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世界にはどんな教育課題がある?課題解決にアプローチする6つの組織

SDGs4に、「すべての人々が包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する」とあるように、日本を含めた世界には取り組むべき教育課題があります。今回の記事では、世界が、私たちが、抱えている教育課題の一部をご紹介します。また、教育課題に向き合っている6つの組織についても触れさせていただきます。

世界にある教育課題。

世界には、日本で生活していると想像することが難しいような教育課題があります。早朝から深夜まで労働力として劣悪な環境で酷使される子ども。さまざまな理由で学校に行きたくても行けない子ども。教育を受けることができず文字の読み書きができない子どもや大人。

この課題の大きさは、決して数字で測ることはできませんし、何か1つのことを解決したからといって、すべての課題が解決するわけでもありません。それを理解した上で、あえて数字で3つの事実をご紹介します。

1億5,200万人が児童労働している

国際労働機関(ILO)によると、2016年時点で世界の児童労働者(5歳~17歳)は、1億5,200万人います。しかも、そのうちの約半数にあたる7,300万人が危険有害労働を行っています。危険有害労働は、肉体的、心理的または性的な虐待や長時間労働、夜間労働、不健康な環境などをさします。

児童労働|国際労働機関 より筆者作成)

2000年以降、さまざまな取り組みによって減少していますが、いまなお撲滅できていません。子どもたちが、児童労働に陥ってしまう原因には、貧困教育を受ける機会がない差別武力紛争不適切な法律社会の無関心などがあります。

2014年にノーベル平和賞を受賞したカイラシュ・サティヤルティ氏の活動を追ったドキュメンタリー映画がYouTubeで無料公開されています。児童労働の一端を知ることができるので、少しでも関心を持たれた方は参考リンクよりご覧ください。(※予告なく公開が中止されることがあります。)

参考
What is a child’s freedom worth?|THE PRICE OF FREE.com

3億3,000万人の子どもが学校に通えない

2018年9月にユニセフ(国連児童基金)が発表した資料によると、世界の5歳~17歳の子どもの5人に1人にあたる3億3千万人近くが学校に通っていません。また、初等教育の学齢期(小学校~中学校の年齢)で学校に通っていない子どもの1/3近くは、緊急事態の影響を受ける貧しい国に暮らしています。つまり、教育を受けることを妨げる最大の要因は貧困なのです。

SDGsのゴール期限となっている2030年には、世界の若者(10歳~19歳)人口はいまよりも8%増加し、13億人を超えます。そのときに、若者が貧困の連鎖から抜け出し、安定した未来を生きていけるかどうかは、いま子どもたちが教育を受けられるかどうかにかかっています。

参考
世界の就学状況報告書発表|学校に通っていない子ども3億300万人 紛争地・被災地では1億400万人|ユニセフ

7億7,300万人が文字の読み書きができない

ユネスコの統計によると、世界で7億7,300万人の大人(15歳以上)が読み書きをすることができません。その原因は、教育を受ける機会がなかったことです。教育を受けることができないと、読み書きや計算ができないまま大人になります。その結果、仕事につくことができず、収入が少ない状態や不安定な生活を送ることになります。そして、貧困状態に陥り、親から子へと繰り返されていきます。

この貧困の連鎖は、教育を受ける機会があるかどうかで変わっていくと考えられています。貧困の根本的な原因は、教育の不足にあるのです。

参考
Literacy|UNESCO

課題解決にアプローチする6つの組織

では、日本を含む世界は、どのように教育課題に向き合っているのでしょうか? ここでは、「児童労働」、「教育の機会・教育格差」、「開発支援」の側面から、世界の教育課題を解決するために行動している6つの組織をご紹介します。

ACE(エース)

ACE(Action against Child Exploitation)は、1997年に設立された日本の国際協力NGOです。児童労働の撤廃と予防が、団体の存在意義とされています。

子ども、若者が自らの意志で人生や社会を築くことができる世界をつくるために、子ども、若者の権利を奪う社会課題を解決する

(引用元: 活動理念・戦略 |ACE

主な活動内容は、インドのコットン生産地とガーナのカカオ生産地で、危険な労働から子どもたちを守るためのプロジェクトです。また、政府に働きかけ、2025年までにSDGs8.7を達成する(児童労働ゼロ)ために、政策提言や日本国内での啓発活動にも積極的に取り組んでいます。

児童労働やACEについて詳しく知りたい方は、谷川俊太郎さんが詩をつけた絵本『そのこ』(晶文社)がおすすめです。YouTubeのリンクをつけていますので、参考になさってください。

参考
谷川俊太郎「そのこ」 ~児童労働のない未来へ~|YouTube

セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン

セーブ・ザ・チルドレンは、1919年にイギリス人女性グランタイン・ジェブ氏によって設立された国際NGOです。現在は、29ヵ国の独立したメンバーが約120ヵ国で子どもの支援活動を展開しています。セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは1986年に設立され、保健・栄養・教育・人道支援など、国内外で幅広い活動を展開。

セーブ・ザ・チルドレンは、すべての子どもにとって、生きる・育つ・守られる・参加する「子どもの権利」が実現されている世界を目指します。

(引用元: セーブ・ザ・チルドレンとは |セーブ・ザ・チルドレン

具体的な活動内容は、モンゴルの教育環境を整えるサポートや、熊本地震や東日本大震災で被災した地域の子どもたちに給付金を届けるサポートが上げられます。

参考
教育|セーブ・ザ・チルドレン

ケア・インターナショナル ジャパン

ケア・インターナショナル ジャパンは、女性と女子に焦点をあてた活動をしている国際協力NGOです。女性と女子に焦点をあてる理由は、貧困をなくすためにはすべての人々が平等な権利や機会を得る必要があると考えているからとのこと。

