小学校の先生はやっぱり大変?小学校教員の仕事と魅力について探る!
- コラム
小学校の先生の仕事は授業準備、授業、児童の学習評価以外にも学校行事の運営や地域との連携などがあります。その仕事は終わりがなく、「激務」「小学校はブラックだ」と耳にしたことがある人もいるのではないでしょうか? そんな責任ある小学校教員の仕事の醍醐味、やりがいについて今回は探ってみたいと思います!
小学校の先生ってどんな仕事?
(参照元:教員を目指そう!|文部科学省)
上の図は小学校の先生の1日の流れを示したものになります。上の図は教員の学校内での仕事しか記されていませんが、実際にはどうなのでしょうか。15時30分児童が下校した後の業務、授業を担当する以外の仕事にはどんなものがあるのでしょうか。
ここからは小学校教員の仕事を児童に直接かかわること、学校全体に関わること、地域・保護者に関わることの3種類に分けてご紹介したいと思います。
小学校の先生の業務内容
児童に直接関わること
小学校教員が児童に直接関わることで行う業務は大きく分けて教科指導と生活・道徳指導の2つに分かれます。
1.教科指導について
(参照元:教員を目指そう!|文部科学省)
教科指導と言っても、授業を教えるのみではありません。授業を担当するにあたって、まずは指導準備が必要です。
指導準備には、教材研究(教科書や副教材を用いてどのように授業を展開して行くのかを研究)や指導案(各教科、単元の総合学習時間、学習のねらいや目標について)の作成が含まれます。学習のねらいを明確にすることにより、授業の展開を考えやすくなり、効果的な授業を行えるようになります。
授業に関しては、指導計画に沿って授業を展開して行くだけでなく、児童の様子・反応を受け止めながら臨機応変に進めて行く必要があります。また、単元または小単元終了後のテストは児童の成績付けのためだけでなく、授業の改善のために役立てることもできます。
2.生活・道徳指導
生活・道徳指導は、児童が社会で生きていく上で必要なスキルや心身ともに健康的に毎日を過ごせるためのものです。ホームルーム、朝の会・帰りの会の実施や児童との1対1の面談を通して指導を行う他にも、規則正しい生活をするための日々の過ごし方、学習への取り組みかたを指導します。
学校全体に関わること
学級内以外にも小学校教員は学校運営のための仕事もあります。学校運営業務の中で代表的なものは様々な学校行事を円滑に実施することです。
小学校には一年でたくさんの行事があります。4月の入学式に始まり、遠足、プール開き、運動会、学芸会、修学旅行、社会科見学、卒業式など学校によって異なる部分はありますが、教員はこれらの行事を問題なく行えるように監督する必要があります。
行事以外では、学年全体を他の教員と協力しながら運営することです。担任の学級の児童のみが学習目標を達成しているだけではいけません。他学級の教員と協力することで児童の学校生活を豊かにでき、行事などをスムーズに実施することも可能になります。
地域・保護者に関わること
近年、多くの学校が「チームとしての学校」や、「地域とともにある学校づくり」を実現できるように様々な活動を行っています。
(参照元:地域とともにある学校づくり|文部科学省)
地域と学校のつながりを深めることによって、地域、学校が共に活性化すると考えられています。具体例として、地域住民による、登下校やキャリア教育支援に対して、学校は積極的に児童に地域行事への参加やボランティア活動を通して地域のサポートを促し地域と学校のチーム化を図ることがあります。
「地域とともにある学校づくり」を実現させる上で、教員は活動の目的を明確化し、地域の人々とともに理想の「子ども像」を共有したり、地域と学校の架け橋のような存在になる必要があります。
小学校の先生ってやっぱり素敵な仕事!
上記のように小学校教員の仕事は担任をしている学級の中に止まらず、多方面から児童、学校全体、地域を支援します。教員の仕事は特に明確なノルマが提示されている訳でもなく、民間企業の仕事に比べて裁量が難しいことは確かです。それでは教員の魅力・やりがいは何なのでしょうか?
