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フェローインタビュー fellowinterview

すべてのひとが 自然と文化を じぶんを そして ひとを愛する世界 を目指して

フェロー第11期生の小野正(おの・ただし)さんをご紹介します。小野さんは、新卒から勤められた大企業を早期退職され、50代でのキャリアチェンジとしてフェローシップ・プログラムに参加されました。

今回は、小野さんがフェローシップ・プログラムに応募された経緯や、実際に学校現場に赴任されてからの取り組み、そして今後の展望などについてお聞きしました。

教員免許は持っていないけれど教育に関心のある方、教師になりたいけれど一歩踏み出せずにいる方、50代からのキャリアチェンジをお考えの方には、特に参考にしていただきたい内容となっています。ぜひ最後までご覧ください。

Q. フェローシップ・プログラムに応募した経緯を教えてください。

残りの人生で、自分なりに持続的な社会づくりに向けた問題解決にチャレンジしたいと考えていた矢先に、教員免許がなくても教師になれるTeach For Japanの存在を知りました。

もともとこどものことが好きで、Teach For JapanのVision「すべての子どもが、素晴らしい教育を受けることができる世界の実現」に共感し、教員不足など取りざたされる、未来をつくるこどもたちに大切な教育現場の課題解決に貢献、社会へ恩返しをしようとフェローシップ・プログラムの門をたたきました。

Q. 実際に学校現場に赴任して、いかがですか?

実際、教育現場に立つと、「こどもは大人や社会の鏡」と言われるように、様々なものを背負ったこどもたちが学校に通っていることを改めて思い知らされます。

しかしながら人類が誕生してから受け継がれた生命の誕生は奇跡であり、どんな時代でも、すべてのこどもたちに自分の人生を「自分なりのしあわせのモノサシ」で選んでほしいと願い、授業デザインの工夫改善に挑戦しています。

Q. 授業で取り組まれていることはどんなことですか?

生まれ育った環境で身についた経験則や脳の枠組みも、徐々にしか変わらないことから、まずは、こどもたちが生まれながらにして自ら学ぶ資質・能力をもっていることを信じ、 こどもたちに寄り添い、こどもたちの挑戦に魔法の言葉「good try!」 と声かけするなど心理的に安心・安全な関係づくりに努めています。

そして、義務教育における制限はありますが、できるだけ「選択」の機会を授業デザインするようにしています。例えば、「学習活動・場所」「表現・記録方法」「教材・実験」「問題数」「先生役」などにおいてです。こども自身が選択することは、探究サイクルでやる気のスイッチが入りやすく、インクルーシブ教育とも親和性が高いと思っています。

その他に、教育心理学上、一定程度の知識がないと学びは促進されないことから、地域や家庭環境などによる体験学習や情報の格差が少しでも解消されるようSociety5.0 を見据え、最新テクノロジーによる社会問題解決事例を紹介したりしています。

Q. 子どもたちの反応はいかがですか?

こどもたちからは、 「分からない時は笑顔でやさしく教えてくれる」「わかりやすく、前は理科が嫌いだったけれど好きになりました」といった声をもらいました。

学期末に実施したアンケートによる「理科の好き嫌いの変化」では、「どちらでもないが好きになった(29.4%)」、「嫌いがどちらでもないになった(13.7%)」、「嫌いが好きになった(2.0%)」を合わせると、おおよそ2人に1人が改善、残りは変化なしで、改悪はゼロという結果となりました。

さらには、こどもたちから「先生から聞くあたらしい世界のことやロボットのことを聞くのが好きでした」「これからの社会のこと、AIのことなどをたくさん学ぶことができた」 「教科書のことだけでなく、様々なことを教えてもらえた」「人生について学ぶことができた」などの声をもらうことができたのは、教師冥利に尽きるといえます。

Q. フェローシップ・プログラムが小野さんの取り組みにどのような影響を与えていると感じられていますか?

このような授業デザインの工夫改善が実践できるのも、学習科学や脳神経科学等の科学的知見を土台としたフェローシップ・ プログラムでの学びや、年齢を問わず多様なフェローの仲間との対話、公教育現場で既にこどものために奮闘されている教職員のサポートのお陰であることに加え、これまでのたくさんの失敗を含めた50代ならではのキャリア、経験がとても役に立っていると感じています。

実は、私も、これまで人知れず「親や世間のモノサシ」で生きてきたことに気づかされ、家族の温かい理解もあり、大企業を早期退職し、「自分なりのしあわせのモノサシ」で後半の人生を歩み始めました。

そして、Teach For Japanと出会い、Teach For Japanのビジョンに共感する仲間と一緒に、未来をつくるこどもたちのために教育現場の問題解決に挑戦しています。

社会に開かれた教育が叫ばれる昨今、多様なキャリアをもった大人がフェローシップ・プログラムに参画することは、こどもたちにとっても、 教育現場の変革にとっても大変意義深いものと考えています。

何より私自身が、新しい仲間やこどもたちと出会い、対話しながら、学び合い、自分を変容、成長し続けられていることが楽しく、well-beingな毎日を送っています。

Q. これからチャレンジしたいことはありますか?

実は、フェロー2年目の今年、教師をしながら通信制大学へ3年編入し、「ひととひと」「ひとともの」「ひととこと」を幸せにする空間演出デザインを新たに学び始めました。

まずは、自分が、未来をつくるこどもたちの希望、生涯学習時代のロールモデルとなれるよう、個人的または社会的な問いを探求し、一生涯学び、変容・成長し続けたいと思います。

そして、生涯現役で、一日一日を一生懸命、知行合一し、多様な仲間とwell-beingな社会のつくり手であり続けたいと願っています。

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