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フェローインタビュー fellowinterview

英語教員への道は1つではない。留学、NPO、専門機関、そして英語教員へ。

2020年度の教育指導要領の改訂で、外国語教育がより注目を受けています。また、グローバル化が進む中、英語力は大切な力の1つと言えるでしょう。今回インタビューした山岡さんは、英語教員になろうと思って大学に進学しますが、その後国際協力に関心が強くなり留学を経てNPOで働き始めます。そしてTeach For Japan(以下、TFJ)を活用して公立中学校の英語教員に! 英語教員になるまでの経緯や学校現場で感じたことを語って頂きました。

山岡幸司

※表は横にスライドできます。

赴任期間2015~2017(第3期フェロー)
赴任先神奈川県
校種中学校赴任(中学3年生、1年生、英語科担当)
出身大学中央大学(英米文学専攻)→サセックス大学大学院(途上国の教育専攻)
教員免許中学校教員免許・高等学校教員免許(英語科)
経歴BEYOND Tomorrow→国際交流基金→BEYOND Tomorrow→TFJフェロー→品川女子学院(英語科主任)
趣味映画鑑賞
好きな言葉Be the change
一言メモCool Head, Warm Heartを感じさせる勉強家。

一部の子どもではなく、もっと根を張って教育と向き合いたい。

ビヨンドトゥモローのメンバーと

いつから教育に関心を持っていたのか教えてください。

進路を考える段階で、「いつかは英語の教員になろう」と思っていました。英語の教員免許を取得できるところで考えると、英米文学専攻になると分かって、英米文学専攻に絞って大学受験しました。

大学在学中は、教員養成課程を履修しつつも、中学校の頃から関心を持っていた国際協力にも魅力を感じていました。きっかけは、副専攻を学べる大学のプログラムを利用して、国際協力を履修したことです。国際協力を勉強してみて、「やっぱりおもしろいな!」と思ったんです。それで、国際協力の勉強をもっとしたいと思うようになって、イギリスの大学院に留学することに決めました。

留学を選んだのは、国際協力の分野では日本よりもイギリスの研究が進んでいたことと、「先生になったら留学とかなかなかいけないだろうな……」と思ったからです。留学先では、「途上国の教育」について学びました。修士論文では、『ガーナの視覚障害を持った子供が、小学校から中学校に上がるときに何が起きているのか?』というテーマを取り上げました。

一般的な途上国では、義務教育である初等教育から中等教育に進学する段階でドロップアウトする子供が多いという事実があります。ただ、アフリカの途上国では文献が少なかったので、「ガーナではどうなのか?」「視力障害がある子どもはどうなのか?」という疑問を設定して、ガーナで3週間フィールドワークをしてまとめました。NGOが活動している地域では、小学校から中学校への進学が比較的うまくいっていることが分かりました。このときからNGOの役割を実感したんだと思います。

留学から帰ってきて、何をしていましたか?

9月頃に帰国したので、まだ就活も始まっておらず、何もしない期間がありました。その時期に、たまたま見ていたテレビで、東日本大震災で被災した高校生・大学生の支援をしているNPO(ビヨンドトゥモロー)の活動が取り上げられていました。なぜだかわからないけれど、すごく刺さりました。それで、「ボランティアでもインターンでも何でもいいので、自分にできることはありませんか?」とメッセージを送ったんです。それから、ビヨンドトゥモローの活動に関わるようになりました。

途中で就活がありましたが、ビヨンドトゥモローでの活動はずっと続けていて、どんどんできることが増えていきました。具体的には、ハリケーンカトリーナで被災した大学生を東北に招いて、体験を交流するプログラムの実施です。名刺の打ち込みから始まった関わりですが、貢献できることが増えるようになり、やりがいを感じていました。

ただ、就活で国際交流基金から内定を頂いていたので、ビヨンドトゥモローから離れて国際交流基金で働き始めました。国際交流基金は、職場環境・人間関係・待遇のどれをとっても、とても満足できるものでした。いつかは海外勤務できるということも自分にはメリットでした。でも、環境が整いすぎているがゆえに、少し物足りなさを感じるようになったのは事実です。

物足りなさを感じているタイミングに、ビヨンドトゥモローの方から「戻ってこないか?」と声を掛けられて、国際交流基金を退職してビヨンドトゥモローに戻ることにしました。

かなりドラマチックな展開ですね!
TFJのことが一切出てきませんが、TFJのフェローになった経緯を教えてもらえますか?

