
【最新版】小学校教員資格認定試験とは?年に1度の教員免許を取得できるチャンス!
- コラム
教員資格認定試験は、文部科学省が広く一般社会から人材を求めるために開催している年に1度の試験です。教員免許がなくても、教育への課題意識や教員になりたい情熱があれば、教員への道を開くことができる1つの制度です。今回の記事では、2020年度小学校教員資格認定試験合格者による筆者が、小学校教員資格認定試験の概要や試験内容を解説し、さらに教員免許取得後、教員になる4つの方法をご紹介します!
【最新版】2021年度小学校教員資格認定試験の概要

教員免許認定試験は、3つの種類があります。
・幼稚園教諭二種免許状
・小学校教諭二種免許状
・特別支援学校自立活動教諭一種免許状
ここでは、その中でも小学校の教員資格認定試験の試験目的や受験資格、実施場所・スケジュール、出願方法をご紹介します。
試験の目的
開催者である文部科学省によると、広く一般社会から人材を求めるための試験であることがわかります。
広く一般社会に人材を求め、教員の確保を図るため、大学等における通常の教員養成のコースを歩んできたか否かを問わず、教員として必要な資質、能力を有すると認められた者に教員への道を開くために文部科学省が開催している
(引用元:教員資格認定試験|文部科学省)
また、大学等の高等教育機関で教員養成課程を取得していなくても受験する資格があることがわかります。
受験資格
受験資格は高校を卒業した者、その他大学に入学する資格を有する者です。また、年齢制限があり、2021年度の試験では、平成13年4月1日までに生まれた者が対象となっています。
試験実施場所とスケジュール
試験実施場所は、一次試験と二次試験で異なります。
【一次試験実施場所】
東京近郊と大阪近郊の全国2カ所にて実施。(※2019年度までは、全国6カ所)詳しい場所は、7月上旬にホームページで公表される予定です。
【二次試験実施場所】
ウェブ会議ツールにより実施予定。2020年度は出願時点では独立行政法人教職員支援機構(茨城県つくば市)での実施予定でしたが、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、ウェブ会議ツール(Zoom)での実施となりました。
【実施スケジュール】
①願書等の請求受付期間:5月28日(金)まで
②出願期間 :5月21日(金)~6月4日(金)※当日消印有効
③受験票の交付 :8月上旬頃
④一次試験実施日 :8月29日(日)
※予備日:9月5日(日)
⑤二次試験実施日 :11月13日(土)及び11月14日(日)
※予備日:11月20日(土)及び11月21日(日)
⑥合格者発表 :12月21日(火)
参考
令和3年度 教員資格認定試験受験案内|独立行政法人教職員支援機構
出願方法
まずは、受験願書等の資料請求をする必要があります。資料請求の方法は、インターネットを使う方法と電話する方法の2通りあります。
インターネットで請求する場合は、試験を運営する独立行政法人教職員支援機構がホームページ上で告知する受験案内に記載されているURLあるいはQRコードから行います。
電話で請求する場合は、音声ガイダンスに従って申し込みます。なお、どちらの方法で資料請求しても届く資料は同じです。
受験願書等が届いたら必要書類を揃えて出願です。必要書類は下記の通りです。戸籍抄本・住民票写しや卒用証明書など、入手するまでに時間がかかる書類ものあるので早めの手続きをお勧めいたします。
【出願書類一覧】
・出願書類点検票(所定の用紙)
・受験願書・写真票・受験票(所定の用紙)
・戸籍抄本(個人事項証明書)又は住民票の写し
・高等学校の卒業証明書
・「振替払込受付証明書(お客さま用)」提出用紙(所定の用紙)
・受験票送付用封筒(所定の封筒)
・試験結果通知用封筒(所定の封筒)
※その他別途書類の提出を求める場合があります。
なお、各書類の詳細は、受験案内に詳しく記載されていますので必ずご自身でご確認ください。
▼令和3年度 教員資格認定試験受験案内|独立行政法人教職員支援機構
合格判定基準
2020年度の合格判定基準は、下記の通りです。

2次試験や論述試験の合格判定基準は公表されておらず、独立行政法人教職員支援機構から合格者数や合格率などは公表されていません。ただ、文部科学省の説明資料によると15%前後の合格率であるといえそうです。

ちなみに、過去に出題された問題は5年分ホームページに「問題」と「正答」が掲載されています。
【最新版】2021年度小学校教員資格認定試験の内容
2020年度から、小学校の教員資格認定試験は、知識や技能よりも実践的指導力を問い、実践に即した形で評価する内容に変更になりました。2021年度に関してもこれは同様です。

