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フェローインタビュー fellowinterview

新卒から小学校教員へ!進路を決めた理由とは?

国立大学から新卒でフェロー(小学校教員)へ!?今回は、新卒でTeach For Japan(以下、TFJ)のフェローになった平山美沙季さんにインタビューしました。大学生の時に考えていたことやTFJに魅力を感じた理由、教員時代のエピソードを語って頂きました。

平山美沙季

※表は横にスライドできます。

名前平山美沙季
赴任期間2015~2017(第3期フェロー)
赴任先福岡県
校種小学校赴任(2年生、2年生担任)
教員免許中学校・高校英語の教員免許あり
出身大学九州大学・教育学部
趣味散歩、安い野菜を求めてスーパーを練り歩くこと
好きな言葉諦めなければ道は拓ける
一言メモ人を笑顔にしたいと語る平山さんは、こぼれるような笑顔の持ち主。

学習支援で感じた、学校の先生の可能性。

新卒でフェローになっていますが、教育へ関心を持ったのいつからですか?

実は、物心ついたときから、学校の先生になりたいと思っていました。幼稚園のときから、将来の夢に「学校の先生」と書いていたんです! それに、人に教えるのが好きでしたし、ずっと先生になりたいという想いがありました。

でも、大学進学のタイミングで、学校の先生になりたいという考えが少し変わりました。当時は、ゆとり教育が凄く批判されていたんです。でも、自分はゆとり世代として、小学校・中学校時代の教育がそんなに悪いとは感じていなかったんです。楽しい思い出がありましたし、素敵な先生もたくさんいましたから。

それで、「ゆとり教育の政策を辞めたらよくなるやん!」と思って文科省で働こうと思ったんです。当時はすごく単純だったので。(笑) なので、教員養成課程ではなく、教育社会学や教育経営論がある九大(九州大学)の教育学部を専攻することにしました。

文部科学省で働くキャリアを描いていたということですが、どうして改めて「学校の先生」になる道を歩み始めたのですか?

TFJが行っていた学習支援事業に、学生教師として関わったことが大きかったです。実は、大学1年生の最初の段階で、文科省で制度を変えても教育が変わるわけではないということがわかって、将来どうしようかなと迷っていたんです。そんなときに、大学の講義でTFJのことを知りました。TFJの話を聞いて、「社会を巻き込んで変えていく」というビジョンに惹かれました。日本の教育にアプローチするには、自分1人ではできないと思っていたので、「これだ!」と思いました。

それから、TFJの活動に関わる中で1人の中学生に出会いました。その中学生は「なんのために数学とかするん?こんなんせんでも生きていけるし!」と言っていたんです。それを聞いて、「何がこの子にそう言わせているんだろう?」とすごく考えてしまいました。それと同時に、少しでも数学楽しいと言ってもらいたいと思ったんです。

その子との関りは5日間だけでしたが、一生懸命教材の準備しました。そうしたら、最終日のテストで、その子が満点を採ったんです!それを見たときに、こちらがしっかり向き合ったら子どもってこんな短期間で変るんだと思いました。そして、学校の先生が1年間子どもと向き合う責任の大きさと可能性の大きさを感じ、先生になることを決めました。

大学生活を通して得たことの中で、学校現場で生きたことはありますか?

剣道部時代

学校現場に限らず、社会人になってから良かったなと思ったのは部活の経験です。在学中は、剣道部に所属していて週6日活動していました。
歴史と伝統がある部活だったので、OB・OG会で年上の方と交流することが多く、会社の経営者の方や人事担当者の方の話を聞くことができました。社会で活躍されている方の多様な視点を学ぶことができたのは良い経験でした。

あと、在学中は、大学の講義、剣道、アルバイト、TFJの活動というハードな毎日でした。例えば、大学と部活が休みの日曜日は、朝から昼までアルバイトして、昼から夕方までTFJの活動に参加して、夜からまたアルバイトをするという生活。(笑) だから体力だけは自信があるんです!これは、先生の仕事にも生きたと思います。

したいことを実践した1年目。先生達との関係構築に注力した2年目。

フェローとして赴任してからどんなことを感じましたか?

