【教育の最前線から②】中学校英語教員 長村フェロー  後編

2015/10/24 TFJフェロー

 

塾講師や海外青年協力隊、NGOでの活動を経て、TFJのフェローとして英語教師に。

Teach For Japanのフェローがどのような実践を行っているのか。そして、教師として学校現場に立った今、どのように感じているのか。福岡県の中学校に英語教師として派遣されている長村先生にお話を伺いました。

 

【後編】

授業以外で、長村先生が特に注力していること

—— 海外経験等を通して、外の世界を知っている長村先生だからこそ、できていること・やっていることはありますか?

 

長村先生5 生徒に共有できる情報量が格段に違うと思います。

 もちろん、新卒で教師になられて、ずっと現場で

 子どもたちに向き合っている先生も非常に素敵です

 し、素晴らしいと思います。

 ただ、そうではない経験をしてきた人間だからこ

 その話せることも、やはりあると思うんです。

 

 

 

 

—— 授業以外にはどのようなことに取り組んでいるのでしょうか?

 

私の赴任している中学校では、学校全体として「英語教育を盛んにしていこう」という目標を掲げているんですけれども、実際のところ海外経験のある先生はほとんどいないのが現状です。ですから私がいかに周りの先生方を巻きこんでやっていけるかということがこれからのチャレンジだと感じています。

その第一弾として最近実際に行った取り組みとして、先日、

長村先生6

九州工業大学の留学生との交流イベントを開きました。土曜日の中学校に、ベトナム人・インドネシア人留学生計3名を招き、参加を希望した生徒十数名と、ゲーム形式で楽しみながら英語を学んでもらう、といったものです。

企画は非常に好評で教頭先生や他の英語の先生方も興味津々で参加してくださったので、今後こうして少しずつさまざまな取り組みを協働でやっていけたらと思っています。

 

—— そのイベントを企画した意図や背景を教えてください。

 

長村先生7

 子ども達が何で勉強にやる気がでないのか、って考えたら、

 ただ単にきっかけやモデルがないだけなんですよね。

 育つ環境の中で、世界を見ようとするきっかけもなければ、

 こういった人になりたい、というモデルもいない。

 

 それでは「英語を勉強しなさい」と言ったところで、

 勉強する理由や動機がないんですよ。

 

 これは非常にもったいないことだと思うので、

 子ども達が、少しでも海外とか自分の将来に興味を

 持ってくれる「きっかけ作り」をしたいなと思いました。

 子ども達に対しては、参加した時に、「英語ができなくても

 コミュニケーションはとれるんだ!」と英語への興味を

 持たせると同時に、「もっと英語を勉強すべきだな」と

 自ら気付く機会にもして欲しいという思いがありました。

 

【国際交流イベントの報告チラシ】

                   自己紹介の段階ではカチカチに緊張していた生徒たちもみんな

                  笑顔で、とても楽しんでいる様子でしたので、今後も土曜日など

                 を利用して、継続して行なっていきたいと考えています。 

 

長村先生に聞く、TFJフェローならではの視点

 

—— 一般の教師としてではなく、TFJフェローとして、現場に入ると何が違うのでしょうか?

 

語弊がある言い方かもしれませんが、ある意味で、「教師側になりすぎてはいけない」と思っていて、他のフェローともよく「外部からきたという意識を持とう」と話しています。

 

これは何かというと、学校現場に入って最初に驚いたことは、何か新しい取り組みをしようとすると、すぐに「先生の負担になるから止めよう」、「先生の負担を最小限にしよう」という言葉が聞こえてくるんですね。もちろん、教師という仕事が非常に忙しく、大変なのは理解できます。

 

長村先生8 それでもなお、教師中心の考え方というのは

 本質的ではないと思いますし、私は子どもの

 ためになることであれば、何でもやりたいと

 思っています。

 そういった意味での、「教師側になりすぎては

 いけない」です。

 

 私は、生徒のためになることしか

 考えていないですし、そのために同僚の先生と

 連携することは大切だと思っています。

 

加えて、Teach For Japanフェローとして働くと、フェローの仲間の存在が非常に大きいです。フェロー仲間は、よりストレートに自分の取り組みに意見をくれますから、頼れる存在でもあり、同時に刺激でもあります。

 

—— 長村先生の今後の長期的な方向性について教えてください。

 

理想的には日本と海外を行ったり来たりを繰り返しながら、

外で感じてきたことを、日本で子ども達と接しながら、教育に還元していきたいと思っています。

海外で経験したことを子どもたちに伝えたいと思うとそれができたらベストだなと。

 

長村先生9

—— 未来のフェローに一言お願いします!

 

授業をきちんと上手に行なう根底にある情熱を、絶対に忘れないで欲しいと思います!

 

気持ちがあれば、子どもたちとの信頼関係が築かれますし、例え授業が多少下手でも生徒はついてくるので、そこを大事にして欲しいですね。

 

 

フェローになることを迷っている人がいたら、「自分では大したことがないと思っている経験でも、意外と学校現場では影響力を持つかもしれない!」と伝えてあげたいですね。

学校の外の社会のことを知っている人が現場に入ると、生徒にも、他の先生にも刺激となりますから。

 

—— 長村先生、ありがとうございました!

 

次回は、「フェローを迎えてくださる教育現場の声」として、長村先生を受け入れてくださっている教育委員会の桑原様からのメッセージをご紹介いたします。

お楽しみに!