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【第7回】教育実習で学んだ大切なこと

2016/6/17 編集スタッフ

 

このブログは現役の教師が教師として心がけていることや、毎日の実践で感じたこと、教師の仕事などについて語るコーナーです。第7回目は、筆者の教育実習での思い出や学びについて紹介します。

 

 

先生の仕事を学ぶための教育実習

教育実習に行く前から先生を目指していた私は、「先生がどんな仕事をしているのか」という視点で実習に臨みました。自分が先生になったらどんなことをするのか、1つでも多く見て聞いて学びたいという思いでした。

 

実習が始まるといろいろな教科の授業を見学させていただき、授業中は先生の発問や板書、子どもとのやり取りなどをつぶさに観察していました。放課後には、「ここでは、どうしてあのような発問をしたのですか?」など、授業見学で感じた疑問などを先生方に質問して学ばせていただきました。

 

実習生として授業を考える時、教科書や指導書を参考にして授業の目標を決め、そこから学習活動を設定していきました。といっても、だいたい指導書の流れに沿って行うことが多かったです。

 

授業を考えたり頭の中でシミュレーションをしたりする際には、「初めにこう言って導入する」「次にこの発問をして、これを考えさせる」「残り何分になったら最後の振り返りを書く」と、自分の動きを何度もイメージしました。時間がある時は、授業のタイムラインと自分が話す言葉を準備することもありました。

 

実際の授業では、シミュレーション通りに話したり活動をしたり、順調にできたと思います。研究授業も教科書の流れに沿ったスタンダードな展開でした。授業後は大学の先生も同席の振り返りをしましたが、「無難な授業だったね。」と言われ、実習担当の先生からは「実習生であれだけ落ち着いてできれば良いと思います。」と言われました。自分自身としても、授業案として予想していた展開で進んで良かったなと思いました。

実際に先生になって

このように、授業に関して先生方の動きを学び、自分でも授業をして、大きなミスもなく終えることができた教育実習でした。そして、大学卒業後は、志望していた小学校の先生になりました。先生になってからも、実習での経験をもとに教員生活を送っていました。初めの方は実習時と同じように、教科書に合わせて進めて、無難な授業を行っていました。

 

しかし、夏休み前に授業中の集中が途切れやすくなり、私語が増え始めました。私は「暑さのせいかな」と思っていましたが、夏休みが明けても良い方向に戻ることはなく、周りの先生方に相談してみると、次のように言われました。

 

「子どものことが見えてないんじゃない?」

 

そこで初めて、自分が教育実習で見落としていた大きなことに気付きました。私は、実習の時からずっと、教師としての自分のことを考え続けて、目の前の子どもについて考えていなかったのです。もちろん、「子どもにこんな力を付けたい。だから、こんな授業をする」という意味では考えていましたが、それは子どもから出た願いではなく、こちらや教科書が設定したねらいでした。

 

授業を考える時も、自分の発問や説明など、教師の動きばかりを考え、子どもが実際に何を考えて、活動のどこに面白さを感じ、何に困るのか、といったことを真剣に考えることをしていませんでした。まさに「一方通行」で授業を考えていました。

 

きっと子どもたちは、夏までは一生懸命に授業についてきてくれていたけれど、教師の話し方や進め方についていけず、学習内容が分からなくなっていたのだと思います

 教育実習での本当の学びに気付く

その時に、教育実習で担当の先生から実習初日に言われた言葉の意味がやっと分かりました。私が授業見学中に先生の言葉や板書を一生懸命にメモしていたので、放課後に担当の先生からこう言われたことがあったのです。

 

「先生、私の授業の進め方をメモするより、子どもになったつもりで一緒に授業を受けてみて下さい。」

 

実際に教師になり、目の前の子どもたちと過ごす中で、先生が本当に伝えたった意味が少し分かった気がします。それからは、私は授業を考える時には、まず初めに子どもの顔と頭の中を思い浮かべることからスタートします

 

「学習内容について子どもの生活や既習とどんな関係があるのか」「どんな活動なら楽しく学習に入り込めるか」「この子はこの部分で分からなくなるかもしれないからこの手立てを考えておこう」などを考えます。

 

これは、子どもを育てる先生にとっては当たり前の発想かもしれませんが、私は教師になってからもできていませんでした。上手くやろうと、自分のことで頭がいっぱいだったのです。

 

先生になるには自分の経験をもとに「こんな授業をしたい」と考えることも大事ですが、「自分の授業で子どもがこう育ってほしい。だから、こんな活動や手立てが必要だ」という視点も忘れてはいけないと思います。先生としての自分だけでなく、そこで一緒に学ぶ子どもたちの姿を決して忘れないでください

〜Y