コラム column

教育系NPOで働く、寄付するー多方面から教育改革をするNPOを知ろう

現代社会の教育課題に取り組むNPOは日本全国に存在します。教育系のNPOはそれぞれが解決したい課題と独自の解決策を持って、民間企業や政府とは異なる立場を生かした取り組みを行っています。今回は、教育系のNPOの種類や働き方、寄付の方法についてご紹介します。

そもそもNPOとは?

NPOとは「Non-Profit Organization」または「Not-for-Profit Organization」の略称で、非営利組織民間非営利組織と訳されます。NPOは民間の立場から、医療・福祉・環境・文化・芸術・スポーツ・まちづくり・国際協力・交流・人権・平和などの社会貢献活動を行います。事業で得た収益は企業のように構成員に分配されるのではなく、各NPOの活動目的を達成するために使われます。

このように、NPOは社会の多様化したニーズに対して、それぞれが取り組む分野からアプローチすることを目的にしており、その活動を通じた社会的使命の達成が期待されています。

参照
NPOのイロハ | NPOホームページ
NPOに関するQ&A:NPOの基礎知識 | 日本NPOセンター

教育系NPOの5つの分類

今回は教育系NPOの種類について、文部科学省が2011年に行った調査をもとに作成された「教育関係NPO法人の活動事例集」における5つの区分を具体例とともにご紹介します。
5つの区分とは、
成長と学びを支える
社会のなかで学びを支える
共に学び生きる
豊かな暮らしを支える
ネットワークで支える
です。

1.成長と学びを支える

成長と学びを支える「まなび」の分野では、主に学校や地域において子どもの成長や学びを支える活動を行っているNPOが分類されています。この分野は活動内容に応じてさらに4つにわかれています。より具体的な4つの活動分野と事業内容は以下の通りです。

(参照元:Vol.1 「まなぶ―成長と学びを支える」の概要|文部科学省

具体的なNPOには、開発教育協会やキッズドア、NPOカタリバ、テイクオフみさわなどがあります。

2.社会のなかで学びを支える

社会のなかで学びを支える「はばたく」分野では、主に学校外での学びを支えるNPOが分野されています。より具体的な4つの活動分野と事業内容は以下の通りです。

(参照元:vol.2 「はばたく-社会のなかで学びを支える」|文部科学省の概要

具体的なNPOには、東京学芸大こども未来研究所や放課後NPOアフタースクール、トイボックス、チャイルドライン支援センターなどがあります。

3.共に学び生きる

共に学び生きる「いきる」分野では、家庭や職場、社会の中での学びを支えるNPOが分類されています。より具体的な4つの活動分野と事業内容は以下の通りです。

(参照元:Vol 3 「いきる――共に学び生きる」の概要|文部科学省

具体的なNPOには、Fathering Japanやささえあい医療人権センターCOML、栃木県シニアセンター、バイリンガル・バイカルチュラルろう教育センターなどがあります。

4.豊かな暮らしを支える

豊かな暮らしを支える「はぐくむ」分野では、地域コミュニティの活性化を支援するNPOが分類されています。より具体的な4つの活動分野と事業内容は以下の通りです。

(参照元:vol.4 「はぐくむ‐豊かな暮らしを支える」の概要|文部科学省

具体的なNPOには、まちづくり学校、アースウォッチ・ジャパン、パンゲア、BEPPU PROJECTなどがあります。

5.ネットワ-クで支える

ネットワークで支える「つなぐ」分野では、様々な分野・機関どうしをつなげる中間支援機能や「新しい公共」のためのネットワーク、人材育成、助成などを行うNPOが分類されています。より具体的な4つの活動分野と事業内容は以下の通りです。

(参照元:vol.5 「つなぐ――ネットワ-クで支える」の概要|文部科学省

具体的なNPOには、NPOサポートセンター、富山県民ボランティア総合支援センター、杜の伝言板ゆるる、日本ファンドレイジング協会などがあります。

教育系NPOで働く3つの方法

教育系のNPOで働くには、フルタイムで働くものから単発で働くものまで、さまざまな方法があります。ここではNPOでの働き方を「職員」、「ボランティア」、「プロボノ」の3つにわけてご紹介します。

教育系NPOの職員になる

「NPOで働きたい」と考えたときにまず思い浮かぶのは、NPOの職員になることかと思います。職員という働き方にも多様な選択肢があり、フルタイムで仕事をする常勤や兼業などをしながら働く非常勤、特定の業務に関わる業務委託など、各NPOによって設けている職員の勤務形態が異なります。

新卒職員採用を行っているNPOもありますが、特に規模の小さいNPOなどは不定期の募集や中途採用のみを行っている場合も多くあるようです。

Teach For Japanの職員採用についてはこちらから

教育系NPOでボランティアをする

NPOには職員として契約を結び、有償で働くだけではなく、ボランティアとして登録し、単発や長期間働く方法もあります。ボランティアには有償のものから無償のもの、交通費や食事のみ支給されるものなど、さまざまな種類があります。

