【教育の最前線から⑤】子どもの居残り勉強に付き合った話。

2016/6/02 TFJフェロー

 

小学校で3年生の担任として赴任をしているSフェローが、教室での出来事をきっかけに感じたことを書いてくれました。今回は2回目です。(前回のはこちら

 

教師として、試行錯誤しつつも、伝えたいことを伝えようとする姿と子どもの様子、そして教師と子どもとの関係が伝わってくる、あたたかい内容の記事です。

「いつものあの子」の居残り勉強に付き合う

最近は毎日、「4・5月に習った漢字の総まとめテスト」に合格できなかった子どもの居残り勉強に付き合う日々です。イヤなことはしたくない、というシンプルなこだわり(笑)を持っているその子どもを励まして取り組んでもらっています。とは言っても、実際その子どもは、「やらされ感」が全開で、最初っから合格なんてあきらめてしまっているんですが・・・。

 

授業中にはさんざんこそこそ遊んでいるのに、それで点数がとれないとぶーぶー言って「合格点までやろうね」というと放課後「今日はついてない」と言って泣き出す始末で・・・。本当、とても人間らしい子なんですよね(笑)。

 

でも、よくよく毎回提出されるテストを見ていると、少しずつ埋まってきているんですね。しかも毎回間違えてるところが違ってたりする。…こりゃー覚えてないんじゃなくて、気持ちの問題だな。ということが見て取れるわけです。そして、昨日のテストの結果を見たときにその予想が確信に変わったので、「◯◯くん、これ明日は絶対に合格点いけるわ」と声をかけてその日は帰宅させました。

 

「先生がいけるっていってくれたからやな」

そして翌日の放課後、いつものように居残って(やり始めるまでしばらく遊んでて、毎度怒られるんですけど)、その子どもがテストをやり始めました。

 

その間は、マルつけをしながら待ってます、私は。

 

ようやくテストが終わったらしく、「うーん、どうかなー」とか言いながら持ってくると・・・

 

見事に94点!! 合格点!!

 

「よっしゃー!」と言いながら、かえるのようになぜか両手足で飛び跳ねていました。

 

こちらからすると、「まぁそうだろう、そうだろう」という感じでもあったのですが(笑)、今週中には絶対いってくれ!という気持ちだったので、飛び跳ねて喜んでいる彼を見ていたら、こちらもどんどんテンションが上がってきました。

 

そしてその子が「昨日、先生がいけるっていってくれたから合格できたのかもしれん〜!」ということを言って、「よし!勉強がんばるぞ!」と残りの宿題(宿題出してなかったのでそれもやらせてたんですが)にも取りかかりました。なんかもう、マンガのように、あまりにも反応が素直でわかりやすいんです。

 

「先生のおかげや〜」と繰り返す彼に、私が「それはもとからあったキミの力なんだよ」と言うと、「えー!? そうなんかなー!?」という、照れが半分、嬉しさ半分のようなこれまたわかりやすい反応をしてくれて、二人で植木鉢に水をあげて帰りました。

 

 その後、私も嬉しかったので自宅にも電話して、「もうほんとにがんばってたんで、ぜひ家でもほめてやってくださいー!」と話すと、お母さんの嬉しそうな感じが電話からも伝わってきて、なんだか、最高にハッピーな一日でした。

 

「A社から◯千万円受注しました!」「営業利益が対昨年比で◯%アップ!」ということに一喜一憂していた民間企業のサラリーマン時代も決して悪くはありませんでした。でも、こういう、子どものちょっとした成長を一緒になって本気で喜べる教師の毎日って、それはそれは楽しいものです。そして、そんな喜びのタネがいろんなところにあるのが教師としての毎日だと思います

(S)