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先生はプロサッカー選手!?(後編)

先生はプロサッカー選手!?(後編)

<サッカー選手が先生になった!教室で起こる魔法の数々 トラックの泥除けで苦手克服!?最強の子ども議会!?>

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<中原健聡さん プロフィール>

札幌新陽高等学校 校長の右腕。Teach For Japan*フェローシッププログラム3期生。

スペインのサッカーリーグ(4部2部B、1部の練習生)で活躍し、2014年に帰国。それからは日本の教育機関で「自分の人生の切り拓き方」を講演して回る。多くの子どもと関わる中で、日本の教育を発展させる学校をつくりたいという目標を抱く。その目標の実現のため、自身で学校現場を経験するために、2015年から*フェローとして小学校へ赴任。2年間のプログラム修了後、2017年4月から、札幌新陽高等学校で校長の右腕として赴任。

 

フェローシッププログラム:Teach For Japanの教師派遣プログラム

フェロー:プログラムで派遣される教師

 

前編はこちら熱血サッカー少年がスペインでサッカー選手となり、サッカーが教育をやるためのツールとなるまで

 

 

 

 

<スペインのサッカー選手から小学校の先生へ>

スペインで色々なご経験をされ教育への想いを持たれた中原さんですが、帰国されてからはどうされていたんですか?

日本へ帰国してからは、1年ほど母校の大阪体育大学で職員をしながら、学校をつくる方法を調べつつ、人脈を広げていきました。その後、2015年4月からTeach For Japan(以下、TFJ)のフェローとして小学校へ赴任しました。

 

フェローを選ばれた理由は何ですか?

TFJのフェローを選んだ理由は大きく3点あります。1点目は小学校へいきたかったからです。これは小学校から中学校までの義務教育を変えたいと考えていたからです。2点目はTFJのネットワークに魅力を感じたからです。フェロー以外で法人を支えて下さる方々を含め、教育に興味をもつ教育分野以外の人とのつながりを得られると感じたためです。最後の3点目は同じ志の人との出会いがあると思ったためです。自分と同じフェローとなる人はすべて一致せずとも、ある程度自分のビジョンや志と類似した想いを持っていると思い、そうした人たちとの出会いがあると感じました。

 

フェローへの応募の際、何か不安なことなどはありましたか?

フェローになる際の不安は・・・ありませんでしたね(笑)。最終的に学校をつくれるのかという不安は多少ありましたが、その過程でのフェローに対する不安はありませんでした。

常に自分のなかで覚悟を持てるベストな選択肢を選ぶように意識していました。

 

フェロー期間中に最も大変だったことは何ですか?

偏差値などの学力以外の評価を周りの方に認めてもらうことが大変でした。でも、担任を続けるなかで次第に保護者の方が子どもたちが活き活きしていくのを実感されて、評価してくださるようになったんです。このとき、子どもたちが活き活きしていること自体が偏差値などとは異なる立派な評価基準になると感じ、「教育の価値は幸せになること」と実感できるようになりました。そして、子どもたちのロールモデルとして目の前の大人が活き活きしていることがとても重要だと感じるようになりました。

 

<子どもは可能性に溢れている> ~君は天才!!雨と泥除けとプールの魔法~

フェロー期間中にやりがいを感じたことはどのようなことですか?

子どもの具体的な変化が見えたときにやりがいを感じました。たとえば、プールが苦手な子がいたのですが、この子がどのようにプールという嫌なことを嫌なままにせずに済むかと考えました。その子はトラックの泥除けが好きで、小さな模型に自分で泥除けを作るほどでした。それでこの子の好きなトラックの泥除けとプールを上手く繋げられないかと考えたんです。

 

それからは、その子にお手製の泥除けを見せてほしいと言い、本当に雨が降るまで二人で待ちました(笑)。そして待ちに待った雨の日、二人で水溜りに行き手作りの泥除けを見せてもらいました。彼曰く、車が曲がる際に前輪のタイヤと接触してしまうため泥除けは大きすぎてもいけないらしく、小さければ当然タイヤから泥が跳ねてしまいます。そこで何が重要なのかと聞くと、彼は「泥除けはタイヤとの距離が大事。距離がちゃんとしていれば泥除けが小さくても泥は跳ねない」と言いました。思わず「天才やな!!!」と言いました。

 

そして本題のプールということで、彼は水に顔をつけることもできなかったのですが、「トラックの泥除けのことも水があるから発見できたよね?プールも同じ水だよ?一回水に入ってみたらもっと水のことがわかって泥除けのこともわかるかもよ?」と話しました。そしたら顔すらつけることができなかったのに、彼はプールでバタ足ができるようになりました。その子のお母さんは何も聞いていなかったらしく、バタ足をしている動画を見せたらとても驚かれていました(笑)。

 

<大人顔負けのチーム運営> ~大人もたじたじ 最強のこども議会!?~

思い出に残っている教室でのエピソードを教えてください。

教室では授業ではない休み時間などにも色々なことが起こります。たとえば生徒同士でのケンカです。これを大人が勝手に判断しない、つまり教師が勝手に大岡越前のように裁き、決着をつけないようにしていました。大人が勝手に判断して生徒の思考を止めないよう、お互いが納得するまで話し合いをして解決するようにしていました。また、この話し合いの際は当事者だけでなく、クラス全員で議論するようにしていました。