ボランティアの場合は職歴や経験を必要としないものも多くあり、学生にとっても働きやすい方法です。実際、特に教育学部の学生などはアルバイトの代わりや並行してNPOでボランティアをすることで、教育に関する経験を積むことも多くあります。

Teach For Japan(以下、TFJ)の場合は、春・夏・冬に関東地方での学習支援のボランティアを募集しております。募集を開始次第、Teach For JapanのFacebookTwitterから発信いたしますので、ぜひご確認ください。

教育系NPOのプロボノになる

「プロボノ」とはラテン語で「公益のために」を意味する「pro bono publico」の略で、社会人が仕事で得た専門知識やスキルを活用して行う社会貢献活動のことを指します。始まりはアメリカやイギリスの弁護士が始めた無報酬で行う法律相談で、現在は教育系を含めたさまざまNPOでプロボノが活躍しています。

プロボノは支援期間を決め、プロボノとして支援する組織が人手や資金が足りないなどの理由で必要としている業務のサポート・代行を行うことが多いようです。近年では、プロボノと受け入れ先のマッチングサイトも多く使われています。

実際にTFJでもプロボノは大活躍しており、WebマーケティングやWeb広告の知識とスキルに富んだプロボノの方が業務の代行や改善、他の職員に対する知識の伝達を行っています。

Teach For Japanのプロボノ募集はこちらから

教育系NPOに寄付する3つの方法

「NPOで働く余裕はないけれど、教育系NPOの力になりたい!」という方は、寄付をするという方法があります。ここでは、3つの寄付方法についてみていきましょう。

個人寄付をする

個人寄付では一回限りの単発的な寄付や、毎月など定期的に決まった額を寄付する継続的な寄付などがあります。寄付する額は自分で決めることができ、寄付方法も街中の募金箱やクレジットカードや銀行振込などがあります。

また、毎月の携帯電話料金と一緒に寄付することができる、「ソフトバンク つながる募金」という方法や、それぞれのNPO独自の寄付方法がある場合もあります。TFJは単発の寄付、継続的な寄付、「つながる募金」による寄付の他に、古本を寄贈した買い取り額が寄付になる「ほんがえし・プロジェクト」によって寄付することができます。

Teach For Japanへの個人寄付についてはこちらから

法人寄付をする

企業の社会貢献活動の一環として、法人寄付を行うケースも多くあります。また金銭的な寄付以外にも、活動場所の提供や事務用品の寄贈など、さまざまなかたちでNPOを支援することができます。

例えばTFJでは、フェローシッププログラムの参加希望者に2年間の入社猶予を認めていただく制度の導入や、トレーニング・プログラムの一部ご提供など、様々な形での支援のお申し出をお待ちしております。また法人として古本寄贈にご協力いただける場合には、古本回収用ボックスの設置など、各種の特典がご利用いただけます。

Teach For Japanへの法人寄付についてはこちらから

寄付者の税制優遇

個人寄付の場合も法人寄付の場合も、認定NPO法人への寄付には「認定NPO法人等寄附金特別控除」という制度があり、税制優遇の対象となります。Teach For Japanは認定NPO法人なので、こちらの制度が適応されます。

Teach For Japanへの寄付と税制優遇についてはこちらから

参考
No.1263 認定NPO法人に寄附をしたとき|国税庁

東京マラソンチャリティから寄付する

東京マラソンでは2011大会よりチャリティが実施されており、東京マラソンチャリティに選定されている団体へ一定額以上の寄付をすることで、チャリティランナーとして東京マラソンに出走することができます。寄付金はランナー自身が拠出する場合と、東京マラソンチャリティのサイト上で行われるクラウドファンディングによって支援を呼びかけて拠出する場合があります。

参考
∼東京マラソン2020チャリティのご案内∼|認定NPO法人Teach For Japan
東京マラソン2020チャリティ|Run with Heart

※2020年の東京マラソンチャリティは一般参加中止に伴い、中止されました。

まとめ

今回は教育系NPOについて種類や関わり方をご紹介しました。TFJに限らず、さまざまなNPOがそれぞれの活動目的達成のため、日本や世界の教育をよくするために日々精進しています。教育系のNPOは全国各地、数多くあります。私は大学生のときに就活をしていた際に使っていたOBOG訪問サイトを通じてTFJと出会い、インターンプログラムに参加したことがきっかけでのちに職員になりました。この記事が皆さまにとって教育系NPOについて知り、関わる方法を考えるきっかけになれば幸いです。

参考
教育関係NPO法人の活動事例集|文部科学省
職員採用|認定NPO法人Teach For Japan
インターン・プロボノ募集|認定NPO法人Teach For Japan
寄付によるご支援について|認定NPO法人Teach For Japan

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