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Teach For Japanフェロー7期生修了式&8期生中間報告会&9期生壮行会の様子をご紹介!

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この記事では、2021年3月27日に行われた『フェロー7期生修了式&8期生中間報告会&9期生壮行会』の様子をご紹介します。

当日は約2時間、オンラインにて開催されました。Teach For Japan(以下、TFJ)の中原CEOの挨拶にはじまり、これから赴任となる9期生の代表者プレゼン、決意表明が行われたほか、1年目を終えた8期生の代表者によるプレゼン、続いて7期生の代表者による2年間の実施報告が行われました。加えて、支援者様からの激励のお言葉や修了証の授与など、フェローみんなで互いを称え合う良い時間になりました。

本記事では、読者の皆さんがフェローの活動内容について知る機会として頂ければと思います。

中原CEOより挨拶

TFJは、2020年に10周年を迎えました。この10年間は決して順風満帆だったというわけではなく、多方面からのご支援のお陰で、ここまで来ることが出来ました。

私がCEOに就任したのは、2019年でした。これは、本日2年の赴任期間を終えて修了する、7期生の壮行会をした年です。その会では、TFJとして年間100名のフェローが学校現場で活躍できるようにするという目標をお話しさせていただきました。これまでは年間10名、20名だったので、この目標を聞いた時には、皆さん、きっと難しい目標だと感じられたことだと思います。

しかし、そんな中でも、7期生、そして8期生と現場に行っていただき、2021年4月からは88名のフェローの皆さんが現場で活躍する予定です。少しずつ少しずつ、思いを形に出来ていると感じています。改めて、TFJに関わってくださっている皆さんに感謝申し上げます。

9期生代表者によるプレゼン。フェローへの抱負とは

椛山美生(かばやま・みう)さん~福岡県、中学英語~

この4月からのフェローに向けた抱負を、私の人生を振り返りながらお話ししたいと思います。

遡ること、中高時代。私は公立の国際中等教育学校に入学しました。同級生の半分以上が帰国子女もしくは外国籍保持者。学期に一度は出身国や地域別の集会が開かれ、英語の授業では洋書を読んで議論する機会がありました。

この経験から英語が大好きになった私は、外国語大学に進学します。そこで出会ったのが、模擬国連でした。有難いことに、大学1年生で模擬国連の世界大会に出場しますが、ここで挫折を味わいます。得意だと思っていた自分の英語が、世界では全く通用しなかったからです。

そこで留学を決意し、アジアにありながら英語圏のシンガポールで、真のグローバルリーダーの在り方について模索しました。そこで学んだことの一つが、シンガポール人にとって英語を話すことは、自己表現であるということでした。

私は、これまで楽しく英語を話しているつもりでいましたが、よくよく考えてみると、キレイな英語を話さないといけない、正しい文法で話さないといけない、発音が悪いから話したくないと考え、英語を話しているときの自分には、自分らしさというものが失われていました。これでは、モッタイナイ。そう気付いてからは、英語は自己表現のツールであると考えられるようになりました。

留学後、英語を克服。模擬国連で大役も

そんなシンガポール留学から自信を付けた私は、模擬国連世界大会の学生事務総長に就任することが出来ました。これは、ホスト国となった日本でトップの役職でした。そこでのスピーチでは訛りや拙さを気にせず、ありのままの自分を英語で表現できました。この経験から、自分らしい英語を話すことは自己実現にも繋がることを学びました。

この頃から、自分を表現するための英語を話す人が増えればいいなと考えるようになりました。そんな時に出会ったのが、TFJでした。教室から世界を変える、その言葉に共感しました。

私が目指す「世界」とは、自分らしい英語を話すことが出来る英語教育を届けることです。つまり、自分を表現するツールとして、英語を使うことが出来るような授業を目指します。また、私が目指す「教室」は、自分を表現することができ(多様性)、みんな違うからこそ生まれる結論を探し続けられる(協働)場です。この目指す世界と教室を見返した時に思ったのが、私が作りたいのは国連のような場だということでした。

