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特別支援学級でしか描けない成長曲線。新卒小学校教員のチャレンジ!

一般企業への就職や教員採用試験合格を目指すのではなくTeach For Japan(以下、TFJ)のフェローを選んだ理由とは?新卒でTFJのフェローになった佐藤史崇さんにインタビューさせて頂きました。大学のときに自分の考え方を変えた経験とTFJとの運命的な出会い!特別支援学級の担任として感じていることを語って頂きました。

佐藤史崇

※表は横にスライドできます。

赴任期間2017~2019(第5期フェロー)
赴任先福岡県
校種小学校赴任(3年生、特別支援学級担任)
出身大学早稲田大学(スポーツ科学部)
教員免許中学校・高校教員免許あり(保健体育科)
趣味旅とウインドサーフィン
好きな言葉天は自ら助くる者を助く
一言メモキーワードは自己成長。内省を繰り返していくことで子どもと共に成長していく爽やかなアスリート。
佐藤史崇さん顔写真

大学時代に感じた「共に歩む仲間の大切さ」と
「自分を成長させる楽しさ」

単刀直入ですが、TFJのフェローになろうと思ったきっかけは何ですか?

大学時代旅先にて

就職活動で迷っているときに、友達が渡してくれたクシャクシャになったTFJのパンフレットがきっかけでした。実は、大学に入学した時は教員になろうとは全く思っていませんでした。両親が教員ということもあり、頭の片隅に教員になるという選択肢はありましたが…。就職活動の時期には、一般企業へエントリーしていましたし、内定をもらっている企業もありました。そんなときに、TFJのパンフレットと出会ったんです。

それを見たときに、一般企業に就職して過ごす自分と、地元長野で体育教師をする自分と、自分をエンパワーしてくれるような人と一緒に働く自分の3つを想像しました。そこで思ったのは、TFJには「教室から世界を変える」というワードに惹きつけられた力強い仲間が集まるだろうということです。そんな切磋琢磨できる仲間たちと、ファーストキャリアを築きたいと思ったんです。

チャレンジングなキャリア選択だったと思いますが、
どうしてそのような選択をしたのですか?

カンボジアでの情操教育支援

それは、大学での経験が大きいです
大学になるまでの自分の人生は、すべてが野球でした。そんな野球一筋の自分が、大学に入学して感じたのは、「とりあえずサークルでしょ!」という雰囲気に対する違和感でした。その雰囲気は、自分にとってすごくつまらないものでした。

そんなとき、トップアスリートの下で走り方を学んでいる人や海外の人と一緒にボランティア活動をしている人たちに出会いました。その人たちは、「とりあえずサークル」ではなく、「自分のやりたいことをどんどんチャレンジしよう」という人たちでした。その出会いがあってから、自分の考えがチャレンジングな思考に変わっていきました。

自分もやりたいことにどんどんチャレンジしようと思うようになったんです! 具体的には、情操教育(音楽や体育)がないカンボジアの学校に行って、地域のスポーツ局と連携して情操教育のカリキュラムを話し合って、スポーツ教育をしたり運動会を開催したりするという活動を行いました。

大学2年生の冬から、海外や教育に興味がある大学生を探して、子どもたちをワクワクさせるようなプログラムを考えて、現地の先生と打ち合わせをして、実行するという活動です。旅費や滞在費は、全て自費でまかなっていましたが、やりたいことだったので苦ではありませんでした。この大学時代の体験を通して、2つのことに気づきました。1つは、自分の周りにどんな人がいるのかが、自分の人生の中で大切だということ。もう1つは、チャレンジすることで自分自身が成長できるということです。

自分1人では何もできないと感じた1年目。
子どもたちと一緒に笑うと決めた2年目。

実際に学校現場に行ってどんなことを感じましたか?

教室で子どもと笑っている風景

正直な話、1年目は何もできませんでした…。高い理想を持っていましたし、両親が教員だったこともあり、「上手くいくだろう」「大丈夫だろう」と楽観的に考えていました。でも、実際に教員になってみてると、教員としてのスタートラインにも立てていないと感じました。

「守破離」ではないですが、最初はしっかりと現場の先生の真似をすることが大切だと反省しました。例えば、どのように人間関係を築いていくのかにおいて、面白話をしていたら信頼関係ができるわけではなく、目を合わせるとか1人ひとりと時間を取って話をするとか、表面上ではない部分が自分には欠けていたと思います。

想像とは違ったんですね。その反省を生かしてどう変わっていきましたか?

