
未来の教室を創るために~フェロー第13期生「赴任前研修」レポート~
- 活動レポート
Teach For Japanのフェローが学校現場に赴任する前に受けるのが「赴任前研修」です。全国から集まったフェロー候補生たちは、数ヶ月にわたるこの研修で、知識やスキルはもちろん、「自分はなぜ教員を志すのか」という原点にも立ち返りながら、教師としての土台を築いていきました。
本記事では、研修の中でフェロー候補生たちがどのような学びを得たのか、そして彼ら自身がどのように変化したのかを、アンケートや本人の声を交えながらご紹介します。
赴任前研修の方法
赴任前研修では、主に集合研修、オンライン研修、学校ボランティア、グループ対話といった方法を通して、理論と実践を往還しながら学びを深め、教師として学校現場に赴任するための準備をします。

赴任前研修期間に、成長したと思う資質・能力
フェローシップ・プログラムの研修は、Teach For Japanが育みたいと考える16の資質・能力に基づき設計されています。2025年度に学校現場に赴任したフェロー第13期生が回答したアンケートでは、赴任前研修期間に成長したと思う資質・能力について、以下の結果となっています。
教職や学習指導、生徒指導に関する知識・技能だけでなく、教育や社会に対する思いや価値観(使命感)、メタ認知なども育まれたと感じている方が多くいらっしゃいます。

赴任前研修の内容と受講したフェロー候補生の声
【1】教職教養セッション
教育の目的・目標や教育法規などを始めとし、危機管理や服務規程なども含む教師として働く上で必要な多岐にわたる内容を扱います。教育に関する様々なテーマについて、情報として知っているだけでなく、自分ごととして捉え、実践に繋げられるようになることを目指します。
ーフェロー候補生の声ー
「安心安全な場を教室を作ろうという意識が強くなった」
「他者の考えを取り込めたことは大きい」
「重要トピックの復習ができ、実務の基盤となった」
【2】自己価値観・在り方セッション
どんな世界・社会を実現したいのか、どんな子どもたちを育てたいのか、どんな「教室」をつくりたいのか。仲間との対話を通して、自分自身のビジョンの解像度を高め、フェローとしてどのようにありたいかを具体的に言語化していきます。
ーフェロー候補生の声ー
「どんな教師でいたいかを日々考える癖がついた」
「教員として必要な視点に気づかされた」
「どのような教師になりたいかを考える中で、自分の軸が明確になっていった」

【3】学習科学ゼミ
学習科学・認知科学の研究結果をもとに、人の学びのメカニズムについて学びます。自分が受けてきた教育のみに基づく経験則を見直すことで学習観を変容し、実際の授業デザインに生かします。
ーフェロー候補生の声ー
「人の学びのプロセスが自分と他者で違うと理解できた」
「実験・精読・対話を通じて自分の思い込みが揺さぶられた」
「模擬授業や教材づくりで学んだことが活かせている」
【4】授業デザインセッション、模擬授業
「授業デザイン→模擬授業→振り返り」のサイクルを仲間と協働して回していくことで、現場に出てからも自身の授業を改善し続けていくことができるようにするための準備をします。
ーフェロー候補生の声ー
「学習科学を学んだので、授業は科学的な考えに基づいて進めていくべきだと再確認できた」
「学習者にとって良い授業とは何かを考えることに活かされている」
「先生役のさまざまな授業スタイルを見て、自分の理想とすり合わせる機会になった」
※研修内容は2024年度赴任前研修のものです。
編集後記
フェロー候補生の皆さんが歩んだ赴任前研修のプロセスは、単なる知識の習得にとどまらず、「どんな教師でありたいか」「何のために教育に携わるのか」といった深い問いと向き合う時間でもありました。教職の専門知識や授業スキルはもちろん、仲間との対話を通して育まれた自己理解や使命感は、これからの教室づくりに大きな力となるはずです。
こうした研修の時間は、子どもたちの未来に本気で向き合うための土台を築く貴重な機会となっています。この記事を読んで、「フェローシップ・プログラムや研修についてもっと知りたい!」と感じた方は、ぜひ一度、フェローシップ・プログラム説明会にご参加ください。あなたの想いをかたちにする一歩が、ここから始まります。
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