なので私の決意表明としては、国連みたいな多様性あふれる生徒が協働できる教室を目指し、私らしく一歩ずつ生徒と共に歩んでいきたいと思います。

大竹まりな(おおたけ・まりな)さん~福岡県、小学校~

ここからは、損害保険会社で代理店営業として働いていた私が、なぜフェローになったのかをお話しできればと思います。それにあたり、幼少期から振り返っていきます。

私は幼い頃、自分の夢や、やりたいことが分からない子どもでした。周りに迷惑をかけるのではないかと不安で自己主張ができず、恵まれた環境に居ながらも、なんとなくモヤモヤを抱えて大きくなりました。そんな中で就活の時期になり、周りに合わせるような形で始め、興味を持ったのが営業の仕事でした。

仕事自体は面白く、成長も出来たのですが、仕事を通してたくさんの業種の方と話をする中で、生き生きと働く大人が少ないことに驚きます。また、自分もそうなってしまっているのではないかと不安に思うとともに、優秀な大学を出ている人たちでもたくさん苦しんでいる姿を見て、学校とは何だったのだろうか、人や組織を育てるとはどういったことなのだろうかと思うようになり、関連書籍を読みました。

その中で、VUCA(Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を並べ、ブカ 、ブーカと読む)の時代で、その人らしい価値をいかに創造するかが大切で、自分軸を持って生きていくことの重要性が多く説かれていました。これらに対し、自分の社会人経験からも自分事として強く共感した私は、多くの人が希望を持てるような社会にするために、人の育成に関わりたいと思うようになりました。

小学校教員を目指して。そこで出会たのが、TFJ

そこで考えたのが、幼少期の人の育成でした。なぜなら、子ども時代は意思決定の土台が作られる時期だと考えたからです。受験や就活、働く大人に関わることも選択肢の一つではありましたが、より根本的なところに関わりたいと思いました。

ただ、免許を持っていなかったので、どうすれば最短で小学校教員になれるかを探しました。そこで出会ったのが、TFJでした。加えて、TFJのビジョンや「いつかじゃない、”いま”飛び込んでください」といった文言にも背中を押され、応募することを決意しました。そうやってフェロー候補生となり、研修を受ける中で出来上がったのが、「すべての子どもが主体的に意思決定できる社会をつくる」というビジョンでした。

具体的な施策としては、以下3つがあります。まず1つ目が、安心して意思決定できる心理的安全性の高い教室づくり、2つ目が、自分も他人も大切にする環境づくり、そして3つ目が自己表現できるようなコミュニティづくりです。そのために私は、営業経験や社会人経験を活かし、温かい雰囲気を作りつつも軸を持った学級運営を行いたいと思っています。

庄子貴喜(しょうじ・たかよし)さん~福岡県、小学校~

まずは、私の経歴を簡単にご紹介したいと思います。大学時代は橋の延命技術について研究し、新卒では大手広告代理店で法人営業をしていました。その後、専門学校で講演活動などを行い、市役所で都市計画や社会保障の部署で働きました。その時その時で自分がやりたいことを考え抜き、選んできたキャリアなので全く後悔のない職業選択ができたと思っています。

ただ、ある日、特に仕事もなく、パソコンでメールのページを開けたり閉じたりしているだけの日があったんです。その時、時間とお金を交換しているだけだな、このまま死んでいくんかな、それは違うなと思ったんです。その時に思い出したのが、福沢諭吉さんの言葉でした。

それは「蟻の門人となるなかれ」という言葉で、一生懸命働いて自分の衣食住を満たすだけで満足しているのは蟻と同じ、何か世の中のためになることをやってこそ人間だという意味を持っています。この言葉と共に思ったのが、教師になろうということでした。

しかし、教員免許を持っていません。そこで調べていると、3回に1回くらいの割合でたどり着くのが、TFJのホームページでした。そんな中でTFJに興味を持ち調べていくと、社会人経験が活かせることや、教育業界が抱える課題にアプローチできることを知り、参加したいと思うようになりました。

ただ、気になっていたことがありました。その一つが、TFJが持っている教育に対する考え方を、フェローみんなで学校現場に浸透させていくのかどうかということでした。しかし、質問に答えてくれたTFJの職員さんは、フェロー一人一人が考える素晴らしい教育を実践してほしいんだと答えてくださり、いいな、やってみたいなと思うようになりました。

