フェローインタビュー fellowinterview

「英語」と「出会い」で子どもたちの世界を広げたい。会社員から教員へ。そして、英会話教室×ゲストハウスを立ち上げた理由

楽しくやりがいを持って働いていた社会人5年目に向き合った自身への問い「私が本当にやりたいことってなんだろう」。ラジオ局の企画業務を経て、Teach For Japan(以下、TFJ)のフェロー(中学校教員)となり、その後、ゲストハウスを立ち上げるという異色のキャリアを築く井上フェローに話を聞いてきました。

井上可奈子

※表は横にスライドできます。

赴任期間2016~2018(第4期フェロー)
赴任先埼玉県
校種中学校(英語)
教員免許英語教員免許(中高)、日本語教員免許
出身大学ICU(教養学部・語学科)
経歴広島FM放送株式会社(イベント企画運営)→Teach For Japan→食べて泊まれる寄り合い場 てま里(企画・運営)
趣味旅行
座右の銘なんとかなる!なんとかする!
一言メモ穏やかな見た目とは裏腹に、果敢にチャレンジを続ける行動派。すべての経験を今につなげて夢を実現する姿が眩しい!

子どもたちの選択肢を増やせる教育をつくりたい

井上フェローは教員免許を大学で取っているんですね。すぐに教員にならなかったのはなぜですか。

元々、私は、人が自分の好きなことをみつけて楽しく生きていける社会だったらいいなと思っていて、そのために教育を通じて「子どもたちの選択肢を広げてあげたい」ということが教育に関心を持つ理由の一つでした。また、地元が田舎だったためか、能力はあるのにその力を活かす選択肢が少ないように感じて、教育格差もテーマにありました。

ただ、最初は、教員になりたい、というよりは、外部から教育にアプローチしたいと思っていました。実際、最初は海外に住みたいという理由から日本語の教員免許を取り、それだったら国家資格の教員免許も取っておこうと思い、英語の教員免許をとることにしたという動機だったんです。また、教員免許をとるプロセスで、私自身があまり教員に向いているとも思えませんでした。完璧な教員として、生徒の前に立てる自信がなく。

あとは、もし教員になるとしても、社会人経験をして、自分自身の世界を広げてから教員になりたいと考えていました。

そんな井上フェローが教員になろうと思った経緯を教えてください。

大学卒業後は、音楽が大好きだったので、地元のラジオ局に入社しました。ただ、そこでも入社当時から「教育を変えたい」と言っていたんです。

入社して5年経った頃には、番組制作やイベントプロデュースに携われるようになっていて、毎日が充実していました。教育に関する番組を作りたいなと考えていました。そのときに、ふと「自分が本当にやりたいことって何だろう。教育に関する番組をつくって何を伝えて、何をやりたいんだろうか。」という問いにぶつかっていました。

そのときに「現場を経験したい」と強く思うようになりました。また、英語と旅で自分の世界が広がった経験をしていて、英語と旅、ゲストハウスが好きだということを思い出し、将来的には、ゲストハウスと英会話教室を併設してつくりたい、という夢を持つようになりました。英会話教室に学びにきている子どもたちが、世界中から集まる旅人や多様な大人たちと触れ合い、世界を広げられる場所をつくりたいと思ったんです。

いろんなことが絡みあって、いまこのタイミングで教員になろう!って思いました。また、子どもが置かれた環境に左右されない「全ての子どもが成長する教室」というテーマに共感して、TFJのフェローになることを決めました。

「間違えてもいいからやってみよう」

教員生活で印象に残っているを教えてください。

私が生徒に伝えたかったことの一つが「間違えてもいいからやってみよう」ということです。私自身が、基本は臆病で中々チャレンジできない性格でした。教員になるのも、自分の殻を破っての挑戦でした。でも、その繰り返しで、私は段々自分を認められるようになってきました。だから子どもたちにも、失敗を恐れずチャレンジして欲しいんですね。

