紹介することができないというケースが発生しています。より多くの方にTeach For Japanの活動を知っていただき、共感していただくことで、活動の規模を拡大していくことができれば、団体のビジョン実現に近づいていけると信じています。

自治体連携を通して、松木さんが実現したいことを教えてください。

僕は地方自治に携わっていたことがあるのですが、地方自治制度のよいところとして、同じような役割の行政主体である地方自治体が、都道府県なら47、市区町村なら1700以上存在することが挙げられます。日本国政府は一つしかありませんが、地方自治体は沢山存在するので、自治体同士で政策の情報を共有することで疑似的にトライ&エラーを繰り返すことができ、そのことが地方自治全体の政策形成能力を高めることにつながります。つまり、行政は保守的なイメージが強いけど、地方自治においては、失敗も許されるべきだし、そもそも挑戦的な政策に取り組まなきゃ損をするという側面があるということです。
Teach For Japanでは、フェローの紹介以外にも、個別自治体との包括連携協定の締結や企業版ふるさと納税制度の活用といった挑戦的な取り組みも行っています。自治体のみなさんと連携する中で、その地域の実情に即して挑戦的な取り組みを行い、明日を担う子どもたちの教育がよりよいものになれば嬉しいです。また、その事例がロールモデルとなって普及すれば、地方自治の制度としての効果を引き出すことにもなります。そして、その先に「すべての子どもが、素晴らしい教育を受けることができる世界の実現」があれば言うことなしです。

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