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修了生インタビュー aluminiinterview

教員から目指せるハイキャリア

フェローシップ・プログラムの修了生は、2年間の教員経験を活かし、様々な分野に活躍の場を広げ、多角的に教育課題にアプローチしています。起業をしたり学校の管理職に就いたり、また近年は自治体からTeach For Japan(以下、TFJ)にオファーをいただくことも増え、行政の立場から課題解決の推進を行う修了生も出てきました。
本記事では、5名の修了生に、現在のキャリアについてお話しいただきました。

【教育行政】
小林 湧 さん
加賀市教育委員会/地域プロジェクトマネージャー

Q.修了後のキャリアについて

市として教育ビジョンをつくり、そのビジョン達成のために教員研修の設計や組織開発を行っています。研修は単発の講義型ではなく、年間を通した伴走型と対話型の研修を組み合わせた設計にしており、教育観の転換、授業づくりや授業のリフレクションなどを学校・先生と共に行っています。
時代に即して大人が教育観や子ども観を変化させることで、全ての子どもたちがよりよい学びにアクセスできるサポートができると信じ、複数の自治体で教育委員会や学校の伴走を行っています。

Q.フェローシップ・プログラムの経験がキャリアに活かせていると感じること

教員を経験したことでの学びから今の仕事に生かされていることと、TFJのフェローになったことで今に生かされていることの2つに分けて考えた方がよいかなと思います。教員経験は「子どもとの出会い」に尽きます。自分の全てを出して子どもたちと学び、ともにすごした時間は何にも変えられない経験です。TFJで活かされていることは、目の前のことだけでない視座を保った仲間ができることが今につながっています。実際に、今の仕事でもTFJのメンバーとプロジェクトを推進しているので、繋がりが生かされていると思います。

【教育行政】
石黒亜矢子さん
門真市教育委員会/学校教育課参事 教育センター伴走チームリーダー

Q.修了後のキャリアについて

「子ども主体の学び」の推進として、指導主事の先生と共に、市内の小中学校に伺い、校内研修、授業づくりのサポートをしています。管理職や研修担当など先生それぞれの役割から学校を見ると、同じ市内の学校でも違う組織であり、課題や良さも異なります。行政と教育の間で、一教員だったら関わらない課題と向き合ったり、教育課題を目の当たりにしたりと、この立場の責任の重さや影響力の強さに気の引き締まる毎日です。

Q.フェローシップ・プログラムの経験がキャリアに活かせていると感じること

候補生の時の研修で、学習科学からの授業デザインや脳科学など対話中心の深い学びを積み重ねた経験は、教員研修づくりなどにそのまま活かされています。
そして、現場で悩みながら試行錯誤した日々で感じたこと、考えたこと、実践したことを、先生方の現状を考慮したサポートに反映していけるよう心がけています。
また外部人材としての採用のため、長年その地で教育に携わっている方々に、他地域での取り組みとの比較からの良い点、改善点をはじめ、取り入れられることなどを提案出来ることもTFJの一員だからこそだと思っています。今後は他地域の子どもたちともつなげて行けたら面白いだろうな、と考えています。

【起業】
庄子貴喜さん
株式会社Community For All 代表取締役

Q.修了後のキャリアについて

みんながもっと本音で、生き生きと学び働ける世の中をつくりたい。そのためには、既存の組織で活動するよりも、外から働きかけた方が良いのではないか。そんな想いで起業の道を選びました。子どもや教育関係者をはじめ、民間企業や官公庁の方々に向けたコーチング、研修を事業としています。いわゆるティーチング中心ではなく、一人ひとりの本音と可能性を引き出すコーチングの手法を基にした対話型、ワークショップ型のプログラムを提供しています。

Q.フェローシップ・プログラムの経験がキャリアに活かせていると感じること

これまで、民間企業、官公庁、私立学校に身を置き、組織の仕組みや人の関わりを見てきました。その上で小学校の現場を体感して浮かんだのは、「教室で染みついた固定観念が、大人の生きづらさにも繋がっているのではないか?」という問いでした。この問いを持てたからこそ、今のキャリアを発想できたのだと思います。また、私は先輩フェローと共同創業という形で起業しました。そういう意味でも、フェローシップ・プログラムに参加していなければ、今の自分はなかったと思います。

【起業/組織人材開発】
風間亮さん
株式会社リクルート/組織人材開発コンサルティング(個人事業)/学習塾経営

Q.修了後のキャリアについて

「主体的な進路選択の実現」をビジョンに掲げて学習塾を開校して経営を続けています。同時に数万人規模の企業に所属して組織や人の学習を促進すべく「ナレッジマネジメント」と言われる組織開発領域で企画をしています。個人では、リーダーシップ開発や理念浸透といった組織人材開発にかかわる企画業務や研修講師を引き受けています。今の思いは、人や組織が輝くために「より良いナレッジ」と「より深く考える場」を提供することです。

Q.フェローシップ・プログラムの経験がキャリアに活かせていると感じること

「人と信頼関係を築く大切さ」と「そのための地道な取り組みの重要性」を学びました。人の成長を支援したり、人の心を動かすときには、正論やロジックだけではうまくいきません。自分の伝えたいことを伝えるためには、地道なコミュニケーションを通じた信頼関係が土台として必要です。そんな当たり前のことを多くの失敗とともに学ぶことができました。また、TFJを通じた経験だったからこそ、常に自分のビジョンを見直し臆さずに新しい挑戦を続ける力を身につけられたと思います。

【学校管理職】
遠藤 崇之さん
新渡戸文化小学校 校長補佐

Q.修了後のキャリアについて

TFJを通じてフェロー(教師)をして、先生という仕事の素晴らしさを感じるとともに、昨今話題の教師の長時間労働問題をはじめ、学校は多くの側面をアップデートする必要があると改めて実感しました。
フェロー修了後は、その改善に向けて様々な活動をする中で、偶然にも新渡戸文化学園と出逢いました。同学園はちょうどその年から、これからの教育を創ろうと新たなチャレンジを始めたタイミングでした。「全てが子どもを主語に」「しあわせをつくる人になろう」など、まるでフェロー時代に目指していた教育観そのもののような理念を掲げた学園に共感し、ジョインすることとなり今は管理職を務めています。

Q.フェローシップ・プログラムの経験がキャリアに活かせていると感じること

ビジネスと教員の世界は、目的も違えば文化も違い、当然そこで使われる言葉まで違ってきます。キャリアの途中から教育の世界を目指す人は、この適応にエネルギーを費やします。私はビジネスの世界のキャリアが長かったので、最初にフェローとして教員になったときは、本当に苦労しました。しかしフェローの2年間で死ぬほどもがいたことで、先生の世界の文化や言語を急速に内面化することができました。結果として、ビジネス界と教育界の言語を両方理解し、話すことができる感覚があります。このことは結果的に、管理職としての今の立場で非常に役立っています。現場の先生の状況を理解して仕組みに反映させたり、外部の人に学校の内のことを翻訳してわかりやすく伝えたりできることは、我ながら希有な能力なのではと自負しています。

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