そんな思いから、中二のときに、目一杯自由に英語でディスカッションさせる授業をやりました。「出川イングリッシュでいいからグループで話し合って、メモして、やろう!」と。我ながら無茶振りだと思っていたのですが、生徒たちは想像以上に力を発揮してくれました。「間違えてもいいからやってみよう」そんな姿勢で臨んでくれたのが本当に嬉しかったです。

ついてきてくれる生徒も、そんな授業にチャレンジできる井上先生もすごいです。

実は、こういう授業ができるようになったのは、2年目になってからです。すごくクリエイティブに授業ができるようになりました。鎌倉で外国人にインタビューしたときは、生徒自身が本当に質問したいことを、英語で質問できるように、生徒と一緒に準備しました。また、インタビューした相手にどんな気持ちになってもらいたいかを、事前にグループで話しあったり、シュミレーションしたりすることで、コミュニケーションを楽しむ気持ちを持って、この活動に取り組んでもらいました。その結果、外国人の人と仲良くなって、お礼の手紙が学校に送られてきたり。私もとても嬉しかったです。

今振り返ると、生徒の成長の積み重ねでこのような授業ができるようになったんだと思います。

1年目は、基礎力の向上にかなり力を注ぎました。単語テストなどは、できなければ居残り、終わるまで返さない、それくらいの意気込みでやっていました。独自で、kanako’s boot campと名付けた夏期講習もやりました(笑)

1年目で積み重ねたからこそ、2年目があったと心から思います。

世界とつながる、ゲストハウス×英会話教室を目指して

フェロー期間修了後は、ゲストハウスを立ち上げられたんですね。

旅が好きで、よく「ゲストハウス」という基本相部屋で、みんなが集まれる居間があって、宿泊者やスタッフとの距離が近い宿泊施設に泊まっては、いろんな偶然の出会いを楽しんでいました。色んな人と出会えるゲストハウスの中で、子どもに英会話を教えていれば、子どもが地域の大人や、宿泊する外国人と自然と会話できる環境ができる。英語の教員として務めたことで、英会話教室のイメージができて、今始めよう、という自信がついたんです。

どんな場所にしたいですか。

英会話教室では、英語ができるとどんなことができるかをイメージさせながら、学習ができればいいなと思っています。

”色んな人とコミュニケーションがとれると楽しいよね。″

”もし外国に行った時に、話しかけてもらえると嬉しいよね。”

”だからこの英語教室でいっぱい練習して、南部町に外国の人がきたら話かけてみてね。”

英語を学ぶ目的を知って、実際に活かすことで色んな人の生き方を知り、自分の好きなことを見つけられる場所にしたいです。

そして英語を使って世界を広げて欲しい。選択肢を広げて欲しい。

自分の町を英語で案内することで、故郷の良さを旅行者から教えてもらうこともあるかもしれない。

私だけで完結するの英会話教室ではなくて、ゲストハウスという、多様な人とリアルなコミュニケーションを取れる場所、出会いがある英会話教室にしていきたいです。

最後にTFJフェローになることに関心のある方々にメッセージをお願いします。

ある意味、気軽にOB訪問できる場所かもしれないですね。笑
みんな”てま里”においでよ!先生になりたいと思う人たちにこそ、遊びにきてもらいたいです。

宿泊をされる方で、教育に関心のある方には、一緒に授業を考えてもらい、実際に子どもたちに話をしてもらっています。
それぞれの場所で子どものことを真剣に考えられる仲間がたくさん増えていくことを、これからとても楽しみにしています。

(編集後記)
教員時代の経験、ゲストハウスの立ち上げの話から、今の話まで、終始楽しそうに話す井上フェローが印象的でした。「チャレンジすることは楽しい」そんな姿を見せてくれる井上フェローから勇気をもらった生徒もたくさんいるはず。世界が広がる英会話教室、今後の発展がとても楽しみです!

Teach For Japanは、学校の教室から世界を変えていきたいと考えています。多様な教育課題があるからこそ、学校へ情熱ある多様な人材を「教師」として送り出しています。教室で生まれたインパクトを、学校・地域・社会へと広げ、教育改革の一翼を担います。

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【参考リンク】
てま里

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