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先生方を学校内からサポートする。働き方を変えることで教育は変わる。

~アラムナイインパクト vol.2_遠藤崇之(43)_新渡戸文化小学校 統括校長補佐~

教員の働き方改革をすることで、教育の質は上がると断言する遠藤さん。2年間の小学校教員を経て、先生の働き方を変えるための活動に人生の舵を切り、辿り着いた先は「統括校長補佐」という聞きなれない役職でした。一体、統括校長補佐の仕事内容とは?そして、いまのキャリアを選択した思いとは??

出身大学早稲田大学第一文学部哲学科教育学専修
職歴NTTデータ
→NTTデータユニバーシティ
→Teach For Japan4期フェロー(小学校)
→パーソル総合研究所
→新渡戸文化小学校
新渡戸文化学園コンセプトHappiness Creatorhttps://nitobebunka.ac.jp/about/goal/

先生方を学校内部からサポートするのが僕の仕事。

統括校長補佐という聞きなれない肩書をお持ちですが、具体的にはどのような仕事をされていらっしゃいますか?

僕はいま、ビックリするぐらい優秀な先生方と一緒に働いています。そんな中一応管理職なので旗振り役と言うと少し偉そうなんですけれど、先生方が教育活動に全力で向き合えるようにサポートをするのが役目だと思っています。「次はこちらでお願いします」と声掛けをする幹事みたいな。笑

もともとは1/3くらい先生をしながら、残りの2/3を働き方改革やクロスカリキュラム、プロジェクト型学習などの新たな取り組みの推進に力を入れる予定でした。しかし、新型コロナウイルス感染拡大により、教科を教えることは他の先生にお任せして、オンライン学習環境の整備などに注力することになりました。

そんなコロナ禍で僕が担っていることの一つに、新渡戸オンラインスクール(NOS)と名付けたオンライン学習の立ち上げがあります。これまでIT企業で働いていた経験を活かして、オンライン学習ができる環境づくりに取り組みました。

もちろん、僕一人でやったわけではなく、「学校閉鎖期間中に、子ども達の安心安全を確保するために何ができるか」と先生方と話し合って実現したものです。大変な状況の中でも、「いま動くべき!」という意識を持っている先生方ばかりだったので、ホームページを作ることが決定してから、5日後にはリリースして、情報発信を始めました。

すごいスピード感ですね!これまでのキャリアを活かして旗振り役を担っていらっしゃるのがよくわかりました。遠藤さんが公立の小学校教員から統括校長補佐というキャリアを選んだ理由は何だったのでしょうか?

Teach For Japan(以下、TFJ)を通じてフェロー(教師)をして、先生の仕事はとっても素晴らしいと感じると同時に、長時間労働で先生方が疲弊していることが大きな問題であると気付きました。それで、まず先生の職場環境を変えることが先決だと思って、教員の労働問題を解決するための活動を始めました。

その活動の中で、たまたま新渡戸文化学園と出会い、教員の労働問題解消のコンサルティング提案をさせていただきました。そうしたらその場で、「学校内部から長時間労働の課題を解消しませんか?」という提案を逆にいただいて、統括校長補佐として参画することになったというのが簡単な経緯です。

決断に至った理由の一つには、「やっぱり子ども達の前にいたいな」と思っていたことがあります。そのタイミングで、教員として子ども達に関わりながら、働き方改革にも挑戦できる新渡戸文化学園と出会ったことも運命を感じましたし(笑)、さらに、”Happiness creator”や”自律型学習者”という自分の教育観とフィットするコンセプトを掲げていることも魅力的でした。これはもはや断る理由はないという感じでしたね。

▼遠藤さんが教員になった理由と今の仕事に至った経緯は、こちらの記事でご紹介しています。
https://teachforjapan.org/entry/interview/2020/05/12/change-work-style/