福岡県にTFJのフェローが赴任するのは初めてだったので、「来年もお願いします」と言ってもらえるようにしようと覚悟を決めて行きました。受け入れてくださった教育委員会の方々にも、覚悟を持って赴任することを求められているとも感じました。

赴任して、一番大変だったのは先生たちとの関係構築でした。1年目の学年主任の先生が、「やりたいことを何でもやってごらん」と言ってくれたので、その言葉の通りにやりたいことをやっていました。同学年の先生方は、1年間何も言わずに見守ってくれたので、何の相談もなく子どものためになると思ったことは何でも実践していました。子どもたちも、新しいことや楽しいことだったのでついてきてくれていました。毎日学級通信を出していましたし、土日も学校に行って教材作りをしていました。

小学校の教室で子供たちと

でも、2年目になったときに、自分のクラスだけしか見えていなかった私のやり方に対して、ベテランの先生から指摘を受けました。同学年を組む先生から見た視点や保護者の視点を踏まえた指摘でした。これまでの私にはなかった視点で、そう言われてはじめて「あっ」と思い、自分のやり方がまずかったと反省しました。
それからは、朝早く学校に行って職員室の掃除をしたり、自分が使った教材を共有したり、先生方に何でも相談するようにしました。また、自分が研修で学んだことをプリントにして共有しました。クラスの子どもたちだけでなく、先生方にも貢献できるように一生懸命やりました。

周りの先生方との関係性に変化はありましたか?

辛い時期もありましたが、これまで厳しいことしか言ってくれなかった先生が、味方になってくださるようになりました。
例えば、私が自主学習について学級通信で書いていたのを見たら、「平山先生勉強熱心だからこれ見て勉強したらいいやん」と言って自主学習に関する雑誌を、大きな紙袋一杯に持ってきてくださったことがあります。そんなことがあってから、自分ができることはサポートして、わからないことはどんどん聞ける環境になっていきました。その先生とは、いまでも連絡を取り合うほど良い関係になりました。

赴任する前や教員1年目は、子どもたちのことしか見えていませんでしたが、広い視野を持つことの大切さを学ぶことができました。それに、先生たちが団結してチームとして動くことが、子どもたちにも良い影響を与えると気付くことができました。

教員を4年間続けたからこそできるフェローのサポート。伝えたい、教員の魅力。

教員生活4年間を経て、いまはどんなことをされていますか?

Teach For Japanのイベントにて

いまは、教員として学校でがんばっているフェローへのアドバイスや研修設計をしています。また、教育イベントで繋がった新任教員のアドバイザーとしての活動もしています。学校現場で経験を積んだからこそ、大変な気持ちもわかるし、具体的なアドバイスもできると思っています。

あと、教員の仕事の魅力を伝えていきたいです! 私は、教員ほど魅力的な仕事はないと思っているんです。先生をしていると言うと、みんなから「大変でしょ」と言われます。でも、先生の仕事って10大変なことがあったら、それを一気に0にしちゃうような1のことが起きるんです。それが教員の魅力だと思います。
フェローの教室に行く機会があるので、先生たちのがんばりをたくさん見つけて、それを発信していきたいです。そのために、自分が役に立てることは何でもしたいと思っています!

(編集後記)
多忙を極める教員1年目から、通信大学で小学校教員の免許を取得していたという平山さん。常に試行錯誤しながらチャレンジを繰り返す行動力が凄まじいです。また、大変だった時期の話も笑顔で話す姿から、平山さんの強さが感じられました。

Teach For Japanは、学校の教室から世界を変えていきたいと考えています。多様な教育課題があるからこそ、学校へ情熱ある多様な人材を「教師」として送り出しています。教室で生まれたインパクトを、学校・地域・社会へと広げ、教育改革の一翼を担います。

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