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これからの時代に有効なキャリアは?”2年間学校現場に赴任する”という選択肢

人生100年時代と言われる現在、これまでのような教育→就職→引退というロールモデルはなくなっていきます。これからの時代には、「無形資産」がポイントになると言われており、日本の企業は人工知能では代替できないコミュニケーション能力を学生に求めています。そこで、これからの時代に有効なキャリアの1つとして、Teach For Japanのプログラムをご紹介します。プログラムで磨かれる3つの力とは?

これからの時代を幸せに生きるための「無形資産」

2050年までに、100歳を超える日本の人口は100万人を突破すると予測されており、人生100年時代と言われています。これまでは、子ども時代に教育を受け、20代で就職して働き、60代でリタイアするという3つのステージの人生でした。しかし、これからの時代は、教育、仕事、個人事業主、副業、自分探しなど、複数のステージを転々とするマルチステージの人生になると考えられています。

では、人生100年時代で幸せに生きていくには、何がポイントになるのでしょうか? ポイントとなる3つの無形資産をご紹介します。

スキルと知識

まずは、仕事のためのスキルと知識、人間関係です。家や現金、証券、宝石のように形のあるものではありません。教育を受けることで得られるスキルや知識も無形資産の1つです。

アフリカでは、老人が1人亡くなると図書館が1つ消えるといいます。このことからもわかるように、スキルや知識はこれまでも年齢と共に蓄積されてきました。しかし、これからの時代は、いままで以上に新しい知識を学び、新しいスキルを手に入れることが求められます。

身体と心の健康

次に、健康の重要性が増します。2007年に生まれた子どもが107歳まで生きる確率は50%あると言われています。また、厚生労働省のデータによると、2018年の日本人の平均寿命は男性で81.25歳、女性で87.32歳です。つまり、これまでの平均寿命よりも約20年近く長く生きるようになります。身体が健康であることは、人生100年時代を生きる土台になると言えるでしょう。

また、心の健康も重要だと考えられます。心の健康とは、家族からの愛情や心を許せる仲間など、それぞれの人が感じる幸福感です。オランダ語のヘゼリハ(Gezeliig)のような居心地の良さを感じることにも言い換えられます。人生を前向きに生きるための活力となるものです。

参考
平成 30 年簡易生命表の概況|厚生労働省,P2

多様性に富んだネットワーク

そして、人生の過程で変化を促してくれる多様性のあるネットワークも大切な無形資産となります。多様性に富んだネットワークは、出会ったことがない人に会いに行く、移住する、オンラインコミュニティに参加するなど、さまざまな方法があります。

また、新しい人間関係や経験に対する開かれた姿勢自分のことをどれだけ理解しているかも変化するために大切な要素です。

参考
2030年に向けた日本の教育政策について|文部科学大臣補佐官鈴木寛

これからの時代に必要なキャリア観と能力

人生100年時代を幸せに生きるためには、「知識とスキル」「健康」「多様なネットワーク」が必要であることをご紹介してきました。では、経済界は、新卒や転職者にどのような能力を求めているのでしょうか。経済界のトップランナーのアドバイスと日本経済団体連合(以下、経団連)のアンケートを参照しながらご紹介します。

マルチステージを歩んでいくためのキャリア観

2019年には、経団連の中西会長が「終身雇用を前提に企業運営、事業活動を考えることには限界がきている」と発言し、トヨタ自動車の豊田章男氏は「終身雇用の維持は難しい」と意見を述べています。このことからも、日本の終身雇用は崩壊していることがわかります。

つまり、これまでの考え方で働くことを捉えるのは、リスクが伴うということです。Google日本法人の名誉会長も務めた村上憲郎氏は、自分の将来のための就活であること、親世代が知っている会社の繁栄がどれだけ続くかわからないことから、下記のようにコメントしています。

ママが知ってるような会社入ったらあかんで

(引用元:【村上憲郎】就活生よ生き急ぐな。若者に送る「5つのエール」|NEWS PICKS

また、経営共創基盤CEOの冨山和彦氏は、海外の優秀な学生の働き方を下記のように述べています。

アメリカで40年も同じ会社にいたら「キミ、よその会社から一度も声をかけられなかったの?」と能力を疑われます。現在は、上海やシンガポールでもそうなっている。3年ごとに転職して、また以前いた会社に戻ってくることもある。