 

そうしたクラス運営を続けていたら、ある日私のいないところで生徒たちだけで解決した内容の報告が私に上がるようになりました、ビックリですよね(笑)。しかもその内容がすごくて、たとえば、掃除の時間のケンカの話があったんですが、掃除時間中に通せんぼして遊んでた子と、掃除の時間に遊ばないでほしいという子とでケンカになりました。日頃のクラスルールから生徒同士で話し合った結果、通せんぼした子もそれに怒ってしまった子もお互いに大事にするようなつもりではなく「正直そんなつもりではなかった」ということで、お互いにごめんなさいをして一件落着したという報告がありました。

 

これだけでもすごいと思うのですが、このときは更にすごいことがあって、普段はクラス全員で話し合うようにしているのですが、掃除の時間のため全員で話し合いを始めたら掃除が終わらなくなってしまうと生徒たちは考え、「今は二人が話し合いを納得できるまでするために、他のメンバーで二人の分も掃除をしよう」とケンカをした二人以外の子どもたちが協力して掃除をしたんです。当事者の二人もその事を周りのメンバーに感謝していました。このときは本当に感心させられてしまいました。

 

印象に残っている職員室内でのエピソードを教えてください。

生徒たちに「自由と勝手の違い」についての話をしている際、おしゃべりを続ける生徒たちに対して「それが君たちの自由なら、先生がここにいる意味はないよね?」と私が授業中に教室を出ようとしたことがあったのですが、この件に関し学年主任の先生から「保護者にどのように伝わるかわからない」と指導をしていただきました。しかし、この学年主任の先生は私の子どもたちへの想いを否定せずに支えてくれて、「もし、保護者からのクレームがあっても中原先生の意図をしっかりと私からも説明するから、その想いは無くさないでほしい。」と言われたときは嬉しかったですね。

 

同僚の先生方とは普段から自分のクラスだけでなく、学年全体で生徒たちのことを考えるようにしていました。だからこそ、周りの先生方とも密にコミュニケーションをとるように心掛けていましたし、お互いにアドバイスをしたり教員たちでBBQをしたりもしていました。自分がやりたいことだけではなく、相手を受け入れた上でのコミュニケーションをするよう常に意識していたこともあり、周りの先生方からは多くのバックアップをしていただきました。

 

保護者の方とのやりとりで印象に残っているエピソードなどはありますか?

私は会話でのコミュニケーションを意識し、生徒同士での話し合いに重きを置いてクラス運営をしていたのですが、ある保護者の方からこうした話し合いの時間はそこまで重要ではないのではないかというご意見を頂きました。この方とは時間をかけてお話をさせて頂き、実際の子どもたちの変化を見て頂くことでご納得頂くことができました。そして私が小学校を離れる際は、なんとこの保護者の方の声がけで生徒全員からのメッセージ集がつくられ、それを頂きました。本当に有難かったです。

 

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中原さんへプレゼントされたメッセージ集や手紙

左上のサッカーの飾付がされている冊子がお話のメッセージ集

 

 

思い出深い同期のフェローの方とのエピソードなどもありますか?

・・・特にはないですね(笑)。何か特別なことがあったというよりは、赴任前研修で本当に真剣にお互いのことを語り合って、時間を共有し、想いを共有した仲間だからかフェローを終えてバラバラになった今も、久しぶりに会ってもあまり「久しぶり」って感じがしないんです。3期フェローの仲間とは距離や頻度が影響しないほど高い質の人間関係が構築できていると感じています。そして、同期のこれからにもすごく期待をしていて、またどこかで交わるような予感がしています。

 

現在のキャリアとそのキャリアを選ばれた理由を教えて下さい。

現在は北海道の札幌新陽高等学校というところで「校長の右腕」として働いています。「本気で挑戦する人の母校」という学校のビジョンに基づき、生徒募集やカリキュラム作成、コース新設などソフトバンク出身の校長のもとで色々な業務を行っています。

 

現在のキャリアを選んだ理由は、「自分で学校をつくりたいから」ということに尽きます。実はTFJを卒業してからは海外留学をして大学院で教育開発などについて学ぼうと考えたこともあったのですが、実際にそうした学問を学んだからといって学校ができるわけではないと思い留学はやめました。新陽高校では校長先生や周りの先生方にも自分で学校をつくりたいということを話しています。必ず近い将来に自分で学校をつくります。

 

最後に、現在フェローになるか迷われている方へのメッセージをお願いします。

TFJに入れば、フェローになれば何かが変わると思われているだけではいけないと思います。そうした点を自問自答された上で、それでもフェローになりたい、子どもたちに何かを伝えたいと前向きな想いがある方は是非エントリーして頂ければと思います。

 

 

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中原さん、貴重なお話を誠にありがとうございました!!!

 

 

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インタビュー・記事作成:リクルーティングリーダー木村慎太郎、栗原貴志、高橋良輔

写真撮影:森崎昇、高野雅子