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フェローインタビュー fellowinterview

夢を与えられる先生になりたい!新卒小学校教員の進路への葛藤といま

学生時代に自分の進路に悩んだことはありませんか? 今回インタビューさせてもらった高橋フェロー(教員)は、学生時代に就職について悩み、1週間家から出れなかったことがあるそうです。そんな高橋フェローが悩み抜いて出した答えとTeach For Japan(以下、TFJ)との出会いを伺いました。教員になってから学校で感じていることやこれからの刺激的なチャレンジも話してくれています!

高橋貴一

※表は横にスライドできます。

赴任期間2018~2020(6期フェロー)
赴任先福岡県
校種小学校赴任(3年生担任)
出身大学愛媛大学(教育学部)
教員免許小学校教員免許、中学校教員免許(国語科)
経歴愛媛大学教育学部→中国遼寧師範大学(交換留学)→TFJ
趣味卓球、料理・・・映画もめっちゃ見てます!!
好きな言葉迷ったらゴー! 宝物はもうすでに持っているよ(高橋貴一)
一言メモ「迷ったらゴー!」が生き方そのもののチャレンジャー

やりつくした大学生活の先で出会ったTFJ

早速ですが、いつから先生になりたいと思っていましたか?

いつからと言われたら返答に困りますが……自分は、幼稚園の卒園アルバムに「先生になりたい」と書いているような子どもでした。というのも、父親が小学校の先生だったことが関係していると思います。小さいころから父親の姿を見ていたので、先生になったら幸せになれると思っていました。

また、小学校6年生の時に出会った先生にすごく影響を受けました。「運動もできて、おもしろくて、イケメンで!」という自分にとっては理想的な大人でした。その先生に夢をもらったという気持ちがあって、自分も「夢を与えられる先生になりたい!」と思うようになりました。

なので、小さい頃から自分が将来幸せに生きている姿は、学校の先生になって教壇に立っている姿でした。言い換えると、先生以外を見てこなかったということかもしれません。

なるほど。子どもの時から先生に憧れがあったんですね!大学ではどのような活動をしていたんですか?

大学を卒業したら教員になろうと思っていたので、教育学部に進学しました。そのころには「夢を与えられる先生になろう」という考えは、「いろんなことを伝える大人になろう」へと変化していました。具体的に行っていたのは、子ども向けに人形劇をしたりサマースクールを運営したりするサークルで、子どもたちと直接関わることです。でも、3年生のときに「教育実習に行く→教員採用試験に合格する→教員になる」というルートが見えて、「本当にこのままでいいのかな? 」と自分の進路に疑問を持つようになりました。

また、熊本の震災の復興支援に行ったときに、いろいろな立場の方とお会いする機会がありました。そのときに、自分は「いろんなことを伝える大人になる」という目標を持っていたにも関わらず、まだまだ社会を知らないと痛感したんです。

それからの大学生活は「社会のことを知る」を軸にして、これまでよりも積極的に行動しました。具体的には、農業団体や社会人塾、ビーチサッカーチームなど、8つの団体を立ち上げ、そのうち5つの団体で代表を務めました。その他にも、インターンシップ、就職活動、学童ボランティア、留学、教員採用試験も経験しました。

いろいろなことにチャレンジした大学生活だったんですね。TFJを知ったのはどのタイミングだったんですか?

留学から帰ってきて就職活動をしたんですが、なかなかうまくいかなくて悩む時期がありました。そのときに、とことん悩んで出した答えが「世界を知っている教師になる」ということだったんです。それで、「世界 教師」で検索をしたらTFJが出てきて興味を持ちました。そして、すぐにオンライン説明会に参加しました。

参加した説明会では、3期フェロー(小学校教員)の池田由紀さんが実践発表をしていました。池田さんの「世界とつなぐ学校」(オンラインで海外にいる日本人とつないで交流する)や「先生の歩み」(子どもが先生の歩みをつけるもの)を聞いて感動しました。その説明会をきっかけに、TFJ一本に絞ろうと決めました。

TFJは、世界の50ヵ国以上とのネットワークがあるTFAと繋がりがあり、「教育」と「社会のことを知る」を軸にしていた自分にとっては魅力的な存在でした。そして何より、TFJに参加している方々が魅力的な方ばかりだったのもTFJに参加しようと思った大きな理由です。

自分が変わることで周りも変わる

「先生」への想いと「社会を知る」という軸がTFJでつながったんですね。では、実際に教員になって感じたことは何でしたか?