また、面白い人が集まりそうだとも思いました。自分のこれまでのキャリアの中で、何をやるかよりも、誰とやるかの方が大事だと実感してきていたため、それぞれに教育への想いを持った人が集まるTFJだと、楽しい未来がありそうだなと想い、迷わず応募しました。実際に研修を進める中で、本当に千差万別、様々な考えを持つメンバーが集まっていると実感しています。

一燈照隅。自分の周りをしっかり照らす

私が4月の赴任から大切にしたいと思っていることは、一燈照隅の心です。いきなり大きなことを成し遂げるのは難しいでしょう。ただ、自分が今いる片隅を照らすことは、誰にでも、確実にできると思っています。

教育について学ぶ中で、シンプルな解決策はないということを実感しています。そんな自分が教育現場に入り、出来ることは、まずは自分のクラスの子ども達、それができたら学校の子ども達、先生といった具合に、自分の周りをしっかりと照らしていくことだと考えています。そうすればやがて、素晴らしい教育に繋がっていくと考えています。

9期生による決意表明・抜粋

8期生代表者によるプレゼン

山本亮(やまもと・りょう)さん~福岡県、小学校~

2020年を振り返って。本質を捉えるように促す指導

この一年間は、本当に楽しかったです。4年生の学級を担当しているのですが、毎日、児童と遊んで、考えて、話し合って、悩みました。毎日くたびれながらも、充実していましたね。

一番の成果としては、「学校に行きたくないと思ったことはありますか?」というアンケートで、自分のクラスの児童全員が「いいえ」と答えていたことです。昨今、不登校の問題などがある中で、学級みんなのこの回答は感慨深かったです。この理由を、自分なりに分析してみました。

それは、子ども自身に物事の本質をしっかり捉えるように促す指導を心がけていることだと思います。優しい児童ばかりですが、たまにルールを破ったり喧嘩してしまったりすることがあります。そんな時には、叱るような指導はせず、なぜ?と問いかける指導をしています。怒られるからダメなんだと考えるのではなく、何がダメだったのかを自分達で考え、導き出してほしいと思っているからです。

周りの先生には、4年生には難しくない?早いんじゃない?と言われましたが、4年生でも本質を考えることは出来ます。少し時間をかければ、子ども達だけで本質にたどり着いています。児童を信頼し、あえて私が導かないようにしています。

アンケートには続きがあり、「このクラスで良かったですか?」という質問がありました。こちらに対しても、児童全員が「はい」と答えてくれました。理由の欄には、すぐ仲直りできるから、仲間外れにされないからといった回答が見られました。指導方法について悩んだこともありましたが、無事に学級運営を終えられてよかったと思っています。

2021年に向けて。保護者とのコミュニケーションを密に

一番やりたいことは、保護者との連携です。今年度はコロナ禍ということもあり、保護者が学校に来て児童を見ることもなく、家庭訪問もありませんでした。そのため、保護者に子ども達の様子が伝わりづらかったなと思っています。

保護者に電話をすることもありましたが、その多くは問題を起こした時なので、日々の子ども達について情報共有することで、一緒になって子ども達を見守り、児童たちの学びの意欲向上につなげたいと思っています。

また、児童をもっと褒めたいと思っています。褒めることで得られる効果として、私が実感した例をご紹介させてください。

4年生で習う漢字は202文字あるのですが、ある一人の男子児童は漢字がとても苦手で、2学期の終わりまでに覚えたのは、30文字くらいでした。そこで、3学期に入ってからは、一文字覚えるごとに、「やるじゃん!」「綺麗に書けてるね!」などと褒めることを意識しました。そうして迎えた、3学期終わりのテストでは、なんと200文字の漢字を覚えていました。本当に感動しましたね。

2021年は、ICTを活用するなどして、子ども達が自分の可能性を感じられるような場をもっと提供していきたいと考えています。

野島信二(のじま・しんじ)さん~福岡県、小学校(専科)~

2020年を振り返って。子ども達に寄り添う

今年一年の取り組みを幾つかご紹介したいと思います。

まず1つ目が、「学校の笑顔の”なんでも屋”」です。私は一般的な教員ではなく、指導方法工夫改善教員というポジションで働いています。具体的には、算数や理科などの専科の科目を教えること、担任業務や授業のサポートをすることです。

そのほかにも、担任の先生が不在の際の打ち合わせであったり、児童のけんかの仲裁役、各行事の運営・準備、低学年の給食補助、校庭の草刈りなど、様々な業務があります。同僚の先生からの頼まれごとであれば、どんなことでも、笑顔で受けるように心がけていました。

