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教育を糸口に、貧困問題に取り組む。人材育成をキャリア軸の1つに挑戦、飛躍へ

~アラムナイインパクト vol.3_中田佳珠美(33)_ECコーディネーター~

フェロー経験者であるアラムナイの今を紹介する本企画「アラムナイインパクト」。第3回目の今回は、マレーシアの教育機関で働く中田佳珠美さんです。

中田さんは、TFJでの経験がかわれ、マレーシアの教育機関で小学生の担任を経験したのち、現在は同校で英会話教員の教員管理をするコーディネーターとしても活躍されています。本記事では、中田さんの現在の仕事内容や、今の仕事にTFJでの経験がどのように生かされているのか、また今後のキャリア展望などについて伺いました。

現在、フェロー経験後のキャリア形成に不安を感じ、応募するかどうかを迷われている方は、特に参考にして頂ければと思います。

出身大学神戸大学大学院国際協力研究科
Graduate School of Korea University
職歴Horseman High School in Korea
Teach For Japan フェロー2期生 中学校英語教師
マレーシアにおける教育機関

フェロー経験が評価され、マレーシアで英語教育と学級・学校運営に取り組む

早速ですが、現在の仕事内容について教えてください。

マレーシアにある教育機関で働いています。

同機関で働いて、2021年4月で6年目になりますが、最初の3年間は小学校教員として学級担任をしていました。日々トライ&エラーを繰り返しながら、学級づくりに奮闘しました。

その後は、3年間の実績を評価していただき、マレーシア人、シンガポール人、インド人などの英会話教員を、日本の教育文化の視点から育成するコーディネーターとして働いています。

私は、この人材育成の仕事に魅力を感じています。なぜなら、私が一人で学級運営に当たるよりも、私が育てた何人かの人材が手分けして学級運営に当たる方が、はるかに私個人が社会に与えられるインパクトが大きくなるからです。今後も人材育成は一つのキャリア形成軸としていければと考えています。

なんでも、今の仕事はTFJでのフェロー経験が大いに評価されての採用だったとか。

フェロー時代に赴任した中学校では学校崩壊、学級崩壊の立て直しに仲間と共に挑戦したのですが、そこでの成果を認めていただいて採用されたと聞いています。私も知らなかったのですが、日本の学校だけでなく、海外の学校でも、学級運営に課題を抱えている場合が少なくないのだそうです。

外国の学校に通う子ども達の中には、親の仕事の都合で海外生活を始める子たちもいます。そのため、連れてこられた、来たくて来たわけではないなど、海外生活をネガティブに捉えている場合が少なくありません。多感な成長期に不本意な海外生活を送ることは、大人が思っている以上に、子ども達の心に負担を強いている場合があるのです。

心に問題を抱えている子ども達もおり、そんな子ども達のいる学級を任されました。その際にはTFJでの経験を活かし、子ども達の心に寄り添うこと、また、厳しくしすぎず、やる気をそがないような授業づくりを心がけました。

もう少し具体的に、フェロー経験の何が今の仕事に生かされているか教えていただけますか。

一言でいえば、課題解決能力だと思います。

フェロー時代に赴任した中学校は、生徒の3分の2が生活保護を受けている家庭の子ども達でした。そんな家庭環境もあり、子ども達は学校の備品を壊したり、暴力沙汰を起こしたりすることが日常茶飯事でした。これらの課題に向き合い、学級や学校の立て直しにまい進した経験が、今の職場でも生かされていると感じています。

どんな仕事もそうですが、課題があるから仕事があります。

私の今の課題は、外国という慣れない環境に適応しようともがき頑張っている子ども達に寄り添い、導くことです。正解のない課題のため、ほかの先生方と協力して進めています。

日本と海外での学生経験があるからこそ分かる、寄り添う教育を実践する

現在は、コーディネーターとして教員育成に携わっていらっしゃるんですよね。具体的に、どういったことをされているのでしょうか。

マレーシア人、シンガポール人、インド人などの英会話教員に対して、日本で日本式の教育を受けて育ってきた子ども達に対する接し方、教え方を伝えています。具体的には、大半の子ども達が持つ英語への苦手意識に配慮することなどです。

私自身、高校生の時にオーストラリア、大学生の時にカナダ、大学院の時に韓国へ留学したのですが、その経験から、日本を出たことがない日本人の子ども達の中には、センシティブな子が少なくないと感じています。

