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1種類だけではない!小学校教員免許の種類と取得方法を大公開!

教員免許の取得というと、大学に4年間通わなければならない、教育実習に行かなければならないなどハードルが高いと感じる方も多いのではないでしょうか。しかし、教員免許の取得にも様々な方法があるのです。今回は、小学校教員免許の種類・取得方法などをご紹介します。

小学校教員免許の種類と取得方法

小学校教員免許状の種類

教員免許状は3種類あり、申請により都道府県教育委員会から授与されます。授与を受けるためには、 1.所要資格(学位と教職課程等での単位修得、又は教員資格認定試験(幼稚園、小学校、特別支援学校自立活動のみ実施)の合格)を得るか、2.都道府県教育委員会が行う教育職員検定(人物・学力・実務・身体面)を経る必要があります。具体的な授与基準等の細則は、都道府県ごとに定められています。

普通免許状(専修、一種、二種)

・有効期間:なし(令和4年5月の改正教育職員免許法の成立により)
・有効地域範囲:全国の学校
・教諭、養護教諭、栄養教諭の免許状
・所要資格を得て必要な書類を添えて申請を行うことにより授与される
・専修免許状:大学院を卒業した人が取得できる免許状
・一種免許状:4年制大学を卒業した人が取得できる免許状
・二種免許状:短大を卒業した人が取得できる免許状(小学校・幼稚園のみ)

特別免許状

・有効期限:なし(令和4年5月の改正教育職員免許法の成立により)
・有効地域範囲:授与を受けた都道府県のみ
・教諭と同じ免許状
・社会的経験を有する者に、教育職員検定を経て授与される。 授与を受けるには、任命又は雇用しようとする者の推薦が必要となる。

臨時免許状

・有効期限:3年
・有効地域範囲:授与を受けた都道府県のみ
・助教諭、養護助教諭の免許状
・普通免許状を有する者を採用することができない場合に限り、教育職員検定を経て授与される。

小学校教員免許状の取得方法

前項では、3種類の小学校教員免許状の種類を紹介しました。では一体どのように免許を取得するのか紹介していきます。

1.普通免許状

一種・二種免許状

初めに、普通免許状一種・二種の取得について説明します。前項でも述べたように一種は4年制大学を卒業した人が取得でき、二種は短大を卒業した人が取得できる免許状です。最低修得単位数について見てみると、一種免許状の場合、最低修得単位数は67単位、二種では45単位となっており、一種と二種には22単位の修得単位数の差があることがわかります。また教育実習は一種・二種ともに4週間です。

専修免許状

次に普通免許状の専修免許状についてです。専修免許状は大学院を卒業した人が取ることのできる免許状です。最低修得単位数が91単位と、一種・二種免許状より格段に多くなっています。また条件として、以下の項目が挙げられています。

1.専修免許状を取得するためには、取得したい専修免許状と同一教科、かつ、
 同一学校種別の一種免許状を取得すること。
2.修士の学位を有すること。(大学院修士課程に1年以上在学し、所属する
 専攻に開設されている科目を30単位以上修得した場合も、基礎資格を有するとみなされます。)
3.専修免許状の課程認定科目を24単位以上修得すること。(課程認定科目は
 所属する各研究科に開設されている科目であり修了単位に含まれます。)

(引用元: 免許状を取得するための所要資格|専修大学

2.特別免許状

特別免許状は、優れた知識・経験を有する社会人等を学校に迎え入れ、専門的知識等をいかしてもらうための免許状です。この免許状では大学での単位は必要とされず、任命又は雇用しようとするものの推薦に基づき、都道府県の教育委員会で書類審査や面接審査等の教育職員検定を経て、授与されています。

3.臨時免許状

臨時免許状を取得する場合は申請が必要で、採用する自治体が普通免許状を有する者を採用することができない場合のみ検定により授与できるものです。

また、教員資格認定試験という制度もあります。教員資格認定試験は、大学等で教員養成コースを履修していたかどうかに関わらず、教員として必要な資質、能力を有すると認められた者に教員への道を開くために行われている、「教員になりたい」と思う様々な人が受けることのできる試験です。