(引用元:日本企業を蝕む”上から目線”という深刻な病気|PRESIDENT Online

これからの時代は、自分の中に軸を持ち、マルチステージを歩んでいく力や姿勢が求められているのです。

日本の企業が学生に求める能力

経団連のアンケートによると、選考時に一番重視される要素は「コミュニケーション能力」です。これは、2003年から16年間連続で1位となっており、約80%以上の企業が求めるスキルであることがわかります。

コミュニケーション能力や主体性、チャレンジ精神は、人工知能が一般化する時代における重要な能力としてあげられており、今後もそのニーズは高まっていくと考えられます。

(参照元:日本経済団体連合によるアンケート結果

フェローシップ・プログラムで磨かれる力

Teach For Japan(以下、TFJ)のフェローシップ・プログラムは、公立学校の教員として、2年間学校現場に貢献します。学校現場にある課題やニーズに向き合い、子どもたちにポジティブな影響を与えるのがミッションです。

2年間のフェローシップ・プログラムでは、どのような力が磨かれるのか、3つに分けてご紹介します。プログラムを経験することは、人生100年時代を幸せに生きるための力を磨くことにもつながります。

1.リーダーシップを発揮する

教員の仕事は、リーダーシップを発揮する場面の連続です。例えば、学級目標を子どもたちと創り上げることもそうですし、その目標を達成するためにビジョンを共有することもそうです。

また、ビジョンを実現するために、子どもたち・保護者・同僚の教員や地域の方々のモチベーションを高めたり、途中で起こる問題を解消していくこともリーダーシップを発揮する場面です。特に、フェロー(教員)は、学校に赴任する前に研修があり、研修の中でビジョンを徹底的に考え抜きます。明確なビジョンを持つことで、能動的に働きかける場面は増えていきます。

2.多様なネットワークの構築

教員の仕事は、授業を行うことだけではありません。一人ひとりの子どもたちとの信頼関係構築はもちろんのこと、同僚の教員や保護者、学校に関わってくださる地域の方々など、多様なセクターの人と関係構築をするチャンスがあります。

また、2年間を修了したフェローは、教育課題への当事者意識を持ち、多様なセクターに進みます。修了生の57%は教員を続けていますが、約20%は民間企業へキャリアを進め、約10%は起業しています。他にも、NPO職員や国際機関に務めるなど、2年後のキャリアは多様性に富んでいます

さらに、世界52ヵ国のネットワークを持つTeach For Allとの繋がりもあり、グローバルサミットへの参加や、他国の教員がTFJフェローの教室に訪問することもあります。

このように、プログラム中も修了後も、教育を軸にして、多様なネットワークを構築することができます。

Teach For Allのホームページはコチラです。

3.改善する力

教員に求められる能力の1つに、改善する力があります。PDCAを回転させていく力と言い換えることもできます。例えば、授業を1時間行うにも、計画を立て、実際に授業をして、授業の内容をふり返り、改善のためのアクションをします。これを毎日、毎時間行います。

また、先ほどご紹介した通り、フェローはビジョンを持って学校に赴任します。何かしら学校現場に貢献したいことや課題に感じていることがあるからこそ、赴任します。つまり、フェロー期間中は、ずっと改善に取り組んでいる課題に向き合っている状態と言えます。その過程で、改善していくことはもちろん、あきらめない粘り強さも磨かれていきます。

まとめ

TFJのフェローは、これからの時代にも有効なキャリアの1つになり得ます。フェローは、2年間という限られた期間の中で、リーダーシップを発揮し、粘り強く課題に向き合い、改善し続ける経験をします。そして、学校や教育を中心に、多様な人や組織とのネットワークを構築することができます。フェローを経験することで、その先の人生で、どこでも、誰とでも働ける人材へと成長することができます。

【フェロー経験者登壇】プログラム説明会はこちらから

Teach For Japanは、学校の教室から世界を変えていきたいと考えています。
多様な教育課題があるからこそ、学校へ情熱ある多様な人材を「教師」として送り出しています。教室で生まれたインパクトを、学校・地域・社会へと広げ、教育改革の一翼を担います。

参考
仕事がなくなる時代に備えて「14のスキル」を身につけるべき理由|logmiBiz
これからの時代に求められるスキルは「やりたいことをやる力」|幻冬舎 GOLD ONLINE
2030年に向けた日本の教育政策について|文部科学大臣補佐官鈴木寛
2018 年度 新卒採用に関するアンケート調査結果|一般社団法人 日本経済団体連合
必要とされるスキルの変化と求められる教育・人材育成のあり方|総務省「ICTの進化が雇用と働き方に及ぼす影響に関する調査研究」,P256(平成28年)

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