Teach For America創設者のウェンディ・コップとTeach For Japan創設者の松田さんと

ビヨンドトゥモローの企画で、いろいろな業界のリーダーと交流するプログラムがありました。そのプログラムに、TFJ創設者の松田さんが登壇していたので、TFJのことはなんとなく知っていました。

ビヨンドトゥモローのプログラムは、申し込んでもらわないと参加することができません。これって、そもそも応募している時点で、子どもに力があるってことなんです。奨学金プログラムも人材育成プログラムも、学校の先生に推薦された子どもや自分でアンテナを高く張れている子どもなんです。

そうではなくて、このプログラムに応募をすることができない子どもと出会いたいと考えるようになったんです。もっと根を張って教育と向き合いたいと。なので、TFJの「公立学校で教員になる」というアプローチがすごく刺さりました。

教えるのが下手な自分を成長させてくれたのは、学年の先生と生徒たち。

中学校教員として学校に赴任して、どんなことを感じましたか?

フェロー時代の教室の様子

1年目は、中学3年生の英語担当でした。教えるのが下手だったので、授業はボロボロでした……。でも、学年の先生方に本当にいろいろなことを教えて頂いて、授業改善していくことができました。

特に、学年主任の先生には「学校の創り方」「子どもを荒れさせない考え方」など、学校のことすべてを教えてもらったと思います。細かいところで言えば、「廊下に雑巾が落ちていたら、必ず拾ってきれいに整える」という教員の心得のようなことも教えてもらいました。

自分の授業はボロボロでしたが、これまで先生方が愛情をこめて育ててきた生徒たちだったので、そんな自分にもやさしい気持ちで接してくれていたと思います。周りの先生方や生徒たちのおかげで授業に集中することができましたし、授業内容が改善してくれば、生徒たちは認めてくれたと感じました。

2年目は、中学1年生を担当することになりました。生活指導にとても苦労したのを覚えています。いま振り返ると、2年目の方が1年目よりも大変でした。1年目でわりと一人前になった気になっていましたが、2年目になってうまくいかないことが出てきて、自分の力不足を感じました。そのときは、とにかくやるしかないという感じでしたね。

いまは、英語教育の改善がとにかくおもしろい!

2年間教員を経験したあとのキャリアを教えてください。

公立学校で教員を続けるかどうするか迷っているときに、品川女子学院からスカウトメールを頂いて、受けることにしました。ちょうど、英語教育を存分にやってみたいと考えていた時期だったので、先進的な取り組みをしている品川女子学院からの誘いは希望に合致していました。

品川女子学院の授業風景

品川女子学院は中高一貫校なので、中学生とも高校生とも関わっています。いまは、中学2年生のクラス担任と英語科を担当しています。初めての担任ですが、教科担当にはないおもしろさを感じています。また、自分の担任している学年を皮切りに、英語教育の改革が進行中です! 具体的には、英語の評価方法を変えたり、カリキュラムを変えたりしています。すごく大変ですが、すごくおもしろいです! いまは、これを突き詰めていきたいです。

公立中学校と私立中学校の両方を経験して違いを感じますか?

公立と私立との違いをよく聞かれますが、子どもは変わらないなと思います。私立の方が経済的に恵まれている場合もありますし、自分たちに可能性があることをよく知ってようにも思います。夢があるというか、「こんなことしてみたい!」「あんなことしてみたい!」というのは出てきやすいです。

ただ、人としての生徒と信頼関係を築くことは全く変わりません。なので、根本的な部分は同じだと思っています。

Teach For Allのアジア地域ギャザリング

(編集後記)
常に自分に正直な決断を繰り返してキャリアを進めているのがとても印象的でした。キャリアが変化していくのは、思考が変化してること。そう教えてもらったような気がします。これからの山岡さんの「変化」が楽しみです!

Teach For Japanは、学校の教室から世界を変えていきたいと考えています。多様な教育課題があるからこそ、学校へ情熱ある多様な人材を「教師」として送り出しています。教室で生まれたインパクトを、学校・地域・社会へと広げ、教育改革の一翼を担います。

【フェロー経験者登壇】プログラム説明会はこちらから

参考
一般財団法人教育支援グローバル基金(通称:ビヨンドトゥモロー)
国際交流基金

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