続いて2つ目が、「子ども達の”わからなさ”を理解する」です。例えば1年生だと、1~10を使った足し算を教えるのですが、中には、その前の1~10の数字の順番が分かっていない子もいます。そんな時には、身近な机を数えながら数字の順番を理解してもらうなど、子ども達の分からないに寄り添う指導を心がけました。

最後3つ目は、授業参観や学校評価のアンケートをGoogleフォームで作成し、校内のICT化に貢献したことです。ほとんどの先生がGoogleフォームについて知らなかったので、私が主導して進めました。そうすることで、教頭先生などの管理職者の業務を大幅に削減することが出来ました。また、現場の先生もプリントの配布、回収などの手間を省くことにつながりました。

2021年に向けて。校内業務のICT化

2つあります。

まず一つ目は、子ども達の”わからなさ”に寄り添う指導を活かし、今年は国語の学力向上を目指すことです。算数や理科などの理系科目で”わからなさ”に寄り添い、指導してきましたが、国語の能力を伸ばすのはなかなか難しいことが分かりました。なので、今年はこの難しい課題に挑戦し、国語能力向上に役立つ指導を考えていきたいと思っています。

続いて2つ目は、校内業務のICT化や、他の先生も再現可能なICTを活用した授業づくりを行うことです。これを通して、子ども達1人1人が活きる学校を作っていきたいと思っています。例えば、板書が苦手な子ども達に対して、音声で課題を提出できる仕組みを作ることもありだと思います。子ども達に寄り添い、1人1人を活かせる教育に取り組みたいと思います。

鈴木憧子(すずき・とうこ)さん~埼玉県、中学英語~

2020年を振り返って。サバイブできた1年

一言でいえば、学校現場でサバイブできた一年と言えます。具体的には、以下3つです。

1つ目は、オープンな自分を保てたことです。自分のありのままの振る舞い方、在り方で教員として働けたと感じています。また、それが子ども達に全て伝わっていると実感しており、教師という存在が与える影響の重さを感じています。

2つ目は、学校のICT活用に貢献できたことです。例えば、Zoomを使った学年集会や、Google Meetを使用した授業参観です。学校にあるPCを上手く活用し、コロナ禍においてオンラインで実施できました。また、英語のクラス内でクイズアプリを使うなどし、時事問題に楽しく触れてもらえるように工夫しました。

3つ目は、SDGs視点を取り入れた教育に取り組めたことです。学校で使っている英語の教科書にマララ・ユスフザイさんのストーリーがあったので、SDGs4:質の高い教育をみんなにと、5:ジェンダー平等を実現しようの視点があるとして紹介しました。その後、クロムブックを活用して関心のあるSDGsの目標について調べてもらい、それを英語で簡単なレポートにして提出する課題を出しました。

2021年に向けて。学びの意義を伝える

一言でいえば、余白と余裕を持つことです。

具体的には、授業運営などの各種業務において、計画性を持ちたいと思っています。自転車操業で学びを提供するのではなく、学びを体系化することを大切にしたいと考えています。その中で、子ども達に学びの実感を持ってもらう機会を提供していきたいと思っています。そして、もう一歩進んだ段階として、学びの意義を見出してもらえるようにできればと思います。

TFJ田中滿公子理事より、激励の言葉

一年前の研修で、私は以下の言葉を皆さんに送りましたが、覚えていらっしゃいますでしょうか?

それは、私が、これまでの教員生活を振り返って思うことである、学校現場は「ジレンマ」と「不条理」にみちあふれているという言葉です。

何十年と教育現場に身を置いてきた人間として、生徒のためか自分のためかとか、学校のためか教育委員会のためかとか、そういった二元性を超えた「混とんとした状況」に、私たち現場の教師は踏みとどまり、スクールリーダーを中心に皆で知恵と工夫を結集することが求められていると感じています。

そして、フェローの皆さんは、そこに踏みとどまるために、同期であるフェローのみんなとの研修などを通し、理論知と実践知とコミュニティを構築してきました。

今日は、この一年前に伝えたかったことを、違う言葉で言い換えてみたいと思っています。

突然ですが皆さん、今の自分を花にたとえると、どんな花でしょうか?