例えば、現在住んでいるマレーシアは多民族国家のため、マレー語のほかに英語が話せる人も一定僧居ます。そのため、そんなマレーシア人は英語を使って外国人と接することに慣れているように感じています。また、イスラム教、仏教、ヒンドゥー教、キリスト教など様々な宗教を信仰している人がおり、異文化を受け入れることにも比較的寛容な印象です。

しかし、単一言語で宗教信仰が薄い日本人の多くは、英語や異文化への耐性があまりありません。そんな日本の背景を理解してもらい、違いに敏感な子ども達の心に寄り添う教育を共に行っています。

加えて、日本人教員と外国人教員との間にある溝を埋めることも重要なミッションです。国際人の育成を掲げている教員たちが、同じ人種だけで固まるようでは、子ども達に示しがつきません。自らが率先して異文化を受け入れ、互いに交流し合う必要があると思っています。

可能性を感じる人材育成をキャリア軸に、貧困問題の解決を模索する

それでは、今後のキャリア展望について教えてください。

人生を通して取り組んでいきたい課題、貧困問題の解決に向けて行動し続けることです。フェローになった理由も、社会から貧困をなくしたいからです。

高校生の頃に貧困問題の解決を志して以来、大学では社会で絶対的影響力を持つ法律を学びながら、国際ボランティアNGOのNICE(ナイス)に所属し、世界の様々な国と地域が抱える課題の解決を模索しました。

その後も、大学院留学先の韓国でNPO法人ビッグイシューに所属して活動しました。そこで、ある年配の男性に出会ったことから、教育を糸口に貧困問題の解決に取り組もうと考えました。

ビッグイシューとは、ホームレスに対して同法人が発行する雑誌の販売を委託し、その雑誌の売上額の数十%を販売したホームレスに収入として還元する仕組みになっています。ビッグイシューで活動する中で、ホームレスの方にはIQが低い、コミュニケーションが苦手など、グレーゾーンの方が多くいることがわかりました。私が出会った彼も、そんな一人でした。

ある日、私が担当していた年配の男性にコンビニに連れていかれました。買ってほしいとせがまれるのかなと思っていると、彼は躊躇なく、持っているお金で買えるだけのサンドイッチとおにぎりを購入し、私にプレゼントだと言って渡してきたんです。私はその優しさに感極まるとともに、彼がお金の使い方を知らないことに問題意識を持ちました。

このほかにも、近くに家族が住んでいるにもかかわらず、相談できずに嘘をついて路上生活を送っている人もいました。他人への頼り方が分からないのです。そんな彼には「もっと若い頃に、あなたのような先生に出会いたかった」と言われ、どうにかしなければいけない、何か出来るのではないかと思いました。

幼い頃に、お金の使い方や人への頼り方を知っていれば、彼らの人生も変わったのかもしれない。教育を糸口に貧困問題の解決に取り組んでみようと感じた瞬間でした。そんな思いから、授業では他人と相談して答えを導き出すワークなども積極的に取り入れており、人に頼ること、誰かと協力することの大切さを感じてもらえるようにしています。

そうやって小さいながら、教育から貧困問題の解決に向けてアプローチしてきて思うことは、これからは教育だけでなく、教育以外の方法でも出来ること、可能性を感じることがあれば積極的に挑戦していきたいということです。

ただ、今後も人材育成の分野には関わりたいと思っており、大学で研究・教育に携わるなどしながら、これからの社会を担う大学生、若手の社会人に対して貧困とは?貧困問題を解決するには?という問いを投げかけ、共に考えていけたらと思っています。

最後に、フェローへの応募を迷っている人に対して、アドバイスをお願いします。

応募を迷っているなら、ぜひ挑戦してみてほしいと思っています。

フェロー後のキャリアが迷いの原因になっている場合には、そこまで心配しなくても良いと感じています。私も含め、フェロー同期のみんなもフェロー経験を活かし、様々な業種、地域で活躍しています。

私が何よりもフェローになって良かったと思うことは、かけがえのない仲間を得られたことです。

フェローになれば、必ず何かしらの課題に直面します。私もそうでしたが、そんな時、仲間たちは私が考えた課題解決に向けた仮説に賛同し、背中を押してくれました。疲れてくじけそうな時にも頼れる仲間がいたことで、モチベーションを維持できました。

同期とは今でも交流があり、私を勇気づけ、鼓舞し続けてくれています。皆さんにとっても、フェロー同期との出会いは、かけがえのないものになると思います。

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