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子どもの「選択肢」を広げるために、ヤングアメリカンズを学校に届けたい!(第二部)

2年間学校で教員をするとしたら、どのような教育活動をするでしょうか?今回インタビューさせて頂いた増永さんは、Teach For Japanの4期フェロー(教師)として3年間公立小学校に勤務しました。インタビュー第二部となる今回は、ヤングアメリカンズを開催するまでの奇跡的な巡り合わせと、開催当日の感動、教員経験を経ていま考えているビジョンをおうかがいしました。

「2つの条件」と大変で最高の「ホストファミリー集め」

「ヤングアメリカンズを届ける!」と決断してから開催するまでの道のりを教えてください。

ヤングアメリカンズ(以下、YA)を開催するためには、まとまった資金が必要でした。なので、ヤングアメリカンズを開催するための資金的な課題をクリアするために、ずっと寄付を探していました。

そんなときに、Teach For Japan(以下、TFJ)創設者である松田悠介さんからウォータードラゴンファンデーションの寄付があるという連絡をもらいました。TFJのフェローになる前に、ヤングアメリカンズ(以下、YA)への想いを話したのを覚えていてくれたんです。寄付を受けるには、申請書が必要ということで、同期フェローに英文の申請書を書いてもらいながら、YAの開催にむけた寄付申請を行い、寄付をいただけることになりました

なるほど!懸念材料だった資金的の課題をクリアできたのは大きな前進ですね。

いつも応援してくださった地域の方々と(前列右端)

そのあと、学校の管理職の先生に相談し、市長の許可をあおぐために、説明するお時間をいただきました。いまでも震える手でプレゼンをしたことを覚えています。説明した内容を検討していただいた上で、2つの条件付きで開催することを許可していただきました!

条件の1つ目は、YAの開催を持続性のある取り組みにすること。2つ目は、教員の仕事をしながらやり切れるのかということ。それでもやり切れるならがんばってほしいということでした。

私は、その場で「やります」と答えました。担任として、力不足を感じ、精神的にも一番きつかった時期にYAをやることが決まりました。

いま振り返ると、
末永教頭先生が私の想いを理解してくださらなかったら、
教育長(当時)が北九州のワークショップを見てくださらなかったら、
YAを開催する年度に末永教頭先生が校長先生になられていなかったら、
寄付の申請が通ったあとプレゼンをさせていただいた市長が元教育長でなかったら……。

本当にいろんなことが折り重なったからこそここまで来ることができたと思います。本当に、末永教頭先生が「増永先生ががんばってたからね」とおっしゃって背中を押してくださったことに感謝しています。

奇跡のような巡り合わせが合ったんですね。開催が決まってからはどのようなことがあったんでしょうか?

ショーを視聴するホストファミリーの方々

開催に向けて具体的に動き出したのは、年度が替わった2年目の4月からでした。やることとしては、日時の決定、場所の決定、YAのキャストが滞在するホストファミリー集め、それ以外の事務的な細々としたことがありました。

なによりも大変だったのは、ホストファミリー集めです。大変だったけれど、地域の方々とつながることができたので本当に良かったと思っています。

YAのキャストは約40人ほどいます。そのキャスト全員が滞在できるだけのホストが必要でした。手紙を作って、配布してもらい、ドキドキで迎えた最初のホストファミリー説明会には、3名しか参加してくれる方がいませんでした。正直、愕然としたのを覚えています。

でも、参加してくれた方は、私の説明を聞いて、すごい感動してくれて「こういうのを飯塚に待っていたんです! 」と言ってくれました。最初の説明会をきっかけに、お母さんたちがホストファミリー集めを積極的にしてくれたんです。それに、担任していたクラスの保護者や職員室内の先生も協力してくれたのが心強かったです。

本番は、ずっと泣いてました。登場から退場まで(笑)

本番直前のことで印象的なエピソードを教えてください。

一緒に取り組んだボランティアの方々

なかなかホストファミリーが集まらず、教員としての仕事も忙しい中で、精神的に追い込まれていた時期がありました。ヤングアメリカンズの滞在先が見つからなかったときのために、学校から車で40分ほどのところにあるキャンプ場を仮予約するほどでした(笑) とにかく、全部ひとりでやろうとしていたんです。

他にも、じぶん未来クラブの担当の方からかかってくる状況確認の電話を何度無視したことか…(笑)「自分で開催する」と言ったくせに、じぶん未来クラブの担当の方に自分の窮状を訴えて熱くなってしまったこともありましたね。。

そんな苦しいときに、周りのお母さんたちが「できないことは言ってね」と声をかけてくれて、本当の意味で人に頼れるようになったと思います。

周りの人のサポートがあったからこそ開催できたんですね!

ヤングアメリカンズの学校開催の様子

それに、学校の先生方もホストファミリーとして協力してくれたのがとっても良かったです。YAのメンバーを受け入れることで、ショー当日を楽しみにしてもらえます。YAのキャストがわが子のように感じられて会場全体に一体感が生まれたように感じます。

多くの人が関わってくれ、みんなで作った結果、感動もみんなで分かち合うことができたと思っています。ちなみに、ヤングアメリカンズのショー本番は、ずっと泣いてました。登場から退場まで。(笑)

後日談ですけど、YAの開催で難しいと言われるのはホストファミリー集めです。特に、学校ではなく、どこか会場を借りてやるときはホストファミリーが見つからないことが多いです。でも、いまの飯塚市はすぐにホストファミリーが見つかるようになっています。これは全国的にも稀なケースです。

背景として、表現活動を経験するチャンスが少ないことがあるのかもしれません。でも、それ以上に、立ち上げをゼロから地域のお母さんたちとやっているから、誰かのYAではなくて、自分たちのYAになっていることがあると思います。なので、うちの子さえよければいいという保護者がいません。「みんなで」という気持ちが強いと思います。この経験から、地域で協力して開催していく素晴らしさを改めて実感しました。

開催してみて子どもたちの反応はどのようなものでしたか?