CAREは、貧困のない、すべての人々が尊厳をもって安心して暮らせる、希望に満ちた、寛容で公正な世界を目指します。

(引用元:活動理念|care

母体となるケア・インターナショナルは、世界70ヵ国以上に事務所を持っており、教育だけでなく、自立支援、保健、水と衛生、環境、コミュニティ開発など、専門的、長期的、包括的に支援を行える強みがある組織です。

参考
教育|ケア・インターナショナル・ジャパン

日本ユネスコ協会連盟

日本ユネスコ協会連盟は、UNESCO憲章に賛同し、UNESCOや日本政府と協力・連携をしている日本生まれの独立したNGOです。教育が、人々の心の中に平和のとりでをつくり、貧困の連鎖を断ち切る力になるという想いで活動されています。

Peace For Tomorrow
広げよう平和の心

(引用元:私たちについて|公益社団法人日本ユネスコ協会連盟

具体的な活動の1つに、世界寺子屋活動があります。寺子屋は、海外ではCommunity Learning Centerと呼ばれており、子どもだけでなく教育を受ける機会がなかった大人藻教育を受けられる場として機能しています。

(参照元:世界寺子屋運動|公益社団法人日本ユネスコ協会連盟

独立行政法人日本協力機構(JICA)

JICAは、日本の政府開発援助(ODA)を実施する機関で、開発途上国への国際協力を一元的に行っています。プロジェクトは、教育、保健医療、水資源、運輸交通、社会保障、経済政策、資源・エネルギー、栄養改善、スポーツ、防災、ガバナンスなど多岐にわたります。

信頼で世界をつなぐ
JICAは、人々が明るい未来を信じ多様な可能性を追求できる、自由で平和かつ豊かな世界を希求し、パートナーと手を携えて、信頼で世界をつなぎます。

(引用元: JICAのビジョン|JICA

教育プロジェクトの代表例に、みんなの学校プロジェクトがあります。みんなの学校プロジェクトは、教員・保護者・地域住民が協働して教育を改善する取り組みです。2004年にニジェールの23校から始まった活動は、2017年時点でアフリカ全土で4万校にまで広がっています。

参考
アフリカ4万校に広がる「みんなの学校」——学校と地域コミュニティと保護者 “みんな”の協働で、子どもたちのより良い学びの場をつくる|JICA

Teach For All

Teach For Allは、Teach For Americaで始まった教育改革のモデルを世界各国で展開するために設立されたグローバルネットネットワークです。2019年には、日本を含め、世界53ヶ国に広がっています。

具体的なアプローチは、学校に情熱ある教員を送り、子どもたちにリーダーシップを伝え、子どもたちの可能性を最大限引き出すことです。国や地域によっては、貧困が課題の1つになっており、貧困の連鎖を断ち切るための取り組みも行われています。

また、2年間という決められた期間の中で、それぞれのローカルな教育課題に取り組んだ教員が、これまで以上に教育に対する課題意識を強めます。そして、教育のフィールドを含めたさまざまなセクターから、教育課題解決のために向き合い続けていきます。

なお、日本でも、認定NPO法人Teach For Japanが活動しており、2019年までに66名の教員を公立学校に送り出し、地域に合った課題解決に取り組んでいます。

【フェロー経験者登壇】プログラム説明会はこちらから

Teach For Japanは、学校の教室から世界を変えていきたいと考えています。多様な教育課題があるからこそ、学校へ情熱ある多様な人材を「教師」として送り出しています。教室で生まれたインパクトを、学校・地域・社会へと広げ、教育改革の一翼を担います。

参考
What We Do|Teach For All(英語)
Teach For All: An Introduction|YouTube(英語)

私たちに何ができるのか。

私自身、教員として働いていたにも関わらず、日本を含めた世界にはたくさんの課題があることを知りませんでした。しかし、今回の記事執筆を通して、世界の教育課題の一端を知ることができたと共に、多くの人が課題解決のために行動していることも知りました。

今回はご紹介できませんでしたが、グッドネーバーズ・ジャパンさんやワールド・ビジョンさん、e-Educationさんなどなど、想いを持って活動されている組織がさまざまあります。教育とは直接関係がないように思われるWFP(World Food Program)の取り組み(学校給食制度)が、親が子どもを学校に通わせる動機につながっていることも知りました。

私たちに何ができるのか? 今回の記事が、この問いかけを持つきっかけになれば幸いです。

参考
グッドネーバーズ・ジャパン
世界の問題と子どもたち|World Vison
教育がもたらす明るい未来|国際NGOワールド・ビジョン・ジャパン|YouTube
学校は私たちの未来の唯一の希望です|WFP
e-Education
世界で深刻な教育問題。現状を知り必要な対策や私たちができることを考えよう|gooddo
世界の教育の現状は?問題の深刻さを知り必要なことを考えよう|gooddo
世界の教育の現状 | 世界一大きな授業
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表5:教育指標|世界子供白書2017|ユニセフ
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アフリカに教育支援が必要な理由|公益財団法人日本ユニセフ協会

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