小学校教員免許状の取得できる大学・短大

「小学校教員になる!」と決めても、大学選びに戸惑う方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな方々に向けて、小学校教員免許状の取得できる大学と短大の一覧が見れる文部科学省のサイトページをご紹介します。

1.通学課程

大学に通って学習をするのが通学課程です。都道府県ごとの小学校教員免許・専修免許が取得できる大学名・学部名などが一覧でまとまっています。
小学校教諭一種免許状|文部科学省
小学校教諭二種免許状|文部科学省
専修免許状|文部科学省

2.通信課程

一方で、自宅学習を中心とするのが通信課程です。時間や場所を選ばずに学習を進められるメリットがありますが、自律的に学習する姿勢が求められます。
通信課程|文部科学省

教員免許状の追加取得を目指す

教員免許状を有している方や現職教員の方の中には、教員免許状の追加取得を目指す方もいらっしゃいます。では一体、どのように追加取得するのでしょうか。

1.同校種他教科の教員免許状を取得する場合

1つ目のケースは、同校種他教科の教員免許状を取得する場合です。例えば、中学校の英語の免許状を既にもっている方が中学校の他教科の免許状を取得を目指すなどの場合を示します。

同校種他教科の教員免許状を取得する場合は、必要な科目・単位の取れる通信制大学で、「科目等履修生」(正科生でもOK)として単位修得をし、免許状に必要な条件を満たせば、教員免許状を追加取得できます。

なお、違う校種の他教科教員免許状を取得する場合(中学校教諭1種を所持している方が小学校教諭1種の取得をめざす etc.)は、教育実習の必要があり、科目等履修生では教員免許状の追加取得はできません。

2.隣接校種の教員免許状を取得する場合

 2つ目のケースは、隣接校種の教員免許状を取得する場合です。これは小学校教諭免許状を持っている方が中学校教諭二種免許状の取得を目指すなどといった場合を示します。隣接校種の教員免許状を追加取得する場合、科目等履修生として必要な科目・単位の取れる通信制大学で単位を修得し、免許状に必要な条件を満たすことが必要です。この方法で追加取得するには、3年の教職経験により教員として良好な勤務成績で勤務したことが条件になります。

臨時・特別免許状で小学校教員へ ~Teach For Japan~

これまで小学校教員として現場に立つための小学校教員免許状の取得について紹介してきました。普通免許状の取得については、大学・短大・大学院を卒業していることといった条件が必要になります。しかし、大学等で教員免許を取得していなかったものの社会に出てから教育現場に携わりたいと思うようになった方や、中学校教員免許は持っているけれど小学校教員として働きたいと思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そのような方のために、臨時免許状・特別免許状の制度を利用して学校現場で働く方法をご紹介します。それは、Teach For Japanのフェローシップ・プログラムです。

フェローシップ・プログラムは、教育をより良くしたいと考える多様な人材を選考し、資質・能力を研修を通して育み、学校現場に教師(フェロー)として2年間送り出す取り組みです。
現在も数多くのフェローが日本全国それぞれの学校へ赴任し、子どもたちの可能性を最大限発揮できるよう活動しています。

Teach For Japanが行っている研修制度に関する記事はこちら▼
Teach For Japanのフェロー候補生の赴任前研修制度とは。独自のオンライン・オフライン研修他、個人面談で赴任まで全力サポート!

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まとめ

今回は小学校の教員免許状について紹介させていただきました。教員免許の取得と一口にいっても、実は様々なルートで教員の免許を取得し、教員になることができるのです。1つのルートではないからこそ、自分に合ったものを選択できるという点も特徴の1つであると思います。この記事がみなさんの選択肢を増やすことのでき、教員について知るためのものになったら幸いです。

※フェローシップ・プログラムに関わらない免許制度に関するお問い合わせはご遠慮ください

参考
小学校教諭の免許とは?種類や取得方法、更新制度などを調査!|資格広場
教員免許制度の概要|文部科学省
免許状を取得するための所要資格|専修大学
教員免許申請「臨時免許状の申請」|埼玉県教育委員会
教員資格認定試験|独立行政法人教職員支援機構
小学校教員の免許資格を取得することのできる大学|文部科学省
教員免許を追加取得できる通信制大学を徹底調査【2020年最新版】|通信制大学情報局

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