はじめは、わからないことがわからなくて大変な状況でした……。担任発表されて、初めて教室に子どもたちを連れて行くとき、教室への道を迷ってしまって子どもに「先生しっかりして!」と言われることもありました。また、TFJのフェローとして来たからには、何かやらないといけないという考えがあり、自分で壁を作ってしまっていたように思います。なので、1年目の1学期は、周りに助けを求めることもできず孤独感を感じたまま過ぎていきました。

その状況を変えたくて、1年目の夏休みにTFJの創設者の松田さんに「学校の先生方とフェローの違いは何ですか?」と質問しました。そうしたら、「一緒だ」と言われたんです。それで、自分が「TFJのフェローだから」ということにこだわりすぎていたことに気付いて、できることを着々とやろうと思うようになったんです。

夏休みに大きな気付きがあったんですね!それからはどう変わっていきましたか?

2学期からは、積極的にプリントのコピーをしたり、校庭のライン引きをしたり、掃除をしたりするようにしました。そうすることで、同僚の先生方とのコミュニケーションも多くなって、壁を作ることなく、ありのままの自分で話をすることができるようになりました。

また、自分が変わったことで、子どもたちに対する考え方も変わりました。自分の考えを押し付けるのではなく、子どもたちと一緒に進んでいけるという感覚がいまはあります。なので、長期休暇中は早く子どもたちに会いたいと思いますし、学校生活が毎日が楽しくてしかたありません。自分がオープンになることで、先生方にも子どもたちにもたくさん助けてもらえて、いまは本当に幸せを感じています。

そして、学級の子どもたちとの残りの時間は、「学力の向上」と「ひとりひとり」に視点を当てることを重視していきたいと思っています。学力向上のために、勉強に向かう時間と思いっきり遊ぶ時間のメリハリをつけていきたいです。また、学級集団としての視点だけではなく、ひとりひとりの良いところや得意なことを活かすために、子どもたちのことをもっと知る時間を確保しなければいけないと考えています。

2年後のキャリアは、みかんをかぶって世界一周!?

最後に、2年間を終えた後のキャリアを教えてください。

フェローが終わってからは、世界一周の夢を叶えるためにTFAのネットワークがある50ヵ国以上の国を全て回って、世界中の教育を見ていきたいと思います。1年半かけて世界の教育を見て回って、最終的にTeach For Americaの創設者であるウェンディ・コップさんに自分の見てきたものとこれからのチャレンジを伝えたいと思っています。

そして、地元愛媛で学校の先生のために何かができる職に就きたいと思っています。学校には、先生が生き生きと働くためにはどうしたらいいのかを考える人があまりいないと感じます。学校にいる先生たちは本当に毎日本気で子どもと向き合っているし、誰も悪くないと思ったんです。だからこそ、自分がそんな先生方をサポートしたいと思っています。

(編集後記)
フェロー期間終了後は、世界一周に出ると決めている高橋さん。みかんの被り物から地元愛媛への愛が伝わります。チャレンジするためにリスクを恐れない高橋さんのこれからが楽しみです!

Teach For Japanは、学校の教室から世界を変えていきたいと考えています。多様な教育課題があるからこそ、学校へ情熱ある多様な人材を「教師」として送り出しています。教室で生まれたインパクトを、学校・地域・社会へと広げ、教育改革の一翼を担います。

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