第1次試験
第1次試験は、マークシート方式と論述式の2つの方法で、4種類の試験が1日で実施されます。

※独立行政法人教職員支援機構のホームページに過去問が公開されているので、詳細はそちらでご確認ください。
教科及び教職に関する科目(Ⅰ)(20問/70分)
教職専門科目に関する試験。
教科及び教職に関する科目(Ⅱ)(60問/180分)
各教科の専門的内容及び学習指導要領の理解等に関する知識・技能を具体的な授業場面に則して活用する問題。10教科のうち音楽・図画工作・体育を2教科以上含む6教科を選択する。各教科の問題数は10問で、6科目を選択するので60問に解答する必要があります。
教科及び教職に関する科目(Ⅲ)(1問/60分)
各教科の専門的内容及び学習指導要領の理解等に関する知識・技能を具体的な授業場面に則して活用する問題。10教科のうち1教科を選択する。
教科及び教職に関する科目(Ⅳ)(2問/60分)
教育者としての使命感や責任感、児童理解等、教員として必要な能力と適性の全般に関する論述試験。2題出題され、60分でどちらも解答する必要があります。
参考
令和3年度 教員資格認定試験|独立行政法人教職員支援機構
第2次試験
第2次試験は、2日間で実施されます。
内容
教職への理解及び意欲、小学校教員として必要な実践的指導力に関する事項
方法
・指導案作成
・模擬授業
・グループ討議
・課題論文作成等
これらを通して、コミュニケーション能力、教育者としての使命感や責任感等、教員として必要な実践的指導力が評価されます。なお、実施方法はウェブ会議ツールとなり、オンラインでの実施となりますので安定したインターネット環境と静かな場所の確保が必須となります。
参考
令和3年度 教員資格認定試験受験案内|独立行政法人教職員支援機構
教員免許を活かして教員になる4つの方法
教員資格認定試験に合格して教員免許を取得しても、活用しなければ宝の持ち腐れです! ここからは、教員採用選考試験に合格して正規教員になる道も含めた4つの教員になる方法をご紹介します。ぜひ、今後の選択肢を広げるための参考になさってください。
教員採用選考試験に合格して公立の教員を目指す
教員採用選考試験は、全68都道府県・指定都市の教育委員会(以下、県市)が実施している公立学校の教員を採用するための試験です。受験資格は、教員免許状を取得済みあるいは取得見込みであること、年齢制限があります。下記の表の通り、半分以上の県市が年齢制限を設けておれず、広く門戸を開いていることがわかります。(令和2年度時点)
年齢制限 | 教育委員会の数 |
制限なし | 41県市 |
51歳~58歳 | 1県市 |
41歳~50歳 | 23県市 |
36歳~40歳 | 3県市 |
試験内容は、教養や専門などの筆記試験に加えて、面接や実技試験、作文、小論文、模擬授業の組み合わせで多面的に資質能力・適性が評価されます。また、県市によっては英語の資格や民間企業経験、教職経験などで試験の一部免除や特別選考を実施している場合もあります。
私立の教員を目指す
私立学校では、公立学校のように自治体ごとに試験を実施してまとめて採用するスタイルではありません。学校ごとに採用が行われます。そのため、私立学校で採用されるには、自分で情報を取りに行って応募する方法、就職エージェントを活用してマッチングしてもらう方法があります。
ちなみに、中学校や高等学校を希望する場合は、日本私学教育研究所が実施する教員適性検査を受験してスカウトを待つ方法もあります。
講師登録をして公立の教員を目指す
公立の学校で働く先生の中には、教員採用選考試験に合格した正規教員だけではなく講師の先生もいらっしゃいます。採用自治体によりますが、多くは1年ごとの契約となり、常勤講師であれば仕事内容は正規教員とほとんど変わりありません。
また、時間講師という勤務形態もあるため、フルタイムではなくパートタイムで働きたい方の選択肢として考えられます。
参考
東京都公立学校時間講師を希望される方へ|東京都教育委員会
Teach For Japanのフェローシップ・プログラムに参画して公立の教員を目指す
Teach For Japan(以下、TFJ)は「すべての子どもが素晴らしい教育を受けることができる世界の実現」をビジョンにしている認定NPO法人です。
TFJは、ビジョン実現のために、2年間公立学校に教育への情熱と成長意欲を持った人材に赴任していただくフェローシップ・プログラムを運営しています。2021年度は、日本全国の小中学校に88名のフェロー(教師)が赴任しており、これまでにプログラムに参加した人数は169名になります。
プログラムに応募時点では、教員免許の有無は問いません。ただし、独自の選考と研修を実施して、各自治体や教育委員会と連携することで、臨時免許制度や特別免許制度を活用して、公立学校の教師として赴任していただいています。
▼フェローシップ・プログラムの詳しい内容はこちらでご覧になれます。
まとめ
教員資格認定試験は、広く一般社会から人材を求めるための試験です。変化の激しい時代において、情熱ある多くの人が教育の当事者として関わることは、教育の質を高めるために貢献します。教育への課題意識や教員になりたいという情熱があるのであれば、教員資格認定試験の受験を検討してみてはいかがでしょうか。
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