子どものために先生の働き方を良くする。先生の心のコンディションを整えることが大前提。

そもそも教員の長時間労働が問題だと思ったのはなぜでしょうか?教員の資質・能力を高めるという議論も世間では多いように思いますが…。

「TFJのフェロー時代に素晴らしい先生にたくさん出会えた」ということに尽きると思っています。僕が先生として赴任した学校には、子どもを見る目が素敵で、人柄も良くて、仕事もできる優秀な先生方がたくさんいらっしゃいました。なにより「人の成長に貢献したい」という思いを持っていました。本当にラッキーだったと思います。

実は、僕はもともと学校が苦手で、特に中学高校では先生との関りも薄かったのです。なので、社会人になってからも「先生」というアンテナは立っておらず、実際にフェローとして学校に赴任するまでは、「先生って事なかれ主義だよね」という考えすら持っていました。

でも、いざ自分が先生という立場で学校に入って、内部から先生方を見たときに、純粋に「すごいな」って感動したんですよね。世間では、無関心や関係性の希薄さが頻繁に言われているのに、「人」に関心を持って情熱を注いでいる人たちがこんなにもいるってことに。

そんな素晴らしい先生方でも、疲弊してしまう現実が学校現場にはあったということでしょうか…?

そうです。子ども達への思いがあって、教育技術も高い先生方でさえ、本当に色々なことをやらなければならない中で疲れきってしまって、雑談をする余裕もなくなっている状況がありました。それに、自分自身が2年間の教員生活で非常に疲弊したということもあります。

先生が疲れてくると、子ども達に関わるエネルギーも弱くなってしまいます。だからこそ、先生方が良いコンディションで、良いと思える教育を実践できることが大前提だなと思いました。その状態をつくらないと、仕組みやコンテンツをどれだけ変えても、仕方ないと思ったんです。

先生の仕事って、心のコンディションがパフォーマンスに直結するんですよね。民間企業の経験から言うと、プレゼン前日に徹夜で資料作って、翌日プレゼンをなんとか乗り越えることができたらOK! みたいなところがあるじゃないですか。でも、先生はそれじゃダメなんですよね。寝不足や疲労が原因で、心のコンディションが悪いときでも様々なトラブルが起きます。その時の子どもへの向き合い方一つで、子どもや保護者との信頼関係が壊れてしまうことも。だから、先生って心のコンディションが整ってないとダメだと思うんです。

なるほど。教員経験者としてすごく共感します。具体的に先生方が心のコンディションを整えるにはどうしたらいいのでしょうか?

そのためには、目の前の仕事だけをするのではなく、先生自身が様々な経験をする必要があると思います。

例えば、映画を観たり、本を読んだり、友人とコミュニケーションしたり、絵画を鑑賞したり、旅に出たり、人に会ったり。それらのこと全部が先生の仕事だと思うんです。学校での活動以外にも時間を使えるような働き方になることで、教員が教員として成長していくための学びができるようになると思っています。

そうすると、先生方の視野が広がっていくと思うんですよ。学校外の世界が入ってくる。これからの世の中を生きていく子ども達に、どういう力を身につけてもらいたくて、そのために私たちの日々の活動はどうあるべきなのかっていう観点を持てます。その観点を持った先生方が増えてくると、学校の在り方が変わってくると思います。そして最終的には、子ども達の成長や学びに還元される。

教員の働き方改革って、ただ空白の時間を作り出すのではなく、自分たちの教育の質を上げていくために行うことなんですよね。

子ども達に還元されてはじめて意味ある働き方改革になるわけですね!遠藤さんがいま取り組んでいる働き方改革を教えて頂けますか?

