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修了生インタビュー aluminiinterview

ALUMNI INTERVIEW DAY2 山本茜さん~海外大学院留学~

フェロー後、どのようなキャリアを歩んでいる人がいるの?これまで、どのような経歴の人達が参加してきたの?フェロー経験って、その後のキャリアにどのような影響を与えているの?そんな疑問にお応えするべく、Teach For Japan(TFJ)のフェローシップ・プログラム(2年間教師として公立小中学校に赴任するプログラム)を修了した方をゲストにお迎えし、イベントを開催しました!

【ゲストプロフィール】
▼DAY2 山本茜さん
学生時代は、日本の大学からアメリカの大学に編入し、環境教育を学ぶ。帰国後、留学アドバイザーとして働きながら教員免許を取得。Teach For Japan4期フェローとして福岡市の小学校に赴任し、フェロー任期終了後も福岡市の小学校教諭として学校現場に残る。今年9月より、フルブライト奨学生として米国コロンビア大学教育大学院(Teachers College)に進学し発達心理学を専攻している。
インタビュー記事:
https://teachforjapan.org/journal/7200/

教師時代の思いをもとに、大学院で更に深める

▼YouTubeにて動画でご視聴いただけます!!

現在、米国コロンビア大学教育大学院に留学されている山本さん。実は大学もアメリカで、環境学と政治学を専攻して約4年滞在されました。その理由は、小学生の時から興味のあった環境問題について学び、政治の面から問題解決に関わりたいと考えていたからだとか。その中で環境教育に興味を持ち、現地の小学校で自分が作った環境教育カリキュラムの授業を実施するなどされていました。

その後もアメリカに残りたい気持ちはあったそうですが、教育学専攻ではなかっために教育関連の仕事に就くことは難しく帰国されました。自分が留学を通して視野が広がった経験を伝えたいと考え、留学アドバイザーになられましたが、並行して教育関連の仕事を模索していた際に、学校以外の求人でも教員免許を求められることが多いことを知り、通信教育で幼稚園教諭と小学校教員の免許を取得されています。

TFJについては、帰国当時から知りつつも、フェローという選択肢は考えていなかったんだとか。ただ、学生時代の経験から、環境教育を単発で実施しても行動を移せる人と移せない人がいて、行動に移す人を増やすためには、遠く離れた場所で起きている問題でも、自分事として捉えられる人を増やす必要があると考え、その方法として公教育にたどり着いたそうです。一度は教員採用試験を受けようと準備を進めていたものの、TFJのフェローシッププログラムをふと思い出して説明会に参加してくださり、TFJが掲げる「教室から世界を変える」というコンセプトに共感したこと、またフェローの仲間が出来ることに魅力を感じて応募されました。

まず、学校現場に入って実感したことは、ご自身の子ども時代と比べて、現在の学習指導要領の内容がとても進化していることだったそうです。具体的には、国語で扱う題材自体は同じでも子ども達に考えさせる内容が違っていたり、算数で一つ一つの文章問題について子ども達みんなで考えられる内容になっていたりといったことで、子ども達がより生き生きと学べるように配慮されていたことに感動したんだとか。

山本さんはフェロー2年目に教員採用試験に合格し、フェロー終了後も引き続き教員として働かれたのですが、その理由として、2つ挙げてくださいました。1つ目は、特にフェローとして受け持った学級のクラス運営において、自分の声かけ一つで子ども達から出てくる言葉や、子ども達同士の関わり方が大きく変わることにやりがいを感じたこと。2つ目は、現場の先生方にまだまだ教わっていないことがあり、自分に出来ることや身に付けられる事が学校現場にあると感じたことだったそうです。ご自身が大切にされている、一人一人違っていいとを伝える教育を実践されてきました。

このように教員の仕事にやりがいを感じ、いつか大学院に進学したいという夢を忘れていた中で起きたのが、新型コロナウイルスの感染拡大でした。学校が休校となり、現場で先生が出来ることが減っていく中で、学校って何なんだろうと一人で考え直す時間がたくさん出来たそうです。「例えば同じ文章を読んでも一人一人の感想が違うように、集団の中でいろんな考え方や感じ方があることを知ることで、将来、世界に出てもいろんな人と協調しながら挑戦できるようになれる場が学校なんじゃないか」と考えるようになったそうです。そこで、大学院で子ども達の考え方や感じ方がどのように形成されていくのかを学ぶことで、残りの人生をかけて、より大きなインパクトを社会に起こせるのではないかと考えられました。

具体的には、公教育を通して子ども達の自己理解と他者理解を実現するにはどうしたらいいのかなどを研究しているそうです。例えば、ソーシャル・エモーショナル・ラーニング(SEL)などの要素を日本の教育に還元できないかと考えていらっしゃいます。日本の教育は、世界から見ると社会性を育む機会が組み込まれていますが、個人について知る、考える機会が少ないように感じているんだとか。実際に、日本・韓国・中国に比べて英語圏の子ども達の方が自分について考える、発言する時期が早いという研究結果も出ているそうです。

今後は、博士課程への進学も視野に入れているそうです。学校現場に出来るだけ早く戻りたいと思いながらも、せっかく大学院進学の道を与えてもらったので今までの経験を生かして学校現場と研究の場を繋いだり、教育行政の人たちに伝えていったりといったことも出来ればと話してくださいました。

また、今回の対談終了後にTFJでのフェロー経験が、アメリカの教育大学院出願にとても役立ったという話も伺うことができました。山本さんが通われているコロンビア大学教育大学院などでは、出願時に「Teach For Allのプログラムを修了したことがあるか」という項目が願書の中にしっかりと用意されており、その場合、出願料が免除になるプログラムもあったそうです。(大学、学部、時期などによって異なりますので、必ずご自身でご確認ください。)また、現地では同じ大学院に通うTeach For Allのアルムナイの友達もできたという話も聞くことができました。

参加者の皆さんの感想

参加していただいた方からのアンケートも一部ご紹介させていただきます。

アメリカの大学院進学の準備をしていましたが、TFJ→院と言う選択肢もあるんだなと思うようになりました。今回のイベントに参加して、改めてフェローに参加される方は皆教育に対する熱い想いがあり、同じような志を持つ人と出会うためにプログラムに参加したいなと思いました。

イベントを企画頂き有難うございました。トーク形式のイベントだったので、率直な意見や考えを感じとれました。

山本さんの教育への熱い思いとその行動力が本当に素晴らしいなと思いました。もっと自分もたくさんのことを学んでいく必要があるなと痛感しました。

海外大学院を目指すには、自分の経験で得た問題、テーマが確立されていること、さらにかなり大変な作業と勉強を乗り越えられるキャパシティー、自信が必要なのかなと思いました。

参加者の皆さん、そしてゲストの山本さん、ありがとうございました!

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