修了生インタビュー aluminiinterview

ALUMNI INTERVIEW DAY4 村松良介さん~国際協力~

フェロー後、どのようなキャリアを歩んでいる人がいるの?これまで、どのような経歴の人達が参加してきたの?フェロー経験って、その後のキャリアにどのような影響を与えているの?そんな疑問にお応えするべく、Teach For Japan(TFJ)のフェローシップ・プログラム(2年間教師として公立小中学校に赴任するプログラム)を修了した方をゲストにお迎えし、イベントを開催しました!

【ゲストプロフィール】
▼DAY4 村松良介さん
英国エセックス大学院の人権理論実践学を修了後、国際NGOにて開発途上国の緊急人道支援、特に教育支援を担当。Teach For Japanフェローとして福岡県の中学校に2年間赴任。その後別の国際NGOにてジンバブエの教育事業の現地統括を務める。現在は日本のODAによるアフリカの教育開発に携わる。
インタビュー記事:
https://teachforjapan.org/entry/interview/2020/08/22/30/

海外と日本の教育現場から、誰も取り残さない社会を実現する

▼YouTubeにて動画でご視聴いただけます!!

[embedyt] https://www.youtube.com/watch?v=0wzN4oM2s5w[/embedyt]

大学では法律を学ぶ一方で中学生の時に見たマザーテレサの活動紹介ビデオに影響を受けて国際協力ボランティアに携わっていました。「誰も取り残さない社会」の実現のために自分は何ができるか考えるようになり、英国の大学院に進学し人権学を学びました。

大学院卒業後は国際NGOで紛争や災害の影響を受けた開発途上国の子どもの支援に携わりました。難民キャンプで避難生活を送る難民の子どもたちや保護者に、どんな支援が必要なのかを聞いてまわった時、服や食糧、水などの生活必需品ではなく学校に行くための支援をして欲しいと聞き、衝撃を受けたと言います。その後、実際にその難民キャンプで学校の設置・運営の支援を行う中で、紛争のためにいつ母国に戻れるか分からない状況においても、子ども達が教育を受けることがそれぞれの夢実現の一歩になると実感し、教育に興味を持ち始めました。

そこから、教育にもっと携わりたいと思いながらも、教育免許もない自分に何ができるのだろうと考えていました。そんな時に出会ったのがTFJでした。まずは、自分が実際に教育現場に入って実践していこうと思われたのです。

今まで海外で活動していた村松さんが日本で教員となったわけですが、それは自身のビジョンである「誰も取り残さない社会」は、日本でも海外でもどこでも同じく取り組みたいと考えているからなのだそう。貧困問題、内向き社会による留学生の減少など、日本社会の問題もどうにかしたいと考えており、また自身がこれまでの海外経験で視野が広がった実感から、日本社会の課題に貢献できることがあるのではないかと考えられました。

赴任前は、クラスで誰一人取りこぼさないようにすることや、自身が英語で世界が広がったことから、英語を楽しむ授業を提供したいなどと考えていました。そうして実際に現場に行くと、子ども達がそれぞれに抱えるバックグラウンドの違いを実感したそうです。家庭学習をしようと思っても出来ない家庭環境にいる子ども達、発達障害のある子ども達、親の都合で転校を繰り返す子ども達など、様々な状況の子ども達がいました。何とかしたいと思いながらも、1対多に授業を行う中で、一人一人に対応するのは大変だったそうです。

そこで、例えば英語の単語テストでは合格するまで徹底的に向き合うなどされたのですが、今度は子ども達が疲れて英語を敬遠してしまったのだそう。このほか、授業中、授業についてこれない子に寄り添うなどもしたそうですが、それでは授業全体が進まなくて苦労したのだとか。また、授業を楽しくしたくて、たくさんゲームも取り入れたそうですが、学力テストで成績が悪くなってしまうなど裏目に出てしまいました。子ども達は落ち込むし、自身も反省されたそうです。

ただ、こういったトライ&エラーの中で成功体験も少しずつ出てきました。「スーパーティーチャーにはなれないけど、成長率ナンバー1でいこう」と意識して授業をしたり、TFJの研修を活用して自身を振り返って改善したりされました。そんな中で、自分のやれることを絞って「世界とつながる教室」というビジョンを掲げられたのです。具体的な実施内容は3つで、1つ目は英語を身近にし世界の様々な情報に触れる環境を作ること。2つ目は、子どもたち一人一人がそんな世界と繋がるために、学力格差に対応しながら英語力をつけていくこと。そして3つ目は、身に付けた英語力を活用して世界と繋がる何らかの体験をしてもらうことでした。

この3つ目が肝で、英語で学んだことを留学生にシェアして交流する企画を立てられたのですが、子ども達の目の色が変わったのを見てコレだ!と思われたんだそう。結局、テストの点数を上げるためではなく、リアルな「誰か」とコミュニケーションをするために英語を学んでいると分かれば、子ども達の学ぶ姿勢も変わるんだと実感し、やって良かったと思いました。これらを実践できたのは、TFJの研修の中で「オンリー1の教師でいいんだよ」と言われたことが救いになったからだと話してくださいました。また、他のフェローの取り組みを見られたこともモチベーション維持に大きく貢献したそうです。

そしてフェローを終えた村松さんは、自分の強みである国際協力の経験を活かすことを決められました。特に、アフリカでは学びの危機と呼ばれる、学校に通っても最低限の学力を身に付けられない事態が深刻であり、そんな環境に飛び込んでチャレンジしようと考えられたからです。加えて、海外での経験を日本に向けて発信することで、内向きだと言われる日本を変えるために活動されています。今でもフェロー経験は活きていて、数値だけで教育現場を見るのではなく、教師経験があるゆえに現場の教師や子ども達の気持ちを実感を持って考えられ、現場に寄り添って活動できていると言います。

今後は、これまで通り、開発途上国の子ども達の学ぶ環境を改善しながら、そこでの経験を日本に伝えていきたいと考えていらっしゃいます。ただし、出張の多い国際協力とプライベートの両立は難しいという現実があるので、自分のプライベートのステージにも向き合いながら出来ることを考えていきたいと思っています。日本の子ども達に対する活動をしたり、日本の教育現場に戻ったりすることも視野に入れつつ、自身のビジョンである「誰も取り残さない社会」に繋がり、自身の経験が活かせるベストな進路を選んでいきたいと仰られていました。

参加者の皆さんの感想

参加していただいた方からのアンケートも一部ご紹介させていただきます。

活動しながらの苦労談は興味深かった。とくにプライベートとの両立は、身につまされる。

村松さんの海外経験と日本での経験を活かし、最終的には日本の教育に貢献するビジョンが、とてもチャレンジングで共感を受けました。

村松さんの穏やかな語り口調の裏にものすごい志の強さを感じました。それが、村松さんの語っていらっしゃった「誰も取り残さない社会の実現」に向けた活動なんだと思います。

参加者の皆さん、そしてゲストの村松さん、ありがとうございました!