2年目になるタイミングで、「特別支援を勉強してみないか?」と校長先生に勧めて頂きました。それをきっかけに、2年目は特別支援学級を担任させてもらいました。また、校長先生に「教室で笑っていないよ」とアドバイスを頂きました。その言葉をヒントにして、「教室が幸せとか笑顔であふれる空間にしたい」といういうビジョンが明確になり、自分がやりたいことをやるのではなく、まずは子どもたちの安心感を作るようにしようと決めました。

担任した学級では、とにかく朝の会で笑って1日をスタートできるように意識しました。そうすることで、教室の雰囲気がよくなって、子どもたちも1日調子が良い状態が続きました。例えば、しりとりをしてみたり、みんなで歌を歌ったり、読み聞かせをするときにおどけてみたり、みんなで笑い合えるようにしていました。1年生の子に陽気な子がいたので、その子が笑ってくれることで笑いがクラスに伝播していくこともありました。校長先生からも、「クラスの雰囲気いいな」と言って頂けるようになりました。

教室での佐藤先生の笑顔が浮かんできますね。子どもたちは、1年間でどのように変わっていきましたか?

最初に子どもたちと出会ったときは、「どうせ自分なんて」と言ったり、親のことを悪く言ったりする子ばかりでした。態度ではなく、言葉ではっきりと「どうせできんと言われる!」とか「自分はダメ…」と言うので、これまでどれだけ否定的な言葉を言われたり、否定的な雰囲気を感じたりしてきたんだろうと強く感じたのを覚えています。

そう感じてから、この1年間は、子どもたちが自分に自信が持てるようにすることに全力を注ごうと決めました。寄り添い、試行錯誤しながらの日々を共にすることで、真っ直ぐな成長曲線ではありませんが、
集会に参加できるようになったり、交流学級(該当学年の通常の学級)にも行くようになったりと、少しずつ子どもたちの様子が変わっていきました。学校や教室が安心できる場所になっていったんだろうなと思います。そして、この1年間は教師の魅力を何度も経験することができました。

例えば、3学期の最後の朝の会で、自信を持つことができなかったクラスの子が、手紙を持ってきてみんなの前で読んでくれました。

「私が何度もパニックになった時も否定せずしっかりと話を聞いてくれて、どうしたらいいかを教えてくれたから少しずつ成長できました。来年は5年生として高学年になるのでみんなのお手本になれるようにがんばります。」

という内容でした。この手紙を聞いた瞬間、子どもとの信頼関係がなによりも大切だということと、自分の信頼関係の築き方は間違っていなかったのだと確信しました。

他にも、給食の時以外、ずっと寝ていた子は、言葉では表しませんでしたが、新しいことをやろうと声かけたときに「うん」と頷くようになっていました。こんなときに、自分の伝えたかったことが伝わっているという言葉では言い表せない嬉しさを感じます。

特別支援を経験したからこそ感じる、役に立ちたいという気持ち。

今年は教員としてどのようなチャレンジをしていきますか?

佐藤先生と教育雑誌

教師3年目となった今年(2019年)、特別支援をもっともっと勉強したいという想いから特別支援学級の担任を続けさせて頂きました。

子どもへの関わり方もそうですし、心理的なケアや医療連携の仕方、スクールカウンセラーとの関わり方、WISCの有効な活用方法、放課後デイサービスの情報などを自分が知っていることで、子どもや保護者にできることの幅が全然違うだろうと気付いたんです。

そう気付かせてくれたのは、1年間特別支援学級の担任をさせてもらう中で、関わってきた保護者の方々の存在が大きいです。保護者の方と面談を繰り返し、二人三脚で子どもへの接し方を考え、一緒に実行していくことで、子どもたちが変わっていく場面がいくつもありました。そのときに、自分1人ではできることに限界があるし、自分がもっといろいろな連携方法やアプローチ方法があることを知っていれば、より良い教育機会を提供できると思ったんです。

そして、子どもたちには「自分も誰かのために何かができる!」と思ってほしいと考えています。そう実感してもらうために、自分と子どもたちの間だけではなく、交流学級や地域と積極的に協力して、子どもたちの自信を高めていきたいなと思います。すでに色々と計画があるので、子どもたちにとっていいタイミングで実行していきたいと思っています!

(編集後記)
2年間の教員経験を通して、常に内省し、試行錯誤していることが言葉の端々から伝わってきました。「周りに貢献したい」だからこそ「成長したい」と考えている佐藤先生は、子どもたちと同じ毎日を、同じように本気で生きています。佐藤先生の今年のチャレンジと今後のキャリアの注目です!

参考
WISC IV知能検査|日本文化科学社

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