みなさんが思い浮べた花の下には、実は、夢やビジョンの種があり、そこから下に横に根っこが伸びています。この根っこを伸ばすためには、相当な時間とエネルギーが必要です。ただ、どんな根っこを生やせば、これが出来るようになる、あれが出来るようになるといった結果が明確に分かるものではありません。花が咲く保証もありません。

そんな時、学校現場の先生たちやフェロー同期など、周囲の人たちがどんどん自分の花を咲かせているように感じては、焦ることもあると思います。でも、そんな時こそ諦めず、粘り強く取り組んでほしいのです。遂に花を咲かせた人は、その下には長い根っこを生やしている人でもあり、季節が変わっても、何度でも花を咲かせることが出来ます。(末永2020)

ここで皆さんには、1年前の原点に戻っていただきたいと思います。1年後に花を咲かすことと同じくらい、今ある根っこを伸ばすことにも着目して頂ければと思います。

7期生による代表プレゼン~2年間を振り返って~

遠藤忍(えんどう・しのぶ)さん~福岡県、中学英語~

振り返ってみると、自分は教師という仕事には向いていない、そう感じることがあります。

フェローとして赴任する前、自分なりのビジョンや、それを達成するためのステップを考えて挑みましたが、いざふたを開けてみると、自分がなりたくないような先生像になっていたと気付きました。

どの生徒からも好かれる「いい先生」になりたい、自分が大事だと思うことを分かってもらいたい、その強すぎるエゴによって自分の余裕をなくしていました。そのため、生徒と本当の意味で向き合えていなかったと感じています。

ではなぜ、私がこの仕事に向いていないと感じるかというと、以下の3点です。

まず1つ目が、伝えたいことが多すぎることです。英語教員のフェローとして赴任をしつつ、前職の経験を活かして、総合の学習にも精力的に取り組んできました。具体的には、プログラミング教育における企画を担当したり、コロナ禍で難しい職場体験学習を農業体験に代え、生産した農作物の販売プランを考えたり、ICT機器を使ったプレゼンテーションを実施したりしました。

このほかにも、国境なき医師団をテーマにした道徳の授業では、他校のフェローにオンライン・インタビューを実施したり、3.11から10年目の日には、東日本大震災当時のツイートを英訳したものを解読したりしました。

こういった実績を積む中で、もう少し着目されてもいいのではないか、評価されてもいいのではないかという想いが大きくなるのですが、はたと気づきます。私の関心は自分自身に向いていて、学び手に学びの主導権を手渡せていたのだろうか、と。正直言って、Yesとは言えません。

続いて2点目は、学習成果を担保できていないということです。私は生徒の英語の成績を、なかなか伸ばせていないと感じています。

ただ、いろんなことに取り組んできたつもりです。例えば、1人1人取り組む範囲が違う英単語テスト、定期テストのスコアレポート、定期テスト前の課題プリントの増し刷りと加点提出措置など。でも、結果が出ていないということは、手を尽くしたとは言いきれないと思っています。これは、私が生徒にとって分かりやすい授業を実施できていないからであり、学習性無力感を生むことにもつながってしまったと考えています。

最後3つ目は、決めつけから抜け出せないということです。生徒から受けた言葉を「心ない」と受け取り、憤り、そしてメンタルブレイクを起こして授業中に泣きかけたこともありました。ただ、この怒りの感情を観察してみると、その根底には、自分が認められていないことから感じる寂しいと思う気持ちがあったんです。

教育からは、離れられない。

しかしふと考えてみると、相手を認められていないのは、むしろ自分の方だったと気付かされました。言い換えると、苦しいのは自分だけではなく、むしろ私が相手を苦しめていたということに気付きました。しかし、2年たった今でも、こういった一側面的な判断をしてしまう自分を、拭いされていないと感じています。

それでも、私は教育の道から離れられません。

この2年間で、教員という仕事の大変さも身にしみて感じました。民間企業では分業でやるような業務量も一人でこなし、身を粉にしながら働く先生を目の当たりにしました。そんな先生たちの存在の凄さを知ってしまったがゆえに、自分のミッションである、学校と社会をなめらかにするというところから離れられないと実感しています。

次の一年、現任校に残り、中学3年生の副担任を担当することになりました(イベント当日は情報開示前でした)。。そう、進路決定の大事な時期です。私は自身の経験から、自分の進路選択に納得感を持ってほしいと思っています。

そこで、人事と中学生の2on1メンタリングを通年5回実施したいと思っています。これは、民間など学校外の人たちが学校を手助けするというのではなく、むしろ学校現場から学校外の人たちが学ぶという構造転換に挑戦するという意義も持っています。そして、ここで向き合ってもらう人事の方には、「だれかの人生に向き合うのは大変なんだ」ということに気付いてもらえればと思っています。

私にとってフェローの2年間は、人として不出来で、足らない点がたくさんあったということを思い知らされた時間でした。だとしても、私には果たすべき責任があると考えています。誰かの人生を変えることはできないけど、変わってほしいと願う相手に対して、相手を信じる姿勢を示すことはできる。これが、私の責務なのかなと思っています。

TFJのビジョンは、教室から世界を変える、です。しかし、私が2年間を通じてわかったことは、その「変わる世界」というのは、私自身の中にある世界なのかもしれないということでした。

支援者様、中央教育審議会委員/一般社団法人クマヒラセキュリティ財団代表理事、熊平美香様より激励の言葉

TFJ立ち上げ準備会から、TFJの活動に参加しておりました関係で、過去の壮行会にも参加させていただいたことがあります。今年は、9期生として沢山の皆さんが学校に赴任されますことを、嬉しく思います。

そして、7期生の皆さんの新しいチャレンジを応援するとともに、8期生の皆さんにおかれましては、来年の発表も楽しみでなりません。また、9期生の皆さんは同期のコミュニティも大きいので、心強いことと思います。

1人1台端末と、高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備するGIGAスクールなど、個別最適な学びに向けて学校教育が変わろうとしています。また、OECD(Organization for Economic Co-operation and Development の略称、日本語では経済協力開発機構)は、ラーニング・コンパス(学びの羅針盤)2030を発表し、生徒の主体性のバージョンアップを強く奨励しています。生徒は受け身ではなく、自ら定めた目的を達成するために、仮説を持ち行動しリフレクションを通して学ぶ自律的学習者であることが期待されるようになりました。

そんな中で、TFJが果たす役割は大きいと思っています。TFJの多様な背景を持った先生はとても貴重な存在です。また、TFJでは、先生はリーダーであると考えており、先生自らが、自分らしく生きることや、自分らしい教師、教育像を持つことを当たり前の事のように語っています。そんなTFJの先生だからこそ、子ども達の多様性や主体性を本当の意味で育めるのだと思っています。

また、究極の教育のゴールは、幸せに生きることだと思いますが、皆さんが自己実現を大事にしていて、それを子ども達がそばで見られる、子供たちに見せられるという点については、子ども達にとって本当に貴重なことだと思います。TFJでは、子ども達が幸せに生きることを、先生のbeingから学べることが既に出来ているのだと思います。

今は教育の転換点で、先生に求められることも沢山ありますが、TFJのフェローの皆さんには、ぜひ、しっかりと活躍していただき、子ども達に向き合いながら、日本の教育の進化、発展にも寄与していただきたいと思っています。益々のご活躍を期待しています。

中原CEOより、最後の挨拶

私自身、9期生の皆さんと同じく想いを持って現場に出たからこそ、7期生の遠藤さんが話してくださったように、不安や悩みなどを抱え、葛藤しました。ただ、だからこそ、周りの先生方とも対話したなと思います。教育とは何なのか、何のためにあるのかといった本質に気付いたのも、2年のフェロー期間だったと思います。

悩みや不安はあっていいと思います。なぜなら、悩みや不安は、想いがあるからこそ生まれますし、悩みや不安というものは、本質的な問題と向き合うための気付きにもなると思うからです。ぜひ、想いを持ちながら気づきを大切に成長して頂ければと思います。

また、8期生の皆さんの赴任前にお伝えした言葉ではありますが、私たちは「一丸ではあるが一様ではありません」。学校現場では、お互いに想いを持っているからこそ、比較してしまうこともあると思います。しかし、他者と比較する時に葛藤という言葉を使わないで頂きたいと思っています。目の前の子ども達と向き合う中で、自分が、どういう教育を行いたいのか、どういう想いがあるのかに向き合う、そこに葛藤するようであって欲しいと思います。

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