現状、なかなか思ったようにできてないというのが正直なところです。そんな中でも、先生方の負担を減らすために僕にできることを工夫して行っています。

例えば、4月に立ち上げた新渡戸オンラインスクール(NOS)もその一つです。コロナ禍において、先生方が何をするべきかを話し合う場を設定して、家庭と繋がるためにホームページの整備を進めました。最近では、以前から導入を検討していた1人1台のiPadの整備を進めて、導入が決定しています。加えて、先生方がiPadを利用して良い授業ができるように、授業コンテンツや情報リテラシーの向上を先生方と一緒になって推進しています。

また、先生方と議論する中で「いまだからこそできる学び」に焦点を当てて、コロナ禍でお休みになった大人をZoomで招いて、「世界一受けたいオンライン特別授業」と名付けた授業を25回以上実施しました。内容は、どんな仕事をしているかや仕事の面白い部分、なぜその仕事をしているかなどです。JICA経験者の方やパティシエ、フラワーデザイナー、声優さんなど多彩な方が参加してくださいました。なかにはカンボジアやアフリカ在住の方も!

コロナ禍で学校が閉鎖される中、先生方は何かしたい気持ちはあっても動きが取れず不安やもどかしさを感じていたという話を聞きます。その点、新渡戸文化学園では、いまやるべきことを議論し、実行していくことで子ども達のみならず、先生方の精神的な負担を軽減していると感じました!

人と関わる上で欠かせないのは自分自身が成長すること。

今後のキャリアで、遠藤さんにとって変わらない方向性はありますか?

ちょっと話しがそれてもいいですか。笑 僕はいまがゴールだとは思っていないんですけど、仮にここを中間的なゴールだとしたら、やってきたことすべてが繋がっているなと思います。

NTTデータっていうITの会社に入社して、勤務しながら教員免許を取り、人材育成のグループ会社に出向して、コーチングを学び、TFJと出会い、教員になって、そこで長時間労働という課題を知って、一旦学校外に出て働き方改革に取り組み、新渡戸文化学園に来たっていうのは、全部つながっています。

これまでのキャリアを振り返って一つ言えるのは、「人に関わる」ってところは絶対に変わらないということ。今後、子ども達だけではなく、コーチングを活かして保護者や大人のキャリア形成に関わる可能性もありますが、関わる先が誰であれ、「人に関わる」のは同じだと思っています。

最後に、仕事をするうえで大事にしていることを教えてください!

自分が成長しなきゃなって思っています。すごく偉そうなことたくさんお話しましたが、色々な面でまだまだ未熟者なんですよね。小学校教員としての経験も浅いし、マネジメントも勉強中。なので、これからも自分自身が自律型学習者として学んでいきたいと思っています。

学校現場からの声

新渡戸文化小学校校長 学校デザイナー 杉本竜之様

遠藤さんはどんな先生ですか?

新型コロナウイルスのことを考えると、「救世主現る!」って感じです。オンライン授業を進めていくに当たって、ICTに明るい人がどうしても必要でした。そんな中で、遠藤先生の経験をもとに新渡戸オンラインスクールを迅速に立ち上げることができましたし、他の先生方を引っ張ってくれました。遠藤先生がいなかったらいまの学校は成り立たなかったんじゃないかなと思います。本当に大きな仕事をしてもらっています!

杉本校長先生から見て、統括校長補佐の役割とは何でしょうか?

僕は学校教育の範囲における経験や知識はありますが、外とのつながりは強くありません。その点、遠藤先生は学校外とのパイプ役になってくれて上手につなげてくれています。これを他にやれる人はいないだろうなと!

加えて、学校の経営面や運営面で僕の相談に乗ってもらっています。学校内部からの切り口ではない意見をもらえるので非常に助かっていますね。

今後、遠藤先生に期待することは何でしょうか?

実は、もともと教員の働き方改革をやってもらうために統括校長補佐として参画してもらいました。ただ、コロナ禍で、なかなか働き方改革は実現できていません。

僕たち新渡戸文化学園は、公立学校の先生方にとっても無理なく実現できるようなモデルをつくっていきたい。もっと大きく言うと、日本のために良い教育を持続可能な形でつくっていきたいと思っています。

そのためには、まずは先生方が持続可能な形で、もっとクリエイティブに仕事をする必要があります。そのためには、働き方改革が重要だと考えています。そこを遠藤先生に担ってもらいたいです。

参考
新渡戸文化学園

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