アンケートの中で特徴的だったのが、自己肯定感の向上です。

・新しいことにチャレンジしてみたい
・自分に自信を持てた

という項目が大きく高まっていました。

それに、教育委員会の方にもショーを見ていただいて、「来年度は予算化してやろう」という流れになりました。子どもにとっても良いことはもちろんですが、飯塚市が進めているオンライン英会話との相性の良さや、運動会や卒業制作へとつながるといった学びの継続性が理由にありました。

さらに、「これだけ盛り上がったんだから、学校開催だけではなく地域開催もしよう!」という動きになり、翌年には地域開催を実現するにまで至りました!

子どもたちに一歩を踏み出させることが大切で、大変。

子どもたちへのワークショップ以外に、先生方にもワークショップがあったようですが、どのような内容だったのでしょうか?

教員ワークショップの様子

最終的に2年目には、YAのワークショップを飯塚市内の2つの小学校で開催することができました。ありがたいことに、寄付して頂いた金額に少し余裕があったため、教員だけのワークショップを半日間行うことになったんです。

教員ワークショップを担当したYAのディレクターは、日本の学校開催での経験が豊富な人だったので、事前の打ち合わせで決まったことは「座学ではなく、先生にも体験してもらう」ということだけでした。(笑) あとは、当日参加する先生方の雰囲気を見て決めるということで進んでいったんです。

ふたを開けてみると、当日はダンスのワークショップでした。キャストがダンスの振り付けを手本としてやって、参加している先生方はそれを見よう見まねでカタチにしていくものでした。ダンスの選曲は、勢いだけで乗り切れるようなパワフルな曲ではなく、しっとりとしたエモーショナルな曲。そのため、振り付けも創作ダンスのようになり、照れる人は照れてしまうのではないかと心配しました。でも、先生方は真剣に、一生懸命取り組んでいました。

ワークショップの終盤で、ディレクターが「みなさんは、いつも子どもにやったことないことをさせているけれど、させられてどうでしたか?」と先生方に問いかけました。続けて、

「チャレンジすることそのものに価値があって、いまみたいにみなさんがチャレンジしたことが本当にすばらしい。」

「でも、子どもたちに一歩を踏み出させることが本当に大切で、大変。私たちもそれを考えて一生懸命やっているから、一緒に頑張っていきましょう。」というメッセージを伝えてくれました。ワークショップを体験した先生方の振り返りは、自分の子どもたちへの関わり方を考えるような深いものが多かったです。

「教育」に投資したいと思っている人の多さに感動!

地域開催についても教えていただけますか?

先ほどお話しした通り、地域での開催もしようと盛り上がりました。ただ、地域開催をするときに、一人1万8千円(YAのワークショップ参加費)を支払って参加してもらうイメージを持つことができませんでした。

そこで、みんなで決めて協賛金集めをすることにしました。結果的に、52の企業・団体から協賛を頂くことができ、参加費は一人1万円になりました。じぶん未来クラブの担当の方によると、初回の開催でこれほど協賛が集まるのは異例のことでした。

地域開催を応援してくださった企業・団体のみなさま

これも後日談ですが、地域開催2回目の2019年は、地域の方の申し込み枠が1時間で完売するということが起こりました。じぶん未来クラブの方の話によると、開催2回目でこの売れ行きはこれまた異例とのことでした。

協賛金集めもそうですが、YAを開催することを通して、「教育」にお金を使いたい、投資したいと思っている方人がたくさんいることに気付かされました。一緒に協賛金集めをしてくれた黒田さんと、移動中の車の中で、「世の中にはたくさん人がいるね!」と話していたのを覚えています!

社会と教育をつなげたい。

教員経験、ヤングアメリカンズの開催を通して、増永さんのいまのビジョンを言葉にするなら?

ヤングアメリカンズの学校開催での記念撮影

「教育から社会を変える」という世界観を実現していきたいと思っています。学校教員を経験したことで、本当の意味で社会と教育をつなぐとはどういうことかを考えるようになりました。企業や社会は教育にコミットしたいと思っていても、コミットできる機会や仕組みがない。ダイレクトに子どもに何かを届ける枠組みがないんです。

そして、公教育において先生が一人でできることの限界を改めて体感しました。課題解決をする上で、自身のリソースのみでは多様な子どもたちの未来を見据えた教育を実施することは難しいと思います。

だからこそ、保護者・地域住民・企業の皆様と有機的に繋がった教育の体系づくりや、私が取り組んだYA等の外部リソースを活用した教育等、取り組みやすくできる仕組み設計や運用を担える存在になっていきたいです。

第三部では、ヤングアメリカンズの開催を強力にサポートしてくださった末永校長先生、同僚の先生である梶山先生、ボランティアリーダーの中藤優子さん、渡邉福さんのお話をご紹介します。

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