魅力・やりがい
小学校教員の魅力はやはり児童と喜怒哀楽をともにできること、一緒に成長できることです。
「勉強が苦⼿だ」と言っていた児童が、⽇記に「楽しいから、もっと勉強したい」と書いてくれた時に、やりがいを感じました。
(引用元:若手の先生に聞きました!|東京都教育委員会)
みなさんの中にも未だに小学校の時の担任の先生と連絡を取っている方はいませんか? 小学校の先生の魅力はきっとそこにあるのだと思います。
Teach For Japanアラムナイの体験談
Teach For Japan(以下、TFJ)のフェローシップ・プログラムを通して教員の仕事を2年間経験した修了生をTFJではアラムナイと呼んでいます。ここでは、TFJアラムナイの小学校教員のリアルな体験談をご紹介したいと思います!
金澤克宏
◆教師になってから感じたこと
「実際に赴任してみると、毎日の授業準備や学級での出来事、行事に追われて、必死で走り続ける日々でした。朝早くから学校に行って、夜遅くまで残る。土日も授業のことやクラスのことで頭がいっぱいという感じです。そんな毎日の中で、自分がつくっている「一斉画一」な授業の在り方や「きちんとしないといけない場所」である教室や学校に違和感を感じるようになりました。」
そんな中、イエナプラン(「対話する」「遊ぶ」「働く」「祝う」という4つの基礎的な活動が循環するドイツ生まれの教育)に出会い、学級内で実践。
「一例をあげると、朝の会と帰りの会を少し変えました。クラスみんなでサークルになり、地面に座ってするようにしました。朝の健康観察も教員や担当の係の子どもが一方的にするのではなく、近くの人と今朝のことや昨日あったことを雑談する時間を取るようにしました。そうすると、お互いの顔が見えて、お互いの様子がよくわかるようになります。今日は○○さんはちょっと元気がないとか、○○さんがお休みだということがわかるようになります。そんな活動をするようになってからは、不思議とケンカが減り、子どもたちが少しずつ仲良くなっていきました。」
詳しくは「旅行会社から小学校教員、そしてオランダへ。」をご覧ください。
関口寿子
◆教師になって感じたこと
「いま振り返ると、1年目は小学校の担任の「責任の重さ」と「子ども集団を動かすことの難しさ」を痛感した時期だったと思います。」
その後、仲間のサポートもあり、立ち直ることができた。
「2年目は、1年目の経験が活きて見通しを持つことができたので、心にゆとりがありました。なので、カリキュラム通りに進めるだけではなく、子どもたちが自由に活動できる時間を取るように心掛けました。2年間実践したことが、子どものどんな力になっているかはわからないですが、楽しかった思い出や居心地のよかった感覚が糧になっていたらいいなと思っています。すぐには芽が出なくても、大人になってからでもいいし、子どもができてからでも、思い出してくれたらいいなと思います。」
詳しくは「コーチから小学校教員への転身!仲間がいると遠くに行ける。」をご覧ください。
TFJフェローシップ・プログラム
TFJは、世界60ヵ国以上に広がるTeach For Allというグローバルネットワークの一員で、「すべての子どもが、素晴らしい教育を受けることができる世界の実現」をビジョンに活動する認定NPO法人です。
主な事業は、教育をより良くしたいと考える多様な人材を、選考・研修を通して育み、自治体との連携により、2年間「教室」に教師として送り出すフェローシップ・プログラムの実施です。応募の時点で教員免許状の有無は問わず、選考や赴任前の研修プロセスを経て、臨時免許状や特別免許状を活用し教員になることができます。
教師になることに興味がある方は、こちら!
まとめ
今回は小学校教員の仕事内容とやりがいについて体験談を交えながらご紹介しました。小学校教員の仕事は授業を教えるだけでなく、年間行事の実施や地域との連携など様々です。業務の多さだけにとらわれるのではなく、「児童と一緒に成長できる」といった魅力ややりがいにも注目できれば良いですね。
参考
教員をめざそう!|文部科学省
地域とともにある学校づくり|文部科学省
教職の魅力|ベネッセ教育総合研究所
若手の先生に聞きました!|東京都教育委員会
旅行会社から小学校教員、そしてオランダへ。|TFJ
コーチから小学校教員への転身!仲間がいると遠くに行ける。|TFJ